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第四話「知らない天井」

ちょっと頑張って連続で書いてみました。


多少説明くさいとこが長いですが。


オズが珍しく頭を使ったんで、見てやってください(笑)

「…すか?……」


「……ですか?」


誰かが俺に話しかけてるようだ。


「……大丈夫ですか?」


目を開けると、、、そこは


《知らない天井だ》


嘘です。

言ってみたかっただけです。


空が見えた。

そして俺を心配そうに覗きこんでる3人の人間。


髭面のオッサン。

ふくよかなオバサン。

そしてどこかオッサン、オバサンに似ているが、いい意味で遺伝子を受け継がなかったであろう、黒髪の美少女。


「気がついたか、というかあんた、今すごく失礼な事を考えていなかったか?」


オッサンが言う。


「いや、何の話だ?それにここは?」


ここがどこかはだいたいわかる。話をそらす為に言ってみただけだ(笑)


「ここはランド村とテッサを結ぶ道の中間地点だ、あんたはここに倒れてた」


水を飲ませてもらい、少し俺は落ち着いた。


聞けば、朝早くテッサという街を出て村に帰る途中で、倒れている俺を見つけたのだと言う。


オッサンの名前はランデル。

オバサンは思った通り奥さんだそうで、名前はローラ。

そして、この黒髪パッチリお目目の美少女はエレーナというらしい。


街へは用事があって前日から家族で出かけたそうだ。今は帰宅中だそうだ。


礼を言って立ち上がったものの、足元がおぼつかない。


「まだ無理なのよ」


エレーナが言う。


「そうだ、お父さん、村まで乗せて行ってあげようよ、弱ってるみたいだし」


エレーナ、、、。

なんて天使な子なんだ。

もう少し他人を疑うという事を覚えたほうがいいぞ(笑)


ややあって、ランデルが口を開く。


「ま、それもいいだろ、見る限り盗賊っていう身なりでもないしな」


続けてローラ。


「そうさね、盗賊ならこんな道の真ん中でゴミみたいに倒れてないさね」


ローラ、あんたいい人そうだけど、口が悪いな、、トホホ。


成り行きというか、ご都合主義というか、俺はランデルさんの馬車に乗せてもらうことになった。


ランデルさんの馬車は馬が二頭で弾く荷馬車だった。


幌付きの荷台を持ち、御者席はベンチシートになっていて、家族3人はそちらに座っている。


俺こと生ゴミは、荷台に寝かされていた。


荷台にはリボンのかかった酒樽や、お菓子のような荷物が載せられていた。

何かお祝い事の帰りなんだろうか?


とりあえず俺は目を閉じる。

ちょっと整理したい事があったからだ。


ランデルさん達は俺の様子を寝ているものだと思ったらしく、話しかけては来なかった。

昨日の夜は楽しかっただのなんだのと家族の話し声が聞こえる中、俺は考え事に集中した。


まず、この世界に来て気づいた違和感がある。


それが俺が倒れる前に、何か間違えている気がすると思った事とつながっているんだ。


この世界の精霊力は非常に弱かった。

森は生き生きとしていて、風も心地よい。

が、精霊の息吹きは、他の世界と比べると弱々しく感じられた。


俺は無意識に耳のピアスに手をやった。


これは霊力制御装置だ。

俺はこの世界に隠れる為にやってきたのだ。


腐っても精霊界の頂点付近にいる俺は、圧倒的な力を持っている。

放っておいても、精霊力の元素となるマナと呼ばれる力を自分で生み出すことが出来るのだ。

それはリュウオウも同じ。だから精霊王になれるのである。


普段の状態でも、温泉のように際限無く精霊力を発散している俺が、そのままの姿で、こんな世界に現れたら、大騒ぎになってしまう。


そうなれば、あっという間に俺は発見されてしまうであろう。


その為に持って来たのがこのピアスだった。


これはいわゆる水道の蛇口と一緒だ。溢れるマナを調整することができる。


本来の使い方は、精霊が精霊力を使わずに戦う術を覚えたり、成人になる為のとある儀式(エロとかそういう方面じゃなくてね)に使用される。


俺はこのピアスを使い、ある程度マナを制限し、残ったマナを精霊力に還元。

その精霊力で現実の人体を構成し、余った分を自身の強化に使い、他に、この世界の精霊力を使役して、自分の行動エネルギーにする予定だったのだ。


そうすれば、感覚的には、ちょっと強い魔力を持った普通の人間に見えるはずだった。


あ、久しぶりに頭使ったら眠くなってきたよ(笑)


自分の為にでは無く、この世界を覗き見してくれている神様のような人達に、ちょっとマナの説明をしようかね。


はい。オズ先生のマナ講座。はじまりはじまりー。


《なんか虚しいな》


気を取り直して。


マナというのは根源的なエネルギーだ。

物質の命とも言うかな。


マナの大元は精霊界にあるんだよ。

温泉みたいに湧いているのさ。

別に観光地では無いから、温泉卵やお饅頭は売ってないぜー。


神の野郎や、悪魔達はマナをそれぞれ取り込みつつ、自分達の力として使っているのさ。

神力や魔力とも言う。


魔法に使う魔力と、悪魔の魔力は似ているようで、ちょっと違うが、ここでは説明しねー。

面倒くさいからだ(笑)

けど、テストには出ます(でるのか!?)


精霊は何をしている人達かというと、神が世界を作った時に、物質化の力を貸し与えたのが精霊だね。

神の野郎に力を貸して、石や木や水などを作ってやったんだわ。


その後は特に何も無い(笑)


道端の石ころを誰も気にしないのと同じ。

俺らはただあるがままの物をあるがままにするのが仕事だからね。


たまにちょっかいを出しては来るが、神も悪魔も基本、俺らには不干渉だ。

俺らも干渉しない。

神魔戦争の時も、勝手にやってくれって感じだったんよね。


その点、神の作った生き物達は賢いね。

俺達との意思疎通を試み、俺達の力を使いながら発展していったんだ。


火や水を使ったり。とかね。


俺らも、積極的にでは無いにしろ、下界にそれなりの基盤を作っていった。


例えば、エルフや妖精達だねー。

あれは生き物に直接俺らの力を与え、独自の進化をさせた生き物なんだよ。


話が脱線したが、マナの事が少しはわかりましたか?

今日はここまで。

宿題はない。

寄り道しながら帰りなさい。


さてと話を戻そうか。


この世界の精霊達のエネルギーが弱く、俺は自分の行動エネルギーを確保出来なかったようだ。


いわば完全な空腹状態で旅をしていたようなもので。


簡単に言うと、よくある行き倒れというやつになってしまったのだ。

格好悪いよパパ(泣)


ゴホン!

えーっと、どうしよう、、、(汗)


これ以上、マナを増やすと目立つしなー。

勇者様とか呼ばれて、魔王退治とかお願いされても困るんだよ。


グゥー


あれ?


グゥゥゥ


何ですかコレ?


あ、お腹空いてる!


、、、、。、、、、。


そういや、さっき水もらった時、少し元気出たな。

水もマナが入っているからね。


水が無くては人も地球も、もちろん人のふりしてる精霊も生きられません。


そうか!食えばいいのか!


精霊界の王族、オズが、当たり前の事に気づいた瞬間であった。


俺は起き上がり、あぐらをかくと時計を見た。


「昼過ぎか、ランチの時間だな」


だが、それがどうした?

何度も言うが、俺は時間や慣習などと言うものに縛られる気は無い。

俺は何にも縛られないのだ!


俺が動いた気配を察してか。ランデルさんが振り向き話しかけてきた。


「おー、若いの、起きたか?どうだ?何か食べられそうか?お前も起きた事だし昼飯にしようかと思うんだが?」


たまには何かに縛られるのも悪くないと思うオズであった。


読んで頂きましてありがとうございました。


いかがだったでしょうか?


生ゴミはいい人達に拾われたようです。


そして気になる出会いもありましたね。


それはそうと。

マナは精霊界で温泉みたいに湧いているのに、何故オズや、リュウオウからも湧いているのか。

とか気になったかも知れません。


後々書ければいいんですが、今一言でいうならば、それが王族たる由縁だからですね。


臣下のものがクーデターを起こして、精霊王にならないのも、そこが理由です。


新しい登場人物に関しては、次話で、自分達でしてもらいましょう(笑)

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