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魔法少女マジカルでぃすぺあ  作者: アカバコウヨウ
第六章 処刑者を処刑する者
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第三十話

「大丈夫か、夏音!?」

「ええ、大丈夫よ……それより」

 そうだ、何が起きた?

 さっきの放送を聞く限り、魔法少女が侵入してきた事は間違いない。問題はどこまで侵入されているかだ。商業区や居住区まで侵入を許していれば、事態は最悪だと言える――いや、数えきれないほどの魔法少女の襲撃を受けていると言う現状、すでに最悪か。

「これってマズイわ、最悪よ」

「わかってる」

「階層エレベータがこんな状態になっているって事は、魔法少女は階層エレベータをぶち抜1いて侵入してきたという事になるわ。もしかしたらすでに……」

 夏音は苦々しげに口を閉じるが、俺には彼女の言葉の続きが分かった。

 もしかしたらすでに、多くの魔法少女が商業区と居住区に侵入しているかもしれない。

「夏音、行くぞ!」

 だとすれば、一刻も早く行動しなけば手遅れになる。何かもが終わってしまう。

 他のエクスも動き出してくれているはずだが、人数は一人でも多い方がいい。

「他のエレベーターはどうだ!?」

 真中のエレベーターはどこからどう見ても使えない。

 俺は他二つのエレベーターを確認するが、

「駄目よ、壊れてるわ!」

 どちらも回数表示が消え、ボタンを押しても降りてくる気配がなかった。

 くそっ!

 どうすればいい! 早くしないと駄目だってのに、こんな所で足止めされるわけには……、

「階段よ!」

「階段?」

「非常階段があるわ! こういう時のものでしょ? 今使わないで、何時使うのよ!?」

 階段ね……商業区と居住区はここから階段で行くとすると、足が棒になるような階数の距離が有る。そんな階段をちんたら上ってたら手遅れに、

「走るのよ! ダッシュよ! ダッシュだわ!」

 ちょっと待て、目的の階層まで階段ダッシュをしろってか!?

 だがそれしか手がないのも事実。

「夏音」

 ああ、そうだ。

 例え時間がかかってしまっても、少しでも早くつけるのなら……やってやろうじゃないか。

「遅れるなよ!」

「天才のわたしが遅れる訳ないわ」

「はっ、言ってろ」

 崩壊したエレベーターを後にし、非常階段を目指して俺達は走り出した。


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