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全ての始まり

書き溜めたものをうpする形なので、定期的にあげられるかと思います……ゲームの発売日とか、ソシャゲのイベントじゃない限りw

とまぁ、色々とあれな要因でうpしない日もありますが、最悪五日に一度は上げると思います。

なんか、言い訳だらけですがどうぞ読んでいってくださいhshs

 魔女狩りで捕まり、魔女だと裁判で決められた時から少女は希望を捨てていた。

 もちろん少女は魔女ではない、単なる一般人だ。しかし、この時代……例え無実であろうと魔女の疑いをかけられれば、無事では済まない事を少女は理解していた。

「……今日で何日目だっけ」

 日の光も差し込まない暗い牢獄の中、少女はそれだけを考えて生きていた。

 少女の世界は実に簡単な事象だけで構成されていた。

 朝起きればすえた臭いのする何とも言えない物を食べさせられる。それも自分で食べるのではない、両手両足はもう使い物にならないため、一人で食事をとることは不可能だ。

そんな少女の代りに食事をさせてくれるのが、少女の事を気に入っているらしい拷問官だ。拷問官は口の中が焼きただれそうなほどの熱いそれを、少女の口へと毎日のように押し込む。

 食事の後は拷問、ここに来て最初の内は爪を剥がされたり、手の平に釘を打たれるだけだったが、手が原型を留めなくなってからは、それもなくなった。

 少女の一日は食事と拷問、そして睡眠の三つの要素で構成されている。

 ここに来てから数か月の間は……まだ日数を数えていた間は痛みに反応していたが、今となっては反応することさえ億劫だと考えるようになった。現に今なんて裸で縛られ、腹部に焼き鏝を当てられている所だが、少女は虚ろな瞳で虚空を見つめるだけだ。

 少女が考えているとすれば、今日が何日目か……そして、拷問している人はよく飽きないなと言う事くらいだ。

「でもそっか、この人が拷問の按配を熟知してるから、私はまだ生きてられるのか」

 少女はふと思ったことを口にする。

 それに対し拷問官が反応するが、すぐに焼き鏝を当てる作業に戻る――それも仕方のない事だ。なぜならば、少女の口はもうまともな言葉を紡ぎ出していないからだ。焼けただれたその喉から発する言葉は、もはや人間の言葉からは遠くかけ離れてしまっている。

 どこにでもいる娘だった少女、しいていえば少し容姿が美しかった少女。その美しさを微塵も残していない少女が、無実の罪でここに来てからすでに二年が経っていた。

 魔女狩りで魔女として捕えられた女の子たちは、この少女の他にも大勢いる。その大勢は激しい拷問の末すぐに死んでしまっているため、その点を考えれば少女はまだ運がいいのかもしれない――生きているのを運がいいと言うのならば。

 そして運の悪い女の子たち……魔女狩りの犠牲になっている女の子たちは、こうしている今も留まるところを知らずに増え続けている。

「もし願いが叶うなら」

 絶望の中で過ごす少女は、心の底から祈りをささげる。

 祈りをささげる対象はわからない、神か悪魔か……それとも別の何かか。

「私はもう助からないけど」

 願いが叶うなんて事は絶対にありえないが、それでも少女は祈りをささげる。

 何かに祈った事なんてないが、少女は希望を求めて無垢なる祈りをささげる。

「どうか……他の女の子たちは幸せになれますように。絶望から逃れられますように」

 そうして彼女は――。


今日は特例で夜の八時にもうpしますhshs

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