精霊の森編1 出会い
青々とした空の下、生い茂った森林近くの草地に、突然魔法陣と同時に春山ショウマが出現。
しばらく空を見たり、空気を吸ったりした後、憧れの異世界に来れたことへの喜びの余りか、顔に笑みを浮かべた。
ショウマ「おほ〜、ここがファルネスかー、ほんとに来たのかあんまり実感が湧かないけど、この風の当たりと空気の味はやっぱり来たって感じだな〜、ーーーよし!、この世界で何をするかの目標はまだ決めてねーけど、とりあえず行くぜーー!!」
「グルル……、グルルル!」
ショウマ「へ?」
後ろを振り返って見たら、どこの誰かが言ったであろうあの滅多に会えないはずの竜がショウマから6メートルの距離にいた。
ショウマの身長174·9センチを優位に超える、身長9メートル、尻尾を含むと15メートルにもなるほどの大きさ、長い尾の先まで宝石のような赤い鱗肌、容易に握り潰されそうな4本指の手、同じく4本指のどっしりとした脚、銀色に輝く鋭い爪、身の丈もある安定翼、蜥蜴のような顔立ち、鋭く光る歯、貫かれそうな太い二本角とファンタジーで大堂とも言える西洋の竜そのものの姿だった。
しかし眼は爬虫類ぽさはあるが、流し目でどこか女性らしさを感じる。
竜は近づいて来たため、その大きさにショウマは驚きを隠せ無かった。
ショウマ「ふぉえ〜!、ドラゴンだー!、生々のドラゴンだ〜〜!!」
竜『生々は失礼じゃない?、ふつーに本物て言いなさいよ』
厳つい姿に似合わない、女の子のような声が耳か頭に響いた。
ショウマ (あれ〜〜、滅多に人前に会えないて女神様言ったよね?、しかも喋ったよ、喋りよったよ……、でも頭に響いた気がしたからテレパシー的な?、とにかくこの状況どしよ……)
「あっ、喋れるんですね……、あの〜〜、えっえと本物のドラゴンさんなんですね〜〜、ちなみにいつからそこにに?、ちなみに声からしてメスでしょしょうか?」
竜『いつからと言われても、私がここでのんびりしていたら前振りもなく魔法陣が出現して、そしたら貴方も出現して、その後、空を見てたり、空気を吸ってたり、しばらくしたらなんか勝手に喋って、行くぜー!!、て叫んでた所まで見てたわよ、後、メスで合ってるけど、メスよりレディーが良いわね〜』
ショウマ「えっ!?、その前からいたんですか〜、いや〜お恥ずかしい〜、あははは」
竜『それより貴方人間よね?、ここは人間ごときが立ち入るのは許されない精霊の森よ?、ふつーに喋ってるけど今この瞬間、貴方私に食べられる一歩手前なのよ?』
青年「えっ……、え!、いいや〜それは初耳ですね〜、いや本当に知らなかったです、あははは、今後、気をつけます〜、では失礼します〜」
そそくさと離れようとしたがすでに遅し。
竜『きゅる♪、残念だけど貴方と喋り続けいたせいか丁度小腹空いたの〜♪、安心して、優しく食べて上げるわ♪』
笑みと可愛らしい声とは、似つかわしくない、言葉にショウマは、唖然とした。
ショウマ (なんやねん!!、優しく食べるて!!、結果的に食われるやん!!、もとあと言えば女神様!!、なんで召喚場所ここにしたんだよー!!、どする〜、どする〜、こうなったら……、逃げるが勝ち!!!)
ショウマは命の危険を感じ、森林の反対方向に全力でダッシュした。
竜もそれに続くように飛んで追いかける。
竜『きゅる〜♪、この私、紅蓮竜イブラスから逃げられると思うの〜?、それより貴方名前な〜に?、食べる前に聞いてあげるわ♪』
ショウマ「へっ!へっ!へっ!へっ!、それはどうも!、つ〜か追いかけながらふつー聞ききますかねー!、俺は春山笑真ですー!!、御年18歳ー!!、なぜここにいるかと言うと俺は一回死にましたー!!、死因は偶然の落雷ー!!、その後なぜか女神様に会って!!、能力を貰って!!、この世界で第二の人生を送るよ〜と言われてー!!、あの魔法陣で召喚されてー!!、現在に至りますーー!!」
イブラス『あら、ご丁寧な自己紹介ね〜、えとハルヤマだっけ?、一回死んだ?、女神様に会って能力を貰ってこの世界に来た?、そんな嘘で止まると思うの〜?、それより貴方以外と早いのね?、喋りながら良く走れるわ〜』
実を言うと、竜イブラスはおよそマッハ1の速さで追いかけてる。
それをショウマは逃げ切れているのだ。
ショウマ自身もそのことに驚きでいっぱいであった。
ショウマ (ていうか、俺、こんなに速く走れたけ!?、いや!?、常識的におかしいだろこの早さ!!、もしかして!?、このギャグパワーのおかげってこと!?)
「嘘じゃないです〜!、ほら!、今逃げ切れてるのは、この能力!、このギャグパワーで逃げ切れと思いますーー!!、多分!!」
イブラス『何その能力?、聞いたことないわよ〜、それより逃げてるとこ悪いけど、その先はーーー』
ショウマ「えっ!?、なんです!?、よく聞こえーー、えっ……?」
ショウマは一瞬だが浮遊感を感じ、まさかと思いながら恐る恐る下見る。
地面がない。
落ちたら間違いなく死ぬ高さである。
ショウマ「ぎぃ〜やーーーーー!!!!!」
イブラス『崖よーー、てっ、あら〜、遅かったわね』
注意しようとしたがまたしても既に遅し。
ショウマはそのまま、ドスのある汚い悲鳴と共に落下して行った。
◆◆◆◆
大きめの白色の四角天幕が立っている。
その近くの透明度のある川で、どこかの民族衣装を着込んだ青年が一人立ちながら釣りをしていた。
まるで女性の様に整った顔立ち、透き通るような肌、筋肉質過ぎない細マッチョな身体付き、そして先が尖っている長い耳。
ファンタジー物で知らぬ者はいないであろう種族、エルフである。
「おっ、釣れた、川の恵みに感謝します」
「おっ、また釣れた、今日も大漁大漁、ーーあっ、川の恵みに感謝します、言い忘れる所だった」
律儀に魚が釣れる度に、川に両手を合わせて感謝の言葉を述べている。
そのわりに表情は乏しくはあるが。
その次の瞬間、ドスのある汚い悲鳴とまるで隕石でも落ちたかのような轟音がエルフの方まで響き広がった。
左の方からと思い、エルフは何事かと釣りを一旦止め、音の正体を確かめに行く。
先ほどの轟音を物語るかのように、周囲に砂ぼこりが舞っていた。
しばらくして収まり、改めて落下地点を確かめると驚きの光景を目にした。
人らしき胴体が逆さまで、頭から首まで埋り、脚が広がった状態になっているではないか。
エルフは人らしき右足の太ももを掴み、雑に持ち上げ、品定めをするように確かめる。
(何者だ?、んっ?、こいつ……人間か!?、たしか上は精霊の森……、精霊ドライアドを生け捕りにしようと身の程知らずの人間共が幾度も侵入して来た……、それは分かる……、だがあそかは少なくとも高さは千メートル以上はある……、なのになぜ落下したこいつは血しぶきも広がらず、白目の状態ながら目立った外傷が無いのだ?、少なくとも精霊の森の守り竜とも言われる、イブラス様から逃げてそして落下したということか?、いや……、あのイブラス様から逃げること自体有り得ぬはずだが……、ん……、息は微かにあるな)
「この人間らしき者から色々と事情を聞く必要があるな」
そう言いながらエルフは、人間らしきことショウマを仰向けの状態にし、右足首を掴みそのまま引きずりながら自分の住処である天幕の方に向かった。
この出会いが、後にファルネスの運命を大きく動くことを、ショウマはまだ知らない。
ま〜、まだ先のことではあるが
[登場人物ファイル1]
名:春山笑真 ❲ハルヤマショウマ❳
身長174·9cm 体重65kg
年齢(というより亭年?)18歳
外見:日本人特有の黒髪と黒眼、イケメンでもない平凡な顔
家族構成:父と母と3人ぐらし、一人っ子
趣味:アニメ(主に人外が出る奴)、映画(主にファンタジー物)、ラノベ小説、漫画、コメディ番組を見ること
性格:誰でも分け隔てなく接する優しさと思いやりを持っている(人外なら尚更である)
ピンチ、シリアスな状況でもユーモアさを忘れない、ポジティブな性格をしている
話を聞くのが苦手(その場合はメモ帳をこまめに使用)
能力:常識無視の力 ❲ギャグパワー❳
今の所分かっているのは、紅蓮竜イブラスのマッハ1の早さから逃げ切れた脚力、高さ千メートルの精霊の森から落ちても、砕け散らない異常な頑丈さである
常識無視の力ことギャグパワーの全貌は物語りが進むにつれ、明らかになるだろう