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１０：淡い期待は…？
今回は（も）かなり中途半端で短いです。
あーあ…。
「お前は…全く、イライラしてるからってそれは無いだろ？」
「うぅ…。そうだけど」
「まぁまぁ、お二人さん。そんなにイライラカリカリしないの。ね？」
……………何て、何てノンキなんだ…。
そりゃ、摩雪君は何も知らないけど。ほら、何か感じ取ろうよ。
そんな事を考えていると結城が口をはさむ。
「それより、オレは…摩雪、お前に用があって来た」
「うん？オレに？えっと、結城君だっけ？」
「敬称はいらない。気持ち悪い。お前、オレを覚えて無いか？」
結城が単刀直入に切り出した内容は、私達の悩みの種の中心部。
けれどこんな早くから結城が動き出すとは、正直思ってもいなかった。
気になるのは摩雪の反応。…分かりきって、いるのだけれど。どうしても期待してしまう。
だって、少しの可能性でも追いかけちゃうのが人間でしょ？
「え？」
そう言う摩雪君は本当に不思議そうな顔をする。
やっぱり、ダメみたい。
「分からない」
ほら、ね。
……え？分からない？
「でも」
お前の事…。
次に続く言葉は驚かずにはいられなかった。
「知ってる」
摩雪君は、そう言ったのだ。
