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第六話「夏祭り」

ありがとうございます。

ポイントをつけてくれた方々。


こんな駄文をお気に入り登録してくれた方々。


感謝、感激です。


がんばりますので、これからもよろしくお願いいたします。

昼下がりの心地よい風が吹き抜けて行く。


セミ(多分)の声が聞こえる。


草原と森の境目のあぜ道を馬車が進んでいた。


馬車に揺られながら、おっちゃん(ランデルさんと呼ぶのは止めた、気分的に)にこの地方の説明をしてもらった。


ここはランド王国というらしい。


さっき遠くに見えた山がランド山。

この国のランドマーク的存在だ。


《ダジャレみたいだな》


ランド山は古くから、色んな鉱石が採掘されることで有名なんだそうな。

宝石類から、希少なミスリルという石まで、とれるらしい。


そのおかげで、採掘、精製、加工の技術が発達。

色々な職人達が集まって来て一大国家として成り上がったそうだ。


今は資源と技術を交易の品とし、非常に栄えているらしい。


テッサは他の地方からの街道が重なる街で、旅人や商人の拠点として栄えているらしい。


ランド村はおっちゃん曰わく、綺麗な水以外に何にもない所だそうだが、おっちゃん始め腕利きの猟師がおり、彼等が狩る魔物や動物の皮が村の収入源になっているそうだ。


おっちゃんの言うとおりの綺麗な川を渡り、分かれ道を少し森へ入ったところにランド村があった。


太陽はまだ沈んではいないが、風に夕暮れの雰囲気を感じた。


ランド村は周囲を木の柵で囲まれた村だった。


魔物の襲撃を防ぐためだそうだ。


入口にいた若者2人に挨拶を交わし、おっちゃんは馬車を村の中へ進めた。


RPGによくあるような、中世ヨーロッパ風の村だった。

だが、石畳で舗装などはされていない、そこはやはり村だ(笑)


一方家々はレンガや、木、瓦などで構成されており、村のイメージとは裏腹に立派な建物が多かった。

この国の技術の高さがよくわかる。


村の中心には広場があった。

何人かの若者が、大きな櫓を組んでいた。


「もうすぐ夏祭りがあるのよ、毎年夏の初めにご先祖様と土地に感謝する意を込めてお祭りするの」


エレーナが言う。


「なるほど、あの櫓は、浴衣で盆踊りするときに、捻り鉢巻きの若衆が太鼓を叩く為の櫓なんだな?」


エレーナはキョトンとした。


「気にするな、言ってみただけだ」


「ふふ。面白い人ねオズって」


エレーナが笑ってくれた。和む笑顔だ。


ちなみに櫓は火を燃やすためだそうで、その周りを囲んで、ダンスをしたり、宴をしたりするそうだ。


ビバお祭り。


予想通り、村の若者達の間では、ダンスに誘う誘わないとかの、夏の淡い恋模様が毎年繰り広げられるらしい(笑)


花火の事を歌った、某パッツン髪が似合う、日本の女性ミュージシャンの歌が聞こえる気がした


広場に面した大きな家の前で、おっちゃんが馬車を止めた。


「ローラとエレーナは、先帰っといてくれ、俺はオズの事を村長に話してくる。一応、よそ者が村に滞在する訳だからな」


2人はローラが操る馬車で先に帰っていった。


村長との会談は意外に簡単に終わった。


俺の身分は上手く伏せつつ、盗賊に襲われたこと、行き倒れになっていたこと、ランデルさんの家に居候すること、


《え?泊めてくれるの?》


驚く俺に、じゃあどこに泊まるつもりだったんだ?とニヤリと笑うランデルさん。


無計画ですいませんでした。


などなどを村長に話をすると。


「うむ、お前がやることに間違いはなかろう、好きにするとよい。街の者にはワシから話をしとこう」


二つ返事で了承してくれた。


おっちゃん、見た目によらず人望あるのな。


村長の家を辞して、2人でおっちゃんの家に向かう。


俺はある事を、思ったまま聞いてみた。


「おっちゃん、何で俺を助けた?」


おっちゃんは少し考えて口を開く


「昔の俺の姿が重なったからだ」


「え?」


《昔の姿?てことは俺も将来、こんな絵に描いたような木こり風山男になるのか?》


「お前もたいがい失礼なやつだな(苦笑)見た目の話じゃねえよ」


「すまん(苦笑)」


「やっぱり、そういう意味の顔だったのかよ、俺も昔行き倒れになったことがある」


「へえー」


「こう見えて冒険屋だったんだ」


「冒険屋?」


「知らねえのか?ギルドに登録して、色んな依頼を受けて金をもらうんだ」


「あー」


《やっぱあるのか、そういう仕事》


「俺は流れの冒険屋だったのさ、テッサまで流れてきて、そこのギルドで、この村付近のゴブリン討伐依頼を受けてな。討伐自体は無事に終わったが、毒矢にやられて、歩き歩き、気がついたら、この村の娘に助けられてたのさ」


「なるほど」


「しばらく療養してるうちに、何度か魔物の襲撃から村を救った。俺は完治したら、村を出て行くつもりだったんだが、ま、そこは、なんだ、、あれだ、、、」


おっちゃんは、苦笑して頭を掻いた。


「まさか、、、」


ニタニタ笑う俺。


「察しがいいな。俺を助けてくれた娘とできちまったのさ」


《やっぱりですか》


「居場所があるってのはいいことだ。流れ者は気楽でいいが、寂しいもんだ」


「まあ、ね」


「誰かのために生きるなんて柄でも無いと思っていたけどな、自分の大事な人や場所を守る為にいきるのもいいもんだぞ、うーん、我ながらカッコいい事を言っちまったな」


おっちゃんは照れくさそうに笑った。


おっちゃんが俺を助けた理由と、村長がおっちゃんの言うことをあっさり了承した理由が分かった気がした。


よそ者だけに、最初は色んな苦労があったんだろう。

それでも、そんなおっちゃんが村長から絶大な信頼を受けるようになった経緯は、おっちゃんの人柄を見ると、なんとなく想像ができた。


「ありがとう」


思わず口にでた


「なんだ藪から棒に」


おっちゃんはびっくりしたフリをしただけのようだった。


しかし、そんないい話をぶち壊すかのような邪魔者がやってきた。


「いてっ!あ〜?テメーどこ見てあるいてやがんだ?」


よっぱらいがあらわれた。

【コマンド】

→戦う

 謝る

 逃げる


俺に、どこぞの酔っ払った若者がぶつかってきた。


「おい、ルース、飲み過ぎだぞ」


おっちゃんはこいつを知っているらしい


「あー?なんだこのゴブリン、人間様の村で何やってんだ?」


ルースは泥酔しているようだ、ゴブリンはないだろ?(笑)


「まあまあまあ、おっちゃん、酔っ払いだから」


「誰が酔っ払いだコラ」


《お前だよ!》俺&おっちゃん&モトユキ


「面倒だな」


おっちゃんは指をポキポキならしつつ、肩をほぐしはじめる。


わー、スラム街みたい、ニューヨークって恐いところー!って違うわ!


早くおっちゃんの家に帰りたかった俺は、とりあえず面倒事を避けたかった。


キョロキョロと周りを確かめた。


んー、もうすっかり夜のとばりがおりて来ているな。


少し目を閉じて、あるものを感じてみる。


うん、いい闇だ。


意識を集中させる


闇が音の無い風のようにズルズルと集まった。


次の瞬間


「おろっ?あれっ?」


ルースは両手を胸の前に出し、肘をやや曲げ、手のひらは内側に向け、顔の大きさくらいの隙間を作った。


丁度、バスケットボールをキャッチする時のような体制だ。


そこから右手を、手のひらを外に向けつつ、顔の右斜め上へ上げる。

左手は顔の右下あたりへ移動し、やはり手のひらは外側。

今度は同じ動きで顔の左へ手を向ける。


二回繰り返して、柏手をひとつ「パン」


盆踊りだ(笑)


「ちょっ!なんだこれ?止めてくれー」


まわれー右をしたルースは踊りながら広場へと歩いて行った。


「あのバカ!飲み過ぎだ」

おっちゃんが苦笑していた。


「帰ろうぜ」


「お、そうだな、オズを家に招待しないとな」


俺達は一足早く盆踊りに狂うルースを尻目におっちゃんの家に向かった。


え?何をしたのかって?


闇の精霊の力を借りました。


夜は闇の世界。


たとえ、昼は精霊の力が弱いこの世界でも、夜の闇の力はなかなかのものだった。


夜に魔物が強くなるのはどこでも同じだな。


俺が使ったのは、闇の精霊術【ダークマペット】闇を物質化して、操り人形のように人を動かす術だ。


ちなみに技名は

【サマーデビルズツリー】※夏魔ツリー(笑)


《ダジャレかよ!》


モトユキの声がした。気がした。


読んで頂きましてありがとうございました。


おっちゃん。人は見かけによらないもんですね。

夏魔ツリーですか?


思いつきのダジャレですけど何か?(苦笑)


戦闘シーンを書きたいんですが、そのシナリオまで行ってないんで、戦闘シーンもどきを入れてみました。


すいませんでした(笑)

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