0009
「はぁーやっとついた」
なんとか道も場所も全くわからない都市を一人で彷徨うのは避けられた。ケイの目の前では大きな建物に鎧や武器を装備した人たちが出入りしている。ここが冒険者ギルドだろう。
「とりあえず入ってみるか」
ギィと扉を開け中に入ると、掲示板のようなものの目の前で依頼を選んでいたり、簡単な食べ物を食べていたりしている冒険者たちがいた。受付っぽいのがあるし行ってみるか。
「いらっしゃいませ。どのような用件でしょうか?」
「冒険者登録をしたいんだが」
「はい、わかりました。ではこの玉に手をかざしてください」
「わかった」
手をかざすと、玉が青白く光る。
「これで登録は終了です。ランクは銅級からになります。依頼はあそこに張ってある銅級のものからお選びください」
「ありがとう」
さて、まずは定番の薬草を採る依頼からしますか。
「これで頼む」
「わかりました。薬草採取の依頼の受諾を確認しました。行ってらっしゃいませ」
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魔素の森浅地
「やっぱりというかなんというか肉眼だけじゃ雑草との違いがわからんな。神眼使うしかないか。【神眼】」
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薬草
ポーションの元になる
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肉眼で雑草と見比べてみる。違うのは葉にちょっとギザギザがあるかないか程度で素人の俺にはさっぱりわからん。
「どう頑張ってもわからないな。神眼あってよかったぁー」
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30分後
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「ふ~だいぶん集まったな」
そういうケイの足元には山積みの薬草がある。しかもその中には中位や上位の薬草も何本か混ざっていた。
「これだけ集まれば十分だろ。神眼もLv2になったしな」
「グルルゥゥゥ」
そう音が鳴ったと思うと、回りからも音が聞こえる。いつの間にか囲まれていたようだ。
「おっと、お客様のおいでだな、【神眼】」
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種族 ウルフ
年齢 五ヶ月
レベル9
ジョブ
体力 127
攻撃力 80
知識 0
MP 0
物理耐性 30
魔法耐性 10
パッシブスキル
スキル
隠密Lv3
爪Lv2
連携Lv3
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「連携はやっかいだな」
するとウルフの二匹が周りをまわり始め、順番に攻撃し始めた。ステータスの差で何とか見えるが攻撃力が高いので一発もらってしまうだけでまずい。だが俺の攻撃力的に一発で獲れるため、自分から駆け出し一匹に急接近する。いきなり近づいたためかウルフが目を見開くとそのまま首が無くなり、死んで行った。さすがに今ので警戒したのか、近くにいたウルフも飛びのき距離をとった。
「早く帰りたいのに……」
この世界の植物
薬草 そのまま食べると苦いがポーションの元になる
魔物説明
ウルフ 一匹だと銅級で対処できるが多数いると銀級以上の実力が必要になる可能性が高い
スキル説明
隠密 気配がわかりにくくなる
爪 爪の攻撃力が上がる
連携 同じ種族が多数いると連携がとりやすくなる