あべこべ、貞操逆転物の原点とは。
私は無類の貞操逆転物好きです、どんな作品でも読みますが貞操逆転物は迷わず読んでしまいます。
ある時私が何時ものように貞操逆転物の小説を読んでいるとふと疑問に思った事が有ります、貞操逆転はいったい何が始まりだったのかと。
そもそも貞操逆転物とは男女の貞操観念がその名の通り逆転している世界観を指します。
近似したジャンルに美醜逆転が有りますが、これはまた別です。もし機会が在るのならば是非とも読んで頂きたいジャンルでは、ありますが。
少し調べていると幾つかの事柄が分かってきました、まず貞操逆転物を流行らせたのは漫画家の天原様の著書、『貞操逆転世界』である。これは成人向けの俗に言うエロ漫画で冴えない少年がある日突然貞操観念が逆転した世界に迷い混み、その世界で情欲に耽る、そんな内容の漫画です。
この『貞操逆転世界』はシリーズ物であり、後にアダルトビデオになったりウェブ雑誌で連載されたりもしました。
この他にもやる夫のSSが原点であるという説やそもそもそんなに珍しいジャンルでもなかったという説も有りました。
しかし私はある時其らしい物を見つけました。ついこの間の事です、芥川龍之介の短編集を読んでいるとある作品に目がいきました。『河童』です。内容はある精神病院である患者が決まって話す物語りがあります、それは河童の世界の話でした。ある時青年は森で足を滑らせると河童の集落に落ちつきます。河童の文化は独特で人間とは価値観が正反対なのです、不純な交遊が推奨され流産も産まれてくる赤子に「産まれたいか?」と聞いてから産む、そんな文化でした。しかし特筆すべきはそんな所ではありません。このお話しでわ河童の女は男を追い回すそうです、それも男が精神的に参って仕舞うほど。
この『河童』は主人公の友人の河童が女にしつこく縋られ精神を病み自殺してしまいそれを切っ掛けに人間の社会に帰る、というお話しです。そのあと主人公は人間の社会に絶望し河童の集落に戻ろうとしたときに警察に捕まりその結果この精神病院に入れられる。そんな物語りです。
この河童の文化はまさに貞操逆転と言えるのではないでしょうか。『河童』自体は芥川龍之介らしい何処か人間社会を皮肉った内容です。しかしこんなに昔から有るとは驚きです、流石は文豪と言った所でしょうか。
今回私が調べる事が出来たのは此処までです、皆さんも自分の好きな物のルーツを探ってみては?
此処まで読んで頂きたい有り難う御座いした。