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0092

暫くは別視点でのお話になります。そして一週間だけですが連続で投稿していきます!(^^)!


0092


帝国帝城


皇帝がカテリ平原に行った時と同じ輪が幹部達の集まっている部屋に現れる。ただし前のものよりだいぶ大きいが。


「皇帝陛下。お帰りなさいせ」


メロアが代表して口を開き、一斉に幹部達が頭を下げる。


「中々に良い戦場であったな」


皇帝が隣にいた白銀の竜を消しながら満足そうに言葉を発する。


「あの者の情報はあるか?」

「陛下が戦場に出向かれてから直ぐに帝城内の冒険者や王国、また王国の同盟国の重要人物が書いてある資料を全て調べ上げさせましたが今の所一致する人物は見つかっておりません。新たな幹部級…と考えてよろしいかと」

「そうであろうな。最後の魔法は神装を展開しなければ危なかった」

「そんなことはございません。陛下が本気をお出しになられれば神装を展開する必要もなかったでしょう」

「……あれを使った方が良かったか?」

「陛下が良いとおっしゃればいいのです。あの場ではあれが最善でした」

「ならばいい。して使者は?」


皇帝の問いにライアー達がジランと呼んでいた男が答える。


「既に王国に飛ばす準備をさせております。命令さえ頂ければ直ぐにでも飛ばせます」

「内容は今回の戦争での賠償金の会談でいいだろう」

「それでいいかと」

「すまないが私は異議を唱えさせて頂きたい」


皇帝の決定に異議を唱えた馬鹿な幹部がいたことに驚きながら一斉に異議を唱えた者の方を見る。


「ほう、幹部程度が私に意見をするか」


一応は会議となっており、幹部と言えば帝国では最上位と言ってもいい地位なのだが皇帝はそれらすべてを無視しての発言をする。


「陛下。陛下もあの黒い鎧の者が気になるのでは?」

「なに?」

「あれほどの強さの者であれば王国の王族も何か知っているでしょう。国王に自ら来て頂く…というのはいかがでしょうか?」

「阿保をぬかすな。いくら馬鹿な王であろうとも自らの軍で打ち破った敵国に招待されていくはずがなかろうが」

「えぇ。しかしもしも我が国で王が死んだともなれば責任があるのは我が国。殺すのならば帝国に来る道中に盗賊にでも変装させた帝国軍で殺せばいいですが、今回は我が国の転移魔法師を使ってこちらに来ていただくというのはどうでしょう?」

「……予定が決まり次第何時に到着など国民にも大々的に伝えておけば信頼性は僅かながらは上がるでしょうかそれは本当に僅かです」

「それに儂ら帝国に逆らえる国は周辺にはリハージ王国以外ない。帝国が王を殺したと考えるのが必然であろう」

「でも聖王国なら僕等の相手もできるんじゃない?」

「……できるのはできるであろう。幹部が半分も出陣すれば即座に滅ぶ。ただ、神の怒りを買う可能性があるのが唯一の懸念だ」

「儂も長く幹部という席に就いてはいるが儂らが全員出ても滅ぼせない可能性があるのは砂漠の帝国と海の帝国だろう。聖王国も空の帝国とは言われるがこの中では海にしか勝てんだろう」

「神の怒りを買うのも確かにうっとおしいが、聖王国には天弓と呼ばれる聖王国の守護者がいる。国を複数超えて狙撃してくるというのだ。噂の真偽はメロアが事実だと調べている。天弓とやらが我が帝国を無差別に攻撃してくるとなおうっとおしい。ゴミは周りにあるだけでも不快だ」

「セルレイ教の現教皇は女性で反亜人派であったはずで。そしてリハージ王国は亜人を大量に国内に抱え、セルレイ信者も大量に国内にいる。となると使者に同盟をほのめかすように交渉させるのはどうでしょう?」

聖戦(ジ・アー)がリハージ王国に向けて発動されたのであればリハージ王国の同盟国は全て敵に回ります。我が帝国と同盟になれば帝国軍とと属国が軍を出すと言えばいいでしょう。属国にリハージ王国との同盟関係を結べと言っても反対する者少数しかいないでしょう。流石に資金や食料などが不足している場合は出撃させませんし、同盟の規約によって王国を助けたのならば我ら帝国から属国に資金を渡せば黙るでしょうし、最悪有り余っている領地でも渡せばいいでしょう」

「土地を渡すのには賛成できんな。しかし同盟には同意しよう。規約の方は王国の国王自らが来てくれるのであれば詳しい内容はそこで決めればいい。属国の王にも文書を出して了解と帰ってきしだい転移魔法でこちらに来てもらい、会議に参加させればいい」

「それなら儂もいいじゃろう。じゃが直ぐに転移魔法で来た国王は同盟を決めかねるじゃろう。一回目、二回目、三回目と会議があれば確実に決まるじゃろう」

「では日数はこちらで調整しておきます。滞在日数等は直ぐに決めて使者に渡します」

「メロアの部隊がメイドか執事かに扮して王国側の人間に黒い鎧の者に関する情報をできるだけ引き出せるようにできるか?」


ライアーがメロアに問うと、メロアは苦い顔をしながら答える。


「残念なことに王国の騎士は存外機密情報やその他国や軍の情報に関しては徹底しているらしく王国の騎士団に潜ませている騎士でさえ有益な情報は得られないため、騎士からの情報はあまり期待しない方がいいでしょう」

「まぁよい。我が国王に聞いてやろう。何。一番気になっているのは我なのだからな」


皇帝はケイに見せたような獰猛な笑みを浮かべる。


「陛下直球では駄目ですよ。できるだけ言葉の裏に隠しながら聞いてください。他の国の国王も来る可能性があるのですから」

「その程度分かっている」

「では王国に関することはこれでいいでしょう」

「私は失礼ながら退席させていただきます。直ぐに内容をまとめて使者に渡しますので」

「了解した」


メロアが部屋から退席したが、会議は続く。


「では此度の戦争での被害ですが」


次に戦争の被害の報告に会議の内容が変わり、カルロが喋りだす。


「人的損害は蘇生も含めると目をつぶれる程度の被害ですが、やはり一番被害があるのは調教していた魔物達かと」


この世界ではほとんどの大国が蘇生魔法で大規模蘇生を使っており、戦争で死んだとしてもレベルが下がるとはいえほとんどが蘇生される。だが、魔物たちは人間と違いそこらの馬よりも倍以上の調教費が必要となる。そして魔物を蘇生するとなると、レベルも下がり何も調教できていない魔物が蘇生されるだけなのだ。これでは野生の魔物を捕らえてくるのと何ら変わりがない。そのため、調教した魔物を失うのは損害が大きいのだ。


「やはりそうなるか」

「はい。今回は呪竜二体を失いました。更に情報の露見などですがこちらは特にございません。呪竜に乗っていた優秀な騎手が他国の魔道具を発見次第魔力をぶつけて見えなくしていました。陛下の城も同様に、膨大な魔力を使った魔法であったためにカテリ平原一帯にあった魔道具は一時的に全て壊れているはずですので」

「では問題はやはり王国以外の国にどれだけ詳しく情報が知れ渡ってしまうかということか」

「陛下のおっしゃる通りでございます。少なからず呪竜の多少の情報の露見は仕方がないかと。といっても王国が兵の死体を他国に見せるわけにもいかないでしょうし、多少強い竜程度でしょう」

「陛下。呪竜騎手の蘇生は不可能な状態なのでしょうか?」

「あの状態では無理だ。ルーナにも聞いたが損傷がひどすぎる」


皇帝に呪竜を蘇生できないかと聞いたのは帝国幹部の帝国竜騎隊、帝国騎魔隊のトップであるエルンストだ。ルーナというのは帝国幹部ではないものの、ライアーの部隊の一人であり、蘇生魔法を使える一人でもある。帝国には蘇生魔法を使えるものが三人おり、ルーナは最もレベルの低下が少なく蘇生ができる。


「そうですか……」

「蘇生することが叶わなかった兵の親族には戦死届と共に多少の資金を送っておけ」

「了解いたしました」


一日遅れてしまったので九時半にもう一回投稿します<m(__)m>

この世界の情報

砂漠の帝国 アシスア大帝国を指した言葉であり、砂漠の帝国と言われるほどの軍事力や魔法力を持っている

海の帝国  レイブル共和国を指した言葉であり、小国郡の中心にある巨大な島のため現在は泥沼化した戦場の中にある

空の帝国  レイスタン聖王国を指した言葉であり、空の帝国と言われる理由は聖城が空に浮いているためにそう言われている

陸の帝国  リベルタイン帝国を指した言葉であり、陸の帝国としての不動の地位を確立している

レイスタン聖王国の情報

守護者 レイスタン聖王国を守る五人のことであり、全員が覚醒者と言われている

天弓  守護者の一人であり、弓を使っての超々遠距離の狙撃を可能とする

リベルタイン帝国の情報

エルンスト 帝国幹部の一柱であり、本人は溶岩魔法を使うドラゴンに乗りこなす

ルーナ   帝国の三人いる蘇生魔法師の一人であり、帝国では非常に重宝されている

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