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十番目の神殺し  作者: ゆうかり
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第一話

説明回です。短い。

『魔法』。

百年ほど前、人類が文明を極めた末に生み出された、人々の想像をそのまま現実にする一つの術式。

それは人々の望むまま、永久機関を、尽きせぬ資源を、完璧な医療技術を、そして架空であった生物たちを生み出し、人類はその時点で抱えていた全ての問題を解決するに至った。

夢のような時間は、しかし、突然に終わりを告げる。

神々の登場である。


思いがけなく人類が生み出した神々は、どうしようもなく神であった。

彼らにとって、人類とは自分たちが支配するべきものであり、世界とは、自分が思うがままにされるべきももだった。

ギリシャ、旧約聖書、北欧、インド、中国。

その他、あらゆる地域のあらゆる神話の神々は、それぞれの主張をもって戦争をはじめ、それに巻き込まれた全生物は、絶滅の危機に追い込まれることとなる。

『大戦争』の勃発である。



「………それをなんとかしようと利用されたのも、また『魔法』だった。

神々ですら逆らえない存在、つまりは世界の理そのもの(・・・・)に意志を与え、調停させた。

多くの島々や大陸の一部は『大戦争』時に吹き飛び、オーストラリア大陸やグリーンランドなどは人類には生息できない環境と化した。その他にも、『大戦争』の爪痕は、あらゆるところに残っている」

教科書の朗読の声が響いていた。

内容は、小学一年生でも知っているだろう、『大戦争』についてのことである。

ここ日本も当然巻き込まれ、人口のおよそ三分の二が死亡したとされる。

女好きの神のせいで、特に女性人口の減少は著しく、また、これは日本に限った話ではないため、現在世界は深刻な女性不足に陥っていた。

それでも『魔法』のおかげで復興は順調、ということもない。

「二度と同じような悲劇を起こさないため、全世界の政府は『魔法』の機能の制限を行った。

そうして制限された『魔法』を『魔術』と呼ぶ。

『魔術』は既定の術式を用いることで超常現象を起こすものであり、現在では主に敵性魔法生物を退治することに使われている」

魔法により生み出された生物は多く、それらを魔法生物と呼ぶ。

教室の中にも見かけられる、耳の長いエルフや背の低いドワーフ、体に獣の特徴を持つ獣人などもその一部だ。

彼らは概ね人類に友好的であり、多くの国で人権が保障されている。

対して、人類に友好ではない………そもそも知性というものが全くないものがいる。

代表的なものでいえば、ゴブリンやオーク。

彼らは、人類(というより、自分たち以外の全生物)に敵対的であり、このような魔法生物を敵性魔法生物と呼ぶ。

世界の復興を阻むのはこれら敵性魔法生物と、現状に不満を持つ神々である。

「新暦二十三年、敵性魔法生物、及び暴動を起こす神々の対処のため、自衛隊内に『魔法自衛隊』を設立。同時に、『魔法自衛隊』内に、神の起こす災害を専門に対処する『対神格特殊部隊』が設立され、以降、敵性魔法生物等が起こす災害は、全て『魔法自衛隊』が対処することとなる」

「はい、ありがとう。今読んでもらったとおり、敵性魔法生物の対処を一手に担うのが『魔法自衛隊』、つまり君らの先輩であり、未来の君たちだ。君たちはこれから教える『魔術』を使って………」


教壇に立つ男性が説明を続ける教室を、一人の少年が横切った。

奇妙な少年だった。

黒い髪に白い肌。小さな唇は血のように赤く、全体的に黒っぽい、ラフな格好をしている。

そしてなにより、その眼は黒い布で隠されていた。

全身から異彩を放つ少年は、しかし、周囲が見えているかのように迷いない足取りでいくつもの教室の前を通り過ぎ、階段を何度か上って、やがて一つの扉の前で立ち止まった。

『対神格特殊部隊専用連絡室』と書かれた横に長いプレートを掲げた扉をノックし、「失礼します」と小さな声で呟くように言うと、躊躇なく中に入る。

つまり少年は、世界で五十四人、日本には十人しかいない神を退ける力を持つ者、通称『神殺し』の一人にして、『対神格特殊部隊』の一員なのだった。




最後の最後で主人公登場(ただし名前は出ない)。

そしてまだ説明は終わっていないのですよ………。

いわゆる主人公最強ものですが、主人公のほかにも最強がでてきます。十人ほど。

誤字脱字等ありましたら、感想で教えてください。

見た瞬間速攻で直します。

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