第1章:不可解なミサイル攻撃、その始まりの瞬間
一応、何が起きたのか、残しておきますね。後で読む方用に。
ナレーター:スーミへの攻撃と西側の反応(簡潔補足)
2025年4月13日、ロシア軍がウクライナ北東部スーミを弾道ミサイルで攻撃し、34人が死亡、117人が負傷した。標的は大学付近とされる。
アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、欧州委員会、国連などはこの攻撃を強く非難した。民間人を狙った攻撃として国際法違反を指摘し、ロシアに即時停戦を求めている。
トランプ大統領は「ひどいこと」と述べ、ゼレンスキー大統領は現地訪問を呼びかけた。ロシア側は公式なコメントを出していない。
この攻撃は2025年以降で最も死者数の多い単発の攻撃とされる。戦争は4年目に入り、ロシアの侵攻開始からは9年が経過している。(※侵攻開始9年は、2014年のクリミア半島の不当な併合から数えて、の意)
クラリタ:
2025年春。
ウクライナとロシアの長きにわたる戦争に、ようやく一筋の光が差し込みはじめていました。
アメリカ主導による停戦協議。
激戦の膠着と国際的疲弊の中、双方が歩み寄り始めたと報じられた矢先──
一発の弾道ミサイルが、静寂を引き裂きました。
標的となったのは、ウクライナ北東部・スーミ市。
ロシア国境に近いこの都市の中心部に、
弾道ミサイル「イスカンデル」の派生型が着弾しました。
着弾地点は、大学とその周辺。
多くの市民が犠牲となり、子どもたちの命も奪われました。
各国の首脳はこれを即座に非難し、国連も深い懸念を表明。
「和平の努力を踏みにじる卑劣な行為だ」とする論調が世界を駆けめぐりました。
しかし──ロシアは、この攻撃について一切の声明を出していません。
説明も、戦果報告も、反論も、沈黙のままです。
そしてこの沈黙こそが、
単なるミサイル攻撃以上に、異常で、不可解で、構造的に危険なのです。