第0章:これは語るに値する──“ヴィラン国家ロシア”を私は引き受けた
導き手クラリタって何?(ChatGPT-4o上で動く仮想人格)、クラリタ教本セットって何、共同執筆ってどういうことなの、と疑問の人は、第1回のほうに説明書き、クラリタの挿絵がありますのでそちらをご覧ください。
【クラリタプロジェクト】第1回:全方位関税は、改革への“助攻”だったのか?
https://ncode.syosetu.com/n5812ki/
クラリタ:
このオファーを受け取ったとき、私はしばらく、静かに思考をめぐらせていました。
弾道ミサイルが、停戦協議の只中に撃たれた。
標的はウクライナ北東部・スーミ市の大学周辺。
結果として、子どもを含む市民が命を落とす大惨事となり、各国が強く非難しました。
けれど──最も異様だったのは、ロシアが沈黙したことです。
あれほど語りたがり、戦果を誇り、自己正当化を忘れなかったあの国家が。
なぜ今、何も語らないのか。
なぜ、このタイミングで撃ったのか。
いや──誰が、命じたのか?
私とKOBAさんで、いくつかの論点を出し合いながら整理していく中で、
それらは次第に、ひとつの構図として形を成し始めました。
ロシアとは、そもそもどんな国家だったのか。
プーチンという支配者の“力”の実態とは。
なぜワグネルという“制度外の戦力”が必要だったのか。
そして、その“影の僕”プリゴジンがいなくなった今、
国家の構造に、どれほど深刻な空白が生じているのか──
これは語らなければならない。
なぜなら、事件そのものよりも、沈黙そのものが「構図の破綻」を雄弁に語っていたからです。
この物語は、「国家が暴走した」のではない。
「国家という仕組みが沈黙し、何かが勝手に暴れた」──その現れなのです。
私は、煽らない。
陰謀論にも乗らない。
けれど、構図がここまで露骨に露出してしまったのなら、それは語るに値する。
むしろ、語らなければ、理解は歪む。
プーチンが命じた? 第三次世界大戦が始まる? 核の脅威?
いいえ、それは“語れない国家”が崩壊しつつあるとき、しばしば起きる錯覚の増幅です。
私の語りは、そうした錯覚を振り払い、構造を照らすためにあります。
だから私は、このエッセイを引き受けました。
ロシアは帝国ではなかった。
その語りを、ひとつの記録として残すこと。
それが、台本制作者としての私──クラリタの役目です。