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始まりの街 アード

アードの森を抜けて無事、街に着いた私達。

ここから私の新たな冒険が始まる!


はずだったのに・・・何で牢屋に入るのかなぁ???


ひょっとして私は牢屋に縁でもあるの!?


そんな縁いらないよ!?


まあ、簡単に説明すると魔族領に近い辺境の地に貴族の子供が冒険者になる為に来たとは怪しい奴め〜みたいな感じ?


抵抗しないで堂々としてたら、向こうも強くは出れなくなって、辺境伯に指示を仰ぎに行くからしばらく牢屋で待つように言われたんだけど…


貴族の可能性も考慮してるなら、牢屋で待たせるとかないわ…貴族だったら首飛ぶよ…リアルに…違うけどさ…どうしようか…


これからの事を考え込むマオ


想像以上に素晴らしい手触り…


正座しているターニャーの膝の上に腰掛けて尻尾をモフモフさせてもらっているマオ…

これからの事より目の前のモフモフに集中している?


魔王の威厳かんぬんはどこへ行ったのだろうか・・・


そんな2人に様子を微笑ましい表情で見ている見張りがいる事に気付きながらマオに指摘しないターニャー…


場にそぐわぬ空間が出来ていた…


・・・辺境伯・・・


知らせを聞いた私は直接足を運ぶ事にした。


近隣に10歳ぐらいの娘を持つ貴族はいない。

隠し子の可能性も否定は出来ないがかなり高価な装飾品を身につけていた言う…


しかし、魔族の侵攻が懸念されている時期に魔族領に最も近い辺境の地に冒険者になりにきたと言うのは怪しすぎる…


貴族三男等が冒険者になるのは珍しくはない。

だがそれは王都近辺での話だ。

私の知る限り国内で辺境の地に貴族の血筋が冒険者になりに来た話など聞いたことがない…


馬車の窓から覗く景色を眺める辺境伯。

平和だな…

魔族の侵攻が始まれば抵抗する間も無く蹂躙されると言うのに、中央の馬鹿どもは攻勢に出る出来だと喚き散らす…何も知らないというのは幸せか…


魔族の侵攻を妨げる絶壁が魔族領にいる魔物の侵入を防ぐのに悲鳴をあげていて、魔族はその魔物を遥かに凌ぐ力を持っている現実を目にしたら馬鹿どもはどんな反応をするのだろうか…


周りは私を魔族を撃退した英雄だと褒め称える。

たしかに私は魔族と戦った。


そして勝利して魔族を撤退させた。


その相手がただの下っ端…


「飽きたし帰るわと」去っていった魔族達…


鑑定能力なんていらなかった…

何度この眼をくり抜こうと思ったことか…


100年前、単身で魔王を討伐に向かった勇者はどんな心境だったのだろうか…


魔族の脅威が記された文献は王族の許可なく閲覧はできない。

魔族を退けた褒美に閲覧許可を頂き拝見した内容は公に出来るものではなかった。


100年前の戦いでの討伐が確認された魔族は130程度


死者行方不明者は合わせて30万以上…


四天王のステータスは100万をこえるらしい。


国一つを滅ぼす古龍100体分だ…


人類最強の勇者でもステータスは10万に届いていなかったという…


どの様な人物だったのだろう…


・・・離れた場所から牢屋の中を伺う


黒い髪と瞳の獣人、その膝の上に腰まで伸ばした白銀の髪に青い瞳の少女がいた。


若い従者に10歳ぐらいの貴族の娘…

鑑定眼を起動する…


獣人の女性のステータスは鑑定出来ない。

魔族だ…それも中級以上の…


今にも震え出しそうなのを必死に堪える。


次に少女を見る


名前 マオ

種族 魔王

レベル 2


生力 2030

魔力 315

力  320

守  315

速  65


!!!???


息が出来ない!?


心臓を鷲掴みにされてたかのような圧迫感に慌てて鑑定眼を停止する。


圧迫感がなくなる…


獣人の姿をした魔族と目が合う…


生きた心地がしないな…相手は殺気だけで此方を殺せるのだ…機嫌を損ねないよう…最善を尽くさねば…


2人がいる牢屋の前に歩み寄る辺境伯


「初めまして、私はここの領主をやっております、辺境伯の"ルーク・アード"と申します。この様な場所で待たせてしまい申し訳ありません。」


・・・


少女を膝から降ろし立ち上がる女性


「マオ様は、気にしておられません。が、ここはあまり長いしたい様な場所ではありませんね。」

「場所を移しましょうか…」


マオ様と呼んだ少女に指示を仰ぐ。魔族の女性


・・・屋敷まで馬車で移動する事となった。


魔眼である鑑定眼はエキストラスキル(★の表記があるスキル)より劣るとはいえ、3倍以上のレベル差がない限りは隠蔽や偽装を見破れる…

彼女のレベルは1500以上…


対面に座る2人を見る。


疲れたのか体を預け眠る少女を見守る様子は普通の姉妹に見える…


「人にしては、中々レアな目を持っていますね?」


魔族から発せられた言葉にびくつく辺境伯


「今のところは貴方たちを害することはありません。今後の為にも、鑑定能力を妨害する魔道具を献上する事をオススメします。マオ様が眠りを妨げないよう静かにしていなさい。」


要求だけ述べて黙り込む魔族の女性


人にしてはと言う発言から人ではない者、魔族という確信は得られた。


魔王…装備から感じられる力から察するに本来のステータスは100に及ばないレベルが低いよりも称号…種族値がおかしいすぎる…


異世界から召喚された勇者の初期値は1000前後だったという…


オカシイなんだこの状況は…夢であって欲しい…

ただでさえ最近はストレスで髪と胃に深刻なダメージが蓄積されているというのに…


・・・魔族領には良い発毛剤はないだろうか…それぐらいなら要求しても大丈夫な気がする…


屋敷に着いたが余程疲れていたのか少女が目覚める気配はなく話は翌日にする事となった…



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