表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気弱なヴァンパイアハーフは多分バトルを頑張りたい〜事故物件ダンジョンで社畜しながら妹の命を救います  作者: 相木ナナ
第二章 可愛い後輩には旅をさせろ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/58

第31話 貴重なスライム

「「「シルバースライム?」」」

 

 ルクス、ケニー、アリアの声がハモる。

 ダンジョンでもスライムは出るが、そんな色のスライムはいただろうか。

 

「さよう、我がリザードマンたちの薬になる材料なのだ。だが、数が少ない貴重なものでな……。昔はこの湿原に多く生息していたのだが、忌々しいシュラがたくさんのスライムをばらまいて繁殖したせいで、なかなか手に入らなくなったのだ」

 

 ここでも猛威を振るう、自称勇者シュラ。

 大変な迷惑をかけて各地を荒らしているようだ。

 

 賢人が動画配信で影響を受けてしまうその言動からして、絶対にいいやつではない。

 しかし、これで子供たちがスライムを色分けしていた理由が分かった。

 たくさん拾ってきて、分けていたのだろう。

 

「大変なこととは思うが、シルバースライムを見つけていただいた数だけ、アの実をお譲りするというのはどうだろうか」

 

「やります!!! スライム相手なら全然頑張れます!!!」

 

 ルクスが勢いよく手をあげる。

 ガイルは、嬉しそうに目を細めた。

 

「お受けいただけるか。交換日は三月三日で――」

 

「ちょっとお待ちください、湿地帯に広がるマナアシはいただいてもよろしいでしょうか?」

 

「アリア殿が欲しいのならば、好きなだけ……。リザードマンからしたら邪魔なだけですから」

 

 ガイルの返事に、ルクスとアリアが思わずハイタッチした。

 賢人の父、誠二を介せばお金になる。

 

 今後のことを考えても、地球のお金も必要だ。

 

「俺も、大量にとっていいですか!?」

 

「ええ、どうぞ。雑草のようなものですが」

 

 地球人にとってマナはクリーンなエネルギー物質だ。

 スマホのバッテリーやら、電気のかわり、ガソリンの代わりと重用している。

 

 マナ石本体ほどではなくとも、マナがとれるならば貴重すぎるお宝だ。 

 ケニーが、ルクスに小声でなにやら尋ねた。

 

「え? 虫系ですか?」

 

 半妖用コンビニで働いているケニーは、色んな種族の好みを知っている。

 リザードマンの半妖は数が少ないが、独特の商品ラインナップだったので忘れようがない。

 虫系や苔などのものを好むので、なにかルクスのアイテムボックスにないかを聞いたのだ。

 

「この間のジャイアントワームがまだ残ってますけど……」

 

「ジャイアントワーム!!」

 

 ルクスの返事はケニーにあてていたが、ガイルのほうが食いついた。

 この筋肉マッスルのリザードマンは、よだれを垂らしそうな顔をしている。

 

「ルクス様、ジャイアントワームをお持ちなのですか!?」    

  

「はい、三体ですけど。あ、あとビッググラスホッパーもありますよ!」

 

「おお……! もしよろしければ、買い取らせていただけませんか?」

 

 買ってどうするかは、精神的健康上聞かない方がいい気がする。

 ルクスが、家の外に倒したジャイアントワームとビッググラスホッパーを並べ始める。

 

 客人はガイル任せにしていた町のリザードマンたちも、ぞろぞろとそれを眺めだした。

 室内に取り残されたケニーとアリアは、今の隙に残ったお茶をそっと捨てる。

 

「お互い見なかったことに……」

 

「飲食物は、持参ですね……」

 

 ルクスは、いつもなら素材をとっくにうっぱらっている。

 しかし、人気がなかったのでいれっぱなしになっていたアイテムがここで売れそうで喜んでいた。

 

「転移石を買いたいので、できれば高値で買い取ってもらえると嬉しいです……へへ」

 

「ここらには出ないモンスターですからな。是非買い取らせてください!!」

 

 興奮するリザードマンたちが買い取りの値段を相談している間、ルクスはアイテムボックスの中にしきりと手を突っ込んでいた。

 レッドバーニーなどの生肉は食べなくないが、どちらかといえば魚のほうが好物だと言われてしまう。

 

「えーと、あとこれとこれとこれ……ん? このきのこは……なんだっけ」

 

「そのキノコはシナきのこではありませんか! ここらでは手に入らないですが行商でよく買い付けるきのこです、それも良かったら売ってください!」

 

 ルクスは思い出した。

 ブラックバーニーを求めて入った森の中で、食用のきのことして幾つか拾ったものだ。

 

 食い気でとっておいて本当に良かった。

 一度ユミエラにブラッド鍋として出した中にも入れたのだが、苦いと言われてそれきりだったものだ。

 また、草原フィールドでたくさんとってこよう。

 

「ルクスくん、マナアシを売ったお金でうちの店からリザードマンハーフ用の食べ物を買って売ったら?」

 

「ナイスです、ケニー先輩!!! そうしましょう!!」

 

 昆虫系モンスターに、狙って出会うのは難しい。

 しかし、きのことコンビニ商品はいくらでも手に入る。

 

 しかも、ケニーの店に注文して買い取ればケニーの店のコンビニにも利益が入ることになる。

 いい恩返しになるだろう。

 

「ルクス様。全部で、転移石二つと交換はどうでしょう?」

 

「二個も!!? ありがとうございます!!」

 

 地球では四十万必要なものが、巨大ミミズと巨大バッタのモンスターを売って手に入る。

 最高の結果だ。

 商談は成立した。

 

「さあて、今晩は泊まり込みでマナアシを取るぞ~~~!!」

 

 意気込んだルクスは、アイテムボックスから鎌を取り出す。

 一緒に麦わら帽子もかぶり、軽くどこかの海賊王きどりである。

 

 麦わらのルクスは、意気揚々と沼地に入り込んでいく。

 

 一番優先事項の、シルバースライム探しを忘れて……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
モンスターが転移石2個になってよかったけど、シルバースライムのこと忘れていません?あの実と交換だよ。ルクスぅ~
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ