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レーナはショーンの言葉にとくに驚いたようなようすもなく、またかという顔をする。よく嫌な顔をしなかったもんだ。


「いままでの男よりはましかもしれないけど、貴方が紹介する人たちは全員私を襲ってくるんだもの…」


レーナは頬に手を当てて困ったように言う。


「でもお前はまだ処女だろ?」


そしてそんなレーナにショーンが爆弾を落とす。


「殺されたいのかしら…?」


レーナの目線が一気に冷たくなり、ショーンを射抜く。


「いや…、あはははは…」

「まぁいいわ。ケイ、でいいかしら?」

「あぁ」

「私は付き合ってあげてもいいのだけど、やっぱり普通に付き合うだけじゃ面白くないでしょ?」

「ま、まあそうだな?」

「そこで近日帝国との戦争があるでしょ?だからそこで私より強い帝国の将を倒したら付き合ってあげるわ。あ、もちろん死んだら私を見ることすらできなくなるから頑張ってね」


え、なんか俺この人といつの間にか付き合う方向性で話が進んでるんだが。


「俺は戦闘はできるがレーナは戦えるのか?」

「当たり前じゃない。これでも魔法学校を出ているのよ?」

「魔法学校?」


また聞いたことのない言葉だ。


「貴方魔法学校を知らないの?」

「田舎の方にいたからな。この国の常識すら知らないんだ」

「魔法学校のことは俺が教えてやろう!」


今までレーナにおびえて下を向いていたショーンが顔をあげて説明を始める。


「魔法学校というのは各国にある。魔法学校はその名の通り魔法を学ぶ学校で、卒業すれば普通に戦力になるくらいにはなる」

「じゃあなんでレーナはなんで踊り子をやってるんだ?」

「私は魔法を撃って疲れるよりも踊る方がよかったのよ」

「安心しろケイ。こいつの魔法は強力だからな。金級に襲われてもそいつの息子を切り落としたほどだ」

「そういうことよ。私の魔法は実戦の時に見せてあげるわデビル」


そしてレーナはお皿を持って店の奥に入っていった。


「そういえばお前の二つ名はデビルだったな」

「俺がつけたんじゃないんだがな…」

「デビルっていったら神の敵、侵略者、完全悪だからな」

「良い物が一つとしてないんだが」

「悪魔だからな。それでどうだった?」

「どうだったとは?」

「レーナのことに決まってんだろ。レーナはほとんどの男に乗り気じゃないがお前にはレーナ本人が乗り気だったからな。もしかしたら人生初の彼女がレーナかもな」


ニマニマとした顔でショーンがケイに向かって話しかけてくる。


「初めてにしては難易度高くないか…?」

「それは知らんな。レーナと付き合った男は少なくとも一週間以内には女に変わって別れるからな」

「無理だろ。俺は一生男のままでいたい」

「その前にまず帝国の将を倒せるかどうかもわからんぞ?」

「それもそうだが…」


いや絶対倒せるだろ。帝国幹部級のが出てきたら分からんが一般兵が俺と同じレベルの強さ持ってたら大陸帝国に占領されてるだろ。


「俺は城壁にいるがお前は前線だろ?」

「そうだな」

「お前のことだからないだろうが死ぬなよ?」

「当たり前だ」

「そうか。なら俺は仕事に戻る。金は払っておこう」

「ありがとう」

「このくらいいつでも奢ってやる」


ショーンは会計を済ませると店を出て行った。


「…ラヒネの教会にでも行ってみるか」


この世界の情報

悪魔 魔界という別の空間から出現しており、基本能力が人間と比べるととてつもなく高い。人間の味方である天界や神界の天使や神たちと争っている

界域 界域とは五つあり、上から神界、天界、地界、魔界、邪界がある

神界 最上位の神達がおるとされ、神々はそれぞれの界域を持っており、世界を管理、維持している

天界 最上位ではない物の、複数の神や天使がおり、天界への侵入者を駆除している

地界 人間や様々な種族がおり、日々争い、真の平和は無いとされている

魔界 人間などに敵対する種族が多く住んでおり、数を増やしすぎたために地界に侵略を開始した

邪界 複数の邪神がおり、悪魔やその他種族を従えているとされている。神界にいた神から堕とされたものもおりその力は破壊に特化しているものが多い。目的は神界の神を殺し、この世界の管理者に成り代わることといわれている

神域 力の強い神は持っており、自分の戦闘のしやすいように変えることも可能

邪神 力の強い魔物や悪魔が神になったものが最も多い。例外としては他の神々に堕とされた天使や神もいる。最近では神域の神達とは良好とはいえずとも戦闘に発展するほどでもない微妙な関係である

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