表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
また、もう一度だけ、この場所で…  作者: 雲乃宇宙
chapter 1 ~a Spring Story~
10/30

第1幕 【愛美(つぐみ)と愛美(まなみ)】 / 第終節

(アイツは一体何なんだ? 急に俺の前に現れたと思ったら、馴れ馴れしくアプローチをかけてきて。その上、学級副委員長の肩書きなんて面倒くさいものまで押し付けてきやがって。前世に俺があいつに何か悪いことでもしたってのかよ…)


 志乃咲の姿が見えなくなった後、俺は心の中で自問を繰り返していた。


 ――にしても、あいつからどこか懐かしさを感じるのはなぜだろう?


 今朝あいつと公園で初めて会った時も、なぜかデジャヴに襲われたし…。


「なんだ、このモヤモヤする違和感は…。もしかして、前にあいつと会ったことがあるってのか?」


 俺はゆっくり瞼を閉じて、頭の中に保管してある人名リストを検索し始めた。


 自分で言うのもなんだが、俺は昔から記憶力には自信があり、一度でも関わったことのある人の名前ならだいたい覚えている。もし過去に志乃咲と一度でも会ったことがあるなら、きっと思い出せるはずだ。



 ――思考し始めてから一分、二分と時間が刻々と過ぎ去っていく。


 中学生、小学生と年代を遡り、自分の記憶をできる限り紐解いてはいるが、今回はどんなにリストを探しても“志乃咲 愛美”という人物は該当しない。一応、両親が離婚・再婚して苗字が変わった可能性も考慮してみたが、そもそも俺自身が過去に“マナミ”という名前の異性と交流した心当たりが一切無い。


 そうしてる間に、授業開始五分前を示すチャイムが校内に鳴り響き、我に返った俺はそこで思考するのを止めた。


「はぁ、ダメだ…、全く思い出せね~。あ~、もう!」


 俺は両手で勢いよく頭を掻きむしる。そして、


「ってことは、きっと俺の気のせいだな。うん、そうに違いない!」


 違和感を断ち切るように、声に出して自分に強く言い聞かせる。それから、俺は志乃咲を追うように屋上を後にした―――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ