15:視線の正体?
「あ~いりちゃ~ん☆」
「へ?ふぎゃー!!!」
そしてそんな愛莉には、学校に着いて休む暇も無かった。
そこにいたのは…夢の中のあいつ。
「愛莉ちゃんの挨拶は相変わらずユニークだなぁ。まぁ、そこも可愛いんだけどなぁぁ」
…気持ち悪い。
それが愛莉の素直な気持ち。
「摩雪君…助けて」
「了解」
いつもは由利に助けを求める訳だけど、まだ学校に来ていないみたいだ。
だから…誰でも良いから私を助けて!!!
ちなみにこいつとの出会いは、かなりありきたり。
こいつが落としたハンカチを私が拾って渡した。ただそれだけ。ほらね、ありきたり。
「あんた、愛莉ちゃんの何?」
「え?運命の人かな」
「は?ちょっと見た目が良いからって調子乗るなよ」
「全然ちょっとじゃないと思うよ、私」
愛莉は思わず口を出す。
でもそれは真実なのだ。本当に、アニメみたいなノリでモテモテで。
結城も見た目良いし、スポーツ出来るけど…皆近寄りがたいって思ってるみたい。全然そんなんじゃ無いのにね。
本当は凄く優しくて、凄く繊細。皆はそれを知らない。
私、何考えてるんだろう。
いつの間に、結城の事ばっか考えるようになってたんだろ。
って、今はそれ所じゃ無いのに。
「愛莉ちゃんまで~!酷いな、もう」
「あのな、お前のモンじゃ無いだろ!いい加減、ストーカーみたいな事やめてやったらどうだ?」
「お前のモンでも無いだろ!
オレは見ちまったんだ、枡里と愛莉ちゃんが路地裏で抱き合ってる所を!」
後ろからの視線の正体は、この山野だったのだ。
しかも、こいつご丁寧にクラスのド真ん中で叫んでくれた。