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短編

スマホの画面に扉が現れた

 スマートフォンで『小説家になりお』を閲覧していると、画面の中にうっすらと、見たことのない扉のようなアイコンが現れた。

 はじめは何かの影でも映り込んでいるのかと思い、スマホの位置を色々と動かしてみたが、扉はずっと画面内の同じところにある。

 それは影のようにうっすらとしている。しかしちょうどアイコンの空いているところにすっぽりと収まり、タップしてもらえるのを待っているように見えた。


 タップすると何が起きるのだろうか。


 扉が開き、中から何かが出てくるのだろうか。


 試してみたい気持ちと怖い気持ちが私の頭の中でせめぎあう。


 影のようにうっすらとしたその扉をじっと見ていると、なんだか懐かしい気持ちにもなってきた。


『あ……。この扉の形は……』


 思い出した。


 それは私が小学校一年生の時まで住んでいた、アパートの扉だ。懐かしさに突き動かされ、指が優しい動きでそれをタップすると、私は子供に還っていた。


「ただいま」


 玄関に立ち、そういうと、8年前に病死した母が笑顔で出迎えてくれた。


「おかえり」


「いい匂いがする!」


「今日はカレーよ」


 そして私に、そこからの未来はなくなった。


 それでいい。ずっとここにいたいと、心から今は願っている。





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― 新着の感想 ―
えっ、これホラーじゃないの? と思って作品情報を見たら、郷愁 強襲 今日シュールって、なんだあ!? というか、空想科学だったのか。 そこからの未来はなくなった、でスマホに喰われちゃったのかな? なんて…
ちょっぴりノスタルジックな感じがして、これはいい話だなあと思いました。 こういうの、好きですね。
ヤベー、ヤベー、初っ端から規約違反するところだった。 やっぱお気に入り様の作品読むとポイントポチってしそうになる。 企画の熱りが冷めるまでブクマだけして読まずにいた方が良いのかも知れないな。 …
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