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題十三話「さよならは言わないよ」

今日もなんとか書けました。


一応、第一部の完的な話です。


第一部なんてどこに書いてあるんだ?とか思われたでしょうね。


すいません。作者の頭の中です(苦笑)


それでは本編どうぞ。

夜が明けた。


どんなに嫌でも朝はやって来る。


今日もみんなで朝ご飯を食べた。


おっちゃんはいつになくハイテンションだった。


気持ちはわかる。


俺も無理やり明るく振る舞った。


おっちゃんとベーコンの取り合いをした。


エレーナとローラは大爆笑していた。


いつもと変わらない食卓。


けど、多分、しばらくこんな食卓は囲めないだろう。


おっちゃんが言う


「オズがいて良かった。しんみりしがちな、夏祭りまでの数日。お前のおかげで賑やかだった」


ローラが言う。


「ごめんねぇオズ。エレーナの結婚の事黙ってて。隠してたわけじゃないのよ。結婚の話したがらないから、この人。子離れできない男でねぇ」


「な、俺のせいかよ。お前も子離れ出来てねーだろ」


「似たもの夫婦だな。良かったねエレーナ、親に似なくて(笑)」


「こらーっ!(笑)」おっちゃん&ローラ


エレーナはウフフと笑っていた。


もう泣くのはやめたようだ。


旅立ちの朝に涙は似合わないもんねぇ。


朝ご飯が終わると、バタバタと準備が始まった。


9時過ぎに、迎えの馬車がやって来るからだ。


慌ただしさのおかげで、みんなちょっと寂しさがやわらいだようだった。


ちなみに街へはエレーナだけで行く。


寂しくなるから。


あえてここでお別れしたいらしい。


エレーナの荷物は前もって運んであったらしく、今日はそれほどでもない。


けど、玄関に置いてある鞄を見ると。

無性に悲しくなった。


あー、行っちゃうんだな。


今朝の俺はあえて、エレーナと二人きりにならないようにしていた。


昨日の事が気まずかったわけではない(苦笑)


何話していいかわからないからだ。


おっちゃんとローラは家の前で馬車を待っていた。


どんな心境なんだろう。


想像もつかなかった。


家の前には村長や、近しい村人達、エレーナの友達などが集まっていた。


さて、俺も外行くか。


立ち上がろうとした時。


ダイニングにエレーナが入ってきた。


「あ、、、」

「あ、、、」


固まる二人。


ど、どうしよう(汗)


その時、エレーナの髪に見たことのある花がくっついてるのが見えた。


「あ、その花」


「うん。えへへ、お母さんにね、髪飾りになるようにしてもらったの」


「そっか。いいねぇ」


「似合う?」


「ああ、とってもよく似合うよ、なんせ、その花もエレーナって言うんだからな!」


「そうだね。えへへ」


その時。


「おーい、エレーナ!馬車が来たぞー」


おっちゃんの声がした。


「あ、行かなきゃ」


「う、うん。あ、エレーナ?」


「ん?」


「さよならは言わないよ。さよならって言葉嫌いなんだ。だから、またねって言うよ。エレーナ。またね」


「うん。オズ。またね」


一瞬泣きそうな顔になったが、エレーナは笑顔でそう言うと、荷物を持って家の外まで出て行った。


俺も続けて出る。


立派な馬車が2台止まっていた。


周りには護衛だろうか?

数人の男達が見える。


重装備の鎧にレイピアを持っていた。


後で聞いたが、エレーナの旦那さん。マーカスの父が雇った護衛だそうだ。


見た感じかなりの手練れだった。大事にされてんだなエレーナ。


馬車から1人の男が降りてきた。

白髪混じりのオッサンだった。フライドチキンのオッサンに似てる(笑)

あんなに丸くないが。


まっさきにおっちゃんとローラと村長のとこへ走って行き、握手と抱擁を交わしている。


立派な身なりとは逆に、気さくそうで腰の低そうなオッサンだった。


これも後で聞いたが、彼こそマーカスの父。ブランドンさんだった。


もちろん、おっちゃんとは昔馴染み。2人して色々悪さをしたこともあったそうだ。


みた感じで、人となりは分かったが。

おっちゃんと気が合う事、村の為にしてくれた事。


この人とマーカスなら、エレーナを幸せにしてくれるだろうと思えた。


マーカスは、エレーナと同い年。その若さで父に代わって店を継ぎ、切り盛りしているらしい。


えらいじゃんマーカス!



今日は商用で、どうしても来れず、代わりに親父さんがわざわざやって来てくれたんだと。


ま、個人的に会いたくなかったからラッキーだ(苦笑)悔しいじゃん(笑)


小さい男でごめんなさい。




エレーナはしばらく集まってくれた人達と挨拶やお別れをしていた。


涙ぐみ、笑いながら、エレーナとみんなのお別れが進む。


村長は。

村長は号泣していた(笑)


そんな村長を見て、おっちゃんもせきがきれたように号泣し出す。


ローラはいつも以上に笑顔だった。


ローラまで泣いたら、場がしんみりしてしまう。


ローラに、しっかりしなさいよって、ばんばん背中を叩かれるおっちゃん。


それを見て、みんな笑顔になる。


さすがはローラだった。


俺は少し離れたとこからそれを見ていた。


よそ者だからねー(苦笑)


おっちゃんとローラ、村長はブランドンさんの手を握り、何度も頭を下げていた。

ブランドンさんも手をブンブン振りながら、何度も頭を下げていた。


親と子か、、、。


ちょっと昔を思い出したオズだった。


そして、おっちゃんとローラと村長と、エレーナのお別れの時が来た。


村長はエレーナの頭を撫で、何かを伝えていた。エレーナは手で涙を拭った後、笑顔で頷く。


おっちゃんはもう、言葉にならない。

ただギュッとエレーナを抱きしめていた。


逆にエレーナがおっちゃんに何か話しかけていた。おっちゃんは泣きながら何度も強く頷いた。


ローラ。

ローラはお母さんらしく、優しい顔でエレーナのほっぺたを両手で包み、何か声をかけていた。


エレーナは泣き笑い、もうくちゃくちゃの顔だった。


最後にエレーナが何か言いながら、自分の手首のミサンガをローラに掲げて見せた。


ローラがニッコリ頷く。


声は聞こえなかったが、ローラの口が


「幸せにね」


と動いた。


エレーナがお別れを済ませて馬車へ向かっていく。


ローラは泣いていた。


もうおさえきれなかったみいだ。


おっちゃんが、片手を優しくローラの肩にまわし抱きしめる。


おっちゃんは泣き止んでいた。


おっちゃんはカッコいいな。

そうやって家族を支えてきたんだな。


馬車に乗ろうとして立ち止まるエレーナ。振り返った。


友達や村の人達が振る手に、手をふって答えるエレーナ。


その目は周囲を行き来していた。


知ってる。


俺を探しているんだと知ってた。


今すぐ飛んで行きたいけど、妙な意地が邪魔をする。


意気地なしとも言うんだろう。


玄関の側に立つ俺は、何人かの村人に遮られて上手く見えないのだろう。


エレーナはあきらめたように馬車に乗り込もうとする。


俺はあのカードを発動した。ある事をするために。


ちょっと違う使い方だが、理論上は可能だった。


昨日の夜思いついて、朝まで寝ないで練習した。


エレーナ。


馬車に乗ろうとしたエレーナの肩に、ふわっと花びらが舞い降りた。


それに気付くエレーナ。


その花びらをきっかけに、辺り一面に花びらが舞う。

それは、あの花。

エレーナの髪に揺れる髪飾りと同じ花の花びらだった。


俺は大量の花びらだけを発動し、風の精霊力をほんの少しだけ使って。


エレーナに向けて、花びらを飛ばしていたんだ。


白い輝きを放つ、花びらが桜吹雪のように風に舞っていた。


エレーナがこちらを見た。

花びらの飛んでくる方向。俺のいる場所を。


ちょっとカッコつけすぎだけど(笑)最後くらいいいじゃねーか。


思いっ切り叫んだ。


「まーたなー!」


エレーナは泣きながら笑っていた。


「まーたねー!」


手を振りながら、俺に叫んだ。


馬車に乗ったエレーナは、姿が見えなくなるまで、窓から身を乗り出して、俺たちに手を振っていた。


エレーナを見送った村人達は、うちの家族に声をかけて、1人また1人と帰っていった。

最後は目をショボショボさせた村長が帰っていった。

俺たち3人だけになった。


ローラかポツリと言う。


「いっちまったね」


「ああ、いっちまったな」


おっちゃんが返す。


「いっちゃったね」


最後は俺。


おっちゃんが俺を見つつ言った。


「オズ、素晴らしい見送りの花束だったな」


「ありがとね、オズ」


ローラが続ける。


「礼なんていらねーよ、家族だろー?」


おっちゃんとローラは、ちょっと目を丸くした。


俺は内心ビクビクしていた。


俺の心配は見事に外れた。


おっちゃんとローラが笑う。


「そうだな。家族だ」


「たまにはいいこと言うじゃないか」


「たまにはは余計だ(笑)」


「よーし今日は娘のハレの門出だ。もう今日何にもしねーで飲むぞー、オズお前も飲め!」


「えー?いいよ。望むところだ」


「あんたたちはほんとに、どうしようも無いねぇ、しょうがない、あたしが旨いおつまみ作ったげるよ」


「いえーい!酒持ってこーい」×2


夏の朝、風に舞う花びら、新しい旅立ちの日。


今日の事はずっと忘れないんだろうなと思った。


読んで頂きまして、ありがとうございました。


いやー、カッコつけさせ過ぎましたかね(苦笑)


ま、最後くらいいいんじゃないかと。


書いてて、いとこの結婚式の当日を思い出しました。


親って、強いですよねー。


ちなみに次回からはコミカル路線に戻ります(笑)


それではまたー。

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