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といってもケイにラヒネの教会に場所がわかるはずもない。


「魔族や獣人に崇められてるって自分で言ってたしなぁ…」


人間が住んでるところにはラヒネの教会がないのかもしれないな。


「んーどうしようか…」


ルカに聞いてみるか?いや、聞くんだったらネラのほうがいいか。影転移も使えるし場所がわかるのであればちょうどいいしな。


~~~~~~~~~~


ケイは宿に帰ってき、自分の部屋の隣に泊まっているネラの部屋の扉を開ける。


「ネラ。ちょっと聞きたいことがあるん―」


そして部屋の中が見えるとケイは全力で部屋の扉を閉めた。


え?なんで着替えてんの?というか精霊って着替えんのかよ。ネラのやついつ服買ったんだ?まさか渡した金全部使ったんじゃないだろうな?


ケイが扉を開けた目の前ではネラが丁度着替えていたところであり、ケイの脳内には下着の色や形が完璧に焼き付けられている。なんとかそこから意識をずらそうとケイはできるだけ別のことを考える。ほとんど意味はないが。

そしてケイが意識をずらすことに頑張っている間に部屋の中にいるネラからケイに声がかかる。

今度はゆっくりと扉を開け、目の前に立っているネラを除いて問題がないことを確認すると中に入る。


「見たわよね?」


いつもとは違い、女冒険者が来ているような服になっているが殺気はいつもどうりのようだ。


「見ました……」

「そう…」


ネラの顔が赤くなっている。自分で聞いといて恥ずかしがるのか…。


「今度からは入る前にノックしなさいよ」

「それだけか…?」


ケイとしては一発ぶん殴られるくらいの気合で来たのだからこの程度で済むのか?という心情だった。


「本当なら平手打ちでもしたかったんだけど私の物理攻撃力じゃ痛くないでしょ?ケイが鎌で腕を切ってもいいっていうのなら魔法で攻撃するけど?」

「嫌です!!」

「でしょ?それで聞きたいことって?」

「ラヒネの教会ってどこにあるかわかるか?」


ネラはラヒネという言葉に驚いたようだがすぐに納得したような顔になった。


「ケイね。ラヒネ様のことはほとんどの人間が知らないのよ?まぁケイは悪魔だから知ってるんだろうけど、あまり人間たちの目の前で言っちゃだめよ」


今度はケイが驚く番だった。


「そんなに驚くことでもないでしょ。私達精霊は魔力がほかの生物より見えるって言ったでしょ?ケイは人間寄りの魔力がほとんどだけど悪魔の魔力もよく視たら微かに感じられるのよ」

「そういうことか。もうばれてるんだったら本来の姿を一応見せておくか」


そしてケイは久々に本来の姿になる。といっても存在進化したことによって身長も声も瞳の色も変わってしまったために、前と同じところは髪の毛と肌の色くらいだろう。


「ふぅ。久しぶりにこの姿になったな」

「ねぇケイ」


ネラが微かに足を震わせながら自分の名前を呼ぶ。


「なんだ?」

「あんた、自分の魔力制御しきれてないのわかる?」

「え?」

「ケイ!!なんかとてつもない魔力が…」


そしてルカが大声を出してネラの部屋に入ってくる。


「ケイお前……」

「な、なんだ?」

「お前悪魔だったのかよ~なんだ俺らとおんなじ魔族じゃねえか」

「私は違うわよ!」

「いや、精霊って中立だろ?魔族の仲間になるやつもいれば人間の仲間になるやつもいるじゃねえか」

「確かにそうだけど」

「話を続けるのはいいがその前にネラ。人気のない場所に転移してくれないか?」

「え?なんでよ」

「ルカがうるさい」

「わかったわ!」


ネラは即座に床に魔方陣を出し、三人を転移させた。


~~~~~~~~~~


「さてここでいいでしょ?」

「あぁ」


ネラが転移させてのは森の中だった。もちろん周りに人は誰もいない。


「ケイ!早く見せてくれよ!」


ルカがキラッキラした笑顔で急かしてくる。


「分かったから待て!!」

「早く!」


か、会話にならん…。まぁいつものことだ。さて。じゃあ悪魔っぽくなってみるか。いや、悪魔ですけどね?


ケイは翼召喚、竜人化、を発動し、尚且つ前までは故意には発動できず、変身した瞬間にしか発動できなかった闇の覇気。これをスキルとして手に入れたために故意に発動する。すると周りの空気が一気に重くなり、木や地面がギシギシとうなっているように錯覚する。


「こんな感じか?」

「私の知ってる悪魔とちょっと違うわね」

「俺は知らんが尻尾とか悪魔に生えてるのか?」

「生えてないわよ。ケイに少しドラゴンの魔力が混じってるからじゃない?」

「え、そうなのか?」

「今だったらわかるわよ」


そこまでわかるのか…。


「えーっと俺の種族言った方がいいか?」

「いいんじゃない?」

「ぜったい他のやつに言わねぇからよ!」

「まぁいいか。俺の種族はドラゴンデビルだ」


種族を言うと二人ともキョトンとした様子で首をかしげている。


「知らないか」

「聞いたこともないわね」

「俺と同じか」


ルカもケイと同じように孤独な生物を持っているために、世界で一匹しかいない生物となっている。さらにいうと人間ではこの二つ名を持っているものが少なく、人間の場合は存在進化ではなく覚醒、と呼ばれる。聖王国では神への信仰を続けると覚醒するといわれているそうだ。


「それでだが本来の目的のラヒネの教会に影転移で行けるか?」

「それは無理ね」

「無理か…」

「だけど闇の神のティーラ様の教会なら人間が住んでいるところにもあると思うわよ」

「ティーラ?」

「ティーラ様も知らないの?」

「俺も知らねぇぞ」

「あんたは馬鹿だからよ」

「……確かにそうだな!」

「この馬鹿はほっといてケイ。ティーラ様の教会に行ってみる?」


ラヒネの教会に行けないんだったらほかに行く当てもないしそうするか…。


「あぁそうしよう」

「じゃあまた転移するわよ」

「お、次はどこに行くんだ?」

「「……」」


もう何も言わなかった


この世界の情報

覚醒 人間版の存在進化であり、覚醒によって人間ではなく魔族になるといった事例は確認されていない

恐怖状態 レベルによって差はあるが、この状態になったものは何秒か何十秒か動くことができなくなる

スキル説明

闇の覇気 自分の周囲の敵に対して自動で恐怖状態を付与する。自分とレベルが近いものに対しては無意味

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