戦国武将とJK②
縛りワード ランドセル 暗中模索 穴
『穴が…穴がみつからない…たしかここら辺だったと
思うのだが…』
戦国武将 小峠依道は急に衝動的に
ジムで筋トレがしたくなってしまい、暗い山道の中
地下の近未来世界に通ずる穴を探していた。
しかし辺りが真っ暗なためにっちもさっちも中々
見つからない。まさに暗中模索というやつだ。
穴を探しながら依道は物思いにふけっていた。
-果たして我輩はこんなに筋肉を鍛えてばかりいて
良いのだろうか?-
たしかに徒隷忍愚事務のおかげで
鎧を必要とせぬほどの無敵の防御力を誇る鋼の肉体を
手に入れることができ、そのおかげで将軍様に見染められ、
足軽から武将の地位まで昇り詰めることができた。
しかし実は剣術の腕は元服をした十五歳の時から変わらず
力任せに刀を振り下ろすのみ…
本来自分が目指していた一流の剣豪の姿ではない。
このまま肉体を鍛えることばかりに固執していて
いいのだろうか?
そんなことを考えていると夜が明け、ようやく穴を
見つけることができた。
徒隷忍愚事務に向かうと扉の前に自衛警
であり猥輩のおなご、藤栄ケイコともう1人
黒い鞄を背負った小さな男児が立っている。
『あ、お兄さん♡また会ったじゃん。鬼やべー
運命感じちゃう〜』
『お姉ちゃん!このひとが??』
『そだよーショウタ、お侍さん』
その小さな男児は羨望の眼差しでこちらを見上げており、
ケイコ殿から話に聞くに武士に憧れを抱いておるという。
その男児は卵童背留と呼ばれる黒い鞄
から李甲弾という武具を取り出し、
それを乱暴に振り回す。
『どうです!ボクお侍さんになれますかね?』
『応、きっとなれるぞ!しかしうぬらの住む世界では
剣術はさほど必要なかろう。それよりも健全な肉体作りから
初めるほうが、より頼り甲斐のある真の武士になれることだろう』
『わかりました!身体を鍛えればいいんですね!』
そんなこんなで依道はケイコの弟ショウタと共に
徒隷忍愚事務でより一層の肉体鍛錬に励むことにした。