第三話「コーヒーとタバコは熱中症には効きません」
短めです。
一人称にするか、三人称にするか模索中です。
涼しい風が吹き抜けていく。
と、何もない場所の時空がグニャっと回転した。
うっすら人の形をした透明な何かが空間の裂け目から現れる。
それは徐々に色や形を強めていく。
短く刈り込まれた銀髪、無造作ヘアーというものだ。
細めの眉に、若干たれ目ではあるが瞳の大きな目。
イットウほど高くはないがそれなりの鼻。
ぼーっとしているのか、口は開いていた(笑)
顎には薄い銀色のヒゲ。
やや黒が入った銀色、薄手のコートが見える。
白い紋章のようなものが描かれている。
裾や袖にはその紋章を模した形でラインが入っていた。
胸にはガンメタル色の軽装の鎧。簡素だが凝った細工が施してある。
腰から膝下へとかけて、同じガンメタルの鎧が続く。
脚も脛から足首へと鎧が装着されていた。
重々しさは感じられない。
薄くスタイリッシュな鎧であった。
背中には場違いな、現代製の高級ブランドのリュック、モノグラムのロゴが印象的だ(笑)
腰にはどこかで見たことのある太刀が一振り
手に何故かアイスコーヒとタバコを持ち。
最終的にその男の姿が露わになった。
はい。俺です(笑)
いやー、着いた着いた。
一応、考えた中からテキトーな世界を選んで到着してみたんだが、、、。
大丈夫かな?
空を見た。
太陽があった。
日はまだ上がったばかりのようだ。
雰囲気的に夕方じゃない気がする。
チラッと時計を見る。
時間は朝の9時30分頃をさしていた。
時計は嫌いだ。俺は何にも縛られたくないのだ。
が、知らない場所に行くのでとりあえず、ニホンで買ったソーラー充電式腕時計を着けてきたのだった。
周りに目をやってみた。
右側には見渡す限り草原が広がっていた。
背の高い木々が点在している。
左側に目を移すと、森が広がっている。
遠くには巨大な山があった。
中腹まで森を要し、頂上には薄い青色の山肌、うっすら白いものも見えた。
多分雪だろう。
俺のいるところは、風が吹いて気持ちいい。
どこか初夏の朝を彷彿とさせるものがあった。
さあ、夏休みの始まりだ。
くだらない事を言いつつタバコを吹かし、アイスコーヒを一口。
美味い。
《朝ご飯ちゃんと食えよ》
モトユキの声が聞こえた気がした(笑)
《お母さんかお前は》
とりあえず届く事もないツッコミを入れた。
よく見ると、森と草原の境目にあぜ道のようなものが見えた。
道があるって事は人もいるって事だな。
とりあえず一安心だな。
こんなとこにずっといるわけにもいかないし。
とりあえず、道に出て、どっちかに歩いて行けば村でもあるだろう。
という訳で探検だ!(笑)
どこまでものんきなオズだった。
道に出て歩き始めた。
んー、何かおかしい。
具体的に何がとは言えないが、何か根本的に間違えている気がする。
クソっ、こんな時にモトユキがいればなー。
一時間位歩いただろうか。
俺は疲れていた。
いや、おかしい。
疲れる訳がないのだ。
霊力を還元して人間化しているとはいえ、腐っても精霊の王族。
このくらいで疲労が溜まるわけがない。
しかし、足元がおぼつかない、、、フラフラする。
目が霞んで来ました。
世界が白黒になって回っているよママー(泣)
はっ!?
これが噂に聞く熱中症か?
いや、ちげーだろ!
そのノリツッコミを最後に俺はぶっ倒れた。
読んで頂きましてありがとうございました。
オズの姿が初めて描かれました。
モデルは自分です。
超美化してあります(苦笑)
モノを投げつけたりしないでください。
ちなみに何故オズが倒れたのかは次の話で書きたいと思います。