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第七話「ガラクタはどれだけあってもガラクタです」

仕事が暇だったので、頑張って進めてみました。


しかし、途中から変なスイッチが入りまして、ほとんど進まず(笑)


とはいえ、個人的にはお気に入りの話です。

おっちゃんの家に着いた俺はまず、その家に驚いた。

綺麗に精製されたレンガと木で作られたログハウス風の家。


避暑地のペンションかカフェみたいだった。


ちなみに高原牧場のソフトクリームとかは売っていませんでした。


《当たり前です》


次に驚いたのは風呂。

浴室があったぜー!


この世界では毎日風呂に入る習慣はないらしい。シャワーで済ませるそうだ。


風呂に入る時はいわゆる五右衛門風呂で、おっちゃんの家みたいに浴室の着いた家は一般家庭では珍しいんだそうだ。


浴室があるのは、貴族や商人など、身分の高い人や、裕福な人の家や宿屋に限られているそうだ。

おっちゃんは冒険屋で、宿屋暮らしが長かったせいか、入浴がもたらす精神的、肉体的恩恵をよくわかっており。

新居を構えるにあたって、浴室は絶対条件だったんだと。


何はともあれ風呂に入れるのはいいことだ。


精霊界でも、風呂は癒やしのイベントだったし。


風呂の後は夕食だった。

メニューは、ホーンラビットという角付きウサギの香草焼き。野菜のスープ。ズッキーニや、ピーマンに似た野菜とベーコンのようなものを乗せたピザのようなもの。


ローラさん曰わく、手抜きらしいが(笑)


おっちゃんが、馬車に載せてあったリボンのついた酒を開け、


「家族が増えたぞ、この酒は楽しい事があった時に飲もうと思っていたが、それは今だー」


と乾杯をし出し、なんだかんだで楽しい夕食だった。


ローラとエレーナはそんなおっちゃんを見ながら、目を合わせ、やれやれといった感じで微笑んでいたが、、、。


そして俺は空いていた部屋に案内され、ベッドに入った。


普通なら、今日起きた事を色々振り返り、今後の事を考える場面なんだろうが。


そもそも都合良くベッドがあるのは何故か?とか。


風呂を沸かすときにローラさんが使った、魔法陣の書いてある装置はなんだったのか?とか。


あいにくそういうシステムは俺にはついていなかった(笑)


《だから○○なんだよ》


モトユキうるさいぞ、伏せ字にしなくても、言いたいことはわかるぞ。長い1日だった。


なーんも考えずに、寝るに限る。


《いつもだろ、おやすみ》


《はい、おやすみ》


ZZZ………。


翌朝、と言っても昼に近くなっていたが(笑)

俺はおっちゃんの家の裏手、村の端っこの誰もいない空き地にいた。

使っていない納屋がみえる。


さすがに現状把握だけはやっておこうと思ったからだ。


身体も動かす予定だったので、ローラさんにサンドイッチを作ってもらった。

ちなみにおっちゃんとエレーナはもう出かけていた。

田舎の朝は早い。


さて、遠足だー(笑)


明日はエレーナが村を案内してくれるらしい。

デ、デート、なの、か?

まだ、村に話が行き渡っている訳ではないので、遠くに行くなと言われたから、ここにいるんた。


とりあえずタバコを吸いながら、リュックに入れた持ち物の確認だ。


何故タバコかって?


さすがの俺でも人様の家でタバコを吸うほどデリカシーがないわけじゃないのだよ!


え、えーっと、まずはリュックの中身か。


予想通り、ろくなものがなかった(泣)


《自業自得だろ?山をなめるな山を!》


モトユキの声がした。後半は、ただそのセリフが言いたかっただけだろう。


まずは、

【無限生成タバコ緑のメンソール君3号】

こないだ別世界で買ってきたやつか。

タバコが切れない以外にメリットは無いな。

マジックライター。

あ、カートンのオマケだ。

ご想像通りの代物だ。


次は、

【星後衛珈琲店特製マジックタンブラー・モデルアイスカフェモカ】色々ギリギリだが、これもタバコ買った世界のやつだな。

半永久的にアイスカフェモカが飲める。のだ。

ちなみに課金はされます(笑)モトユキ、ちゃんと払っといてね。


【ソーラー式デジタル腕時計】


【レーグ社製、マジックボックス・ゲランド軍別注モデル】

あ、これは便利だ。


どこで買ったかは忘れたが、異空間に物を収納する事ができるんだ。

別注モデルにしたのは、別注とか、限定とか、そういう言葉に弱いからだ。キリッ(笑)


大きさは携帯電話くらいかな。俺のはカーボンのような表面に軍のマークと認識番号が書いてある、無骨なやつだ。

ちなみに、ケーキやチョコレートを模した、カラフルな外観のスイーツコレクションシリーズがよく売れているらしい。

ま、俺は興味無い。


そして、、、

なんだこれ?

弾?

銃のマガジンだった。

5発弾が入っているが、銃本体は無い。

ははーん、さては俺

バカだな!

マガジンには何か字が書いてある。

何々?

「レーグインダストリー」またこの会社か。

「試作型CDRの試供品です。尚試作型に付き使用された際の事故等に関しては、当社は一切の責任を持ちません」だと?

じゃあ試供品にするなよ。無責任な!

CDR、CDR、なんの略だっけ?

あ、あれだ。

カウンタードラゴンライフルだ。

物騒なもん作りやがって。

でも、何でマガジンだけなんだったっけ?

ま、いっか忘れた。


あとは、

どこぞで買ったお土産のキーホルダーが沢山。


レシート。


フリスクの残り。


二日酔いの薬


【万能薬・マジックヒーラー24粒入り】でも、あと3粒しかない(泣)


【マジックエチケッター】

何かって?男子は臭いのよ。口臭とか、制汗とか、アブラ取りとか、色々便利な機能がついた箱だよん。


【衛星通信式デジタルマップ】

衛星無いと思うよここ!(汗)


【宴会芸用魔法剣、チェスト!ロミオ】あ、これここに入れといたのか。大きさを自在に変えられるから、入れたの忘れてた。


同じく【宴会芸用魔法風呂敷・アラビアンナイト】

買ったまま開けてもないじゃん。なんに使うんだっけこれ?


などなど。

ガラクタばっかりだったよママン(泣)


一部を除いて見事に使えないものばっかだな(苦笑)


あとは、、、


あ!これは!


モトユキ製、対リュウオウ用マジックカード。


これはなかなか。

くだらないものが(笑)


俺が人間界に行った時。カードゲームというものにはまったことがあった。なんとかモトユキに似たものを作らせたものの、最終的にはリュウオウにイタズラをする為の道具になってしまった。色んな世界に行ったついでに、そこで見た面白いものを具象化して、カードにしてある。


カードを発動すると、対象物にその効果が現れるというやつだ。


小さいタブレットPCのようなノートが本体。


開くと、パソコンのような画面になっていて、用途別、名前別にフォルダーがあり。検索をかけることができる。


ちなみに閉じていても、任意のカードがわかればそれを思い浮かべるだけで、カードが手に現れる。


口で説明する分には便利そうだが、基本的にリュウオウにイタズラする目的のカードしかない(笑)

対象物の鼻毛を伸ばしたり、女の子のスカートをめくったり、くだらないカードがほとんどだ。


ま、今のとこ精霊術や魔法も使えなさそうだし、あるにこしたことはないが、、、。


ちなみにカードは何枚でも使えるが、一度使ったカードはストックが0になり、24時間は使えない。

ゲームっぽくしたかったからだが、モトユキが俺のイタズラ乱用を防ぐ目的もあるらしい。


威力に関しては、リュウオウに仕掛ける為のものだから折り紙付きだ。

なんせ、俺とモトユキの全精霊力を注ぎ込んで作ったからな。


ガラクタには変わりないが(笑)


それにしても、、、

リュックの中身を見て、さすがに自分の無計画さに腹が立ってきたよ。

トホホ、、、(泣)


さて、気を取り直して、今度は身体能力の方を見てみるか。


じーっ、、、。


遠くはよく見える。


音もよく聞こえるな。


だいぶ向こうにいる人の話し声が聞き取れる。


感覚は鋭くなっているわけだ。


次は。


俺は、反動をつけて、思い切りしゃがみ込み、ジャンプしてみた。


家屋の2階のくらいまで身体が飛び上がった。


あ、あら、意外に行ったぞこれ。


空中でバランスを崩した俺は背中から地面に叩きつけられた。


「ぐえっ」


《あたたたた》


痛かったが、見たところ怪我はなかった。


うーん。

上の下って感じか?

おっちゃんと過ごして、だいたいこの世界の人間の身体能力を考察してはいた。


おっちゃんが腕利きの冒険屋だったとすれば、俺もまあまあってとこだろうなー。


よし。次は。


全力疾走だー。


よーい、ドン!


もし俺を見ている人がいたとしたら、俺の姿は一瞬にして消えたのが見えただろう。


そして多分、約50メートル離れたところで足がもつれて倒れ込む俺の姿も(苦笑)


やはりというか、持久力は無かった。


サンドイッチを食べて、家の裏で行き倒れなんてオチにならずにすんだのが不幸中の幸いだった。


まあ、あれだな、夜なら精霊術を駆使できるんだけど、日中をどうするかだな。


魔力とかを内包できるアイテムとか売ってるといいんだけど。


何にしても戦いとかになると不便だな。


一瞬でけりをつけないとすぐガス欠か。


「戦いに必要なものは何だと思いますか?兵力?違いますよ。作戦と、補給線と退路の確保です」


モトユキが昔言ってたっけかねー。

身にしみます。


《ニタニタ》


笑ってんじゃねー。この性悪軍師が。


何にせよ、省エネと補給を確保しないことには戦えんな。


緊急の補給に関しては、リュックの中にいいものがあったが。


絶対絶命時以外は使いたくない。


その商品とは。


【レーグ社製、軍用ポーション、サマーエディション】


良さそうだって?


じゃあ説明書を読んでみるかい?


「お買い上げありがとうございます。この度、いつもご好評を賜っております弊社軍用ポーションから、夏限定商品を発売致しました。暑い夏、ドラゴンのファイヤーブレスや魔導兵の炎系攻撃にお困りではありませんか?そんな時。このポーションを飲んでください。たちどころに体力と失った水分を回復することが出来ます」


どこが飲みたく無いって?


ここからだよ


「お味は夏向けの2種類の詰め合わせ!チョコレートソーダー風オレンジチーズ味。カレードリア風王室パウンドケーキ味です。我が社の自信作!ぜひご賞味下さい」


《飲めるかこんなものー!!》


飲むくらいなら死にたいと思う俺だった。

読んで頂きまして、まことに、まことに、ありがとうございました。


いやー、やってしまいました。


悪ノリ全開です。


ちなみに、このリュックはオズが気に入って、旅行の際によく持ち歩いているものです。


ずぼらなので、買ったものをそのまま入れっぱにしておくので、こんな事になってしまっています。


皆さん、旅行の準備はちゃんとしましょう。


そういえば、レーグ社ですが。


マッドサイエンティストが作った会社で、ネタモノから実用品まで幅広く取り扱っています。


書いてて、行ってみたくなりました(笑)


さて、このガラクタの中から、後々役に立つものがあるんでしょうか?


乞うご期待。

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