表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わたしを嫌う妹の企みで追放されそうになりました。だけど、保護してくれた公爵様から溺愛されて、すごく幸せです。  作者: バナナマヨネーズ
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/111

第三十話

 泣きじゃくる華火にウェインが手を伸ばそうとした時だった。

 部屋の扉が強い力でノックされたのと同時にランジヤとマリアがもつれるようにして入室してきたのだ。

 何事かと視線を向けたウェインは、二人の表情から非常事態が起こっていることを察したのだ。

 

アッターギナン(何があった)?」


 嗚咽を零して泣きじゃくる華火を見て、マリアは怒りの表情を、ランジヤは痛ましそうな表情をしたが、それは一瞬だった。

 二人は、すぐに表情を引き締めていた。そして、焦りが見える口調でランジヤが言うのだ。

 

「アチサミステムオユスビチアギアクテカチエテモドチソーウィクオユス。ウオジンエグ、アグサミエテアテッタホミヌージンアノウィアクテク、ウセディアヅンオモンナキゾメロス。ウセディアヅンオモンナキゾメロス、ンエサミアイナマグージョホニケスオハモヌオヨジョハユンインーゾネマツルシジ」


アクオス(そうか)……。ウレディヌグス(すぐに出る)ウモナトウィ(馬の用意)ウオヨナム(を頼む)マリアオテロス(それとマリア)アディアイアニアゲロ(俺がいない間)エルケッタイェット(ハナビのことを守)マモヲトコンハナビ(ってやってくれ)オザヅンオナツ(頼んだぞ)


「ウタフ!」


「アチサミラモキサク」


 ウェインの言葉に、ランジヤとマリアはほぼ同時に返事をしていた。

 そんな周囲のやり取りを見ていた華火は、状況が分からずにいた。

 何か嫌な予感がして、すぐ傍に居るウェインのシャツをぎゅっと握っていた。

 ウェインは、華火を一度抱きしめた後に、そっと自分の膝の上からソファーに降ろしていた。

 

イアナムス(すまない)エマタッタミセチコア(少し問題が起き)ギアヅンオミソクス(てしまったため)ウルケッチーニスンー(状況を確認し)ヌカコウオユクオジ(に行ってくる)アドゥブオジアヅ(大丈夫だ)ウルケットドミヌグス(すぐに戻ってくる)アラカヅ(だから)オトコニクタ(ハナビには)サヒンハナビ(さっきのこと)イーソヘチオエテア(きちんと考えて)グンーコツンイチク(おいて欲しい)


 何か大変なことが起きているということだけは、なんとなく分かった華火は、ウェインを困らせたくないという一心で、瞳に涙を溜めた状態ではあったが、何とか頷いていた。

 ただ、一度でも瞬きをすれば涙が再び零れてしまうことは分かっていたため、必死に耐えながら、震える声で一言だけ返すのが精一杯だった。

 

「は……い」


 その後、ウェインは慌しく屋敷を出て行ったのだが、一週間が経過してもウェインが屋敷に戻ってくる気配はなかったのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ