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「そこにはケイさんが!!」


朝から扉の外でスイの声が聞こえる。


「お、ここにケイ君がいるんだね?」

「い、いませんから!」

「じゃあちょっと失礼するよ」


[バンッ!!]


「んあぁ~?」


目を開き扉の方を見ると片眼鏡を付けた黒髪で赤目の男が部屋の中に入っていた。


「君がケイ君か。やっと会えたよ」


…誰かわからんがとりあえず……


「【闇の矢(ダークアロー)】」


男に向かって一本だけ矢を放つ。


[ガシッ!]


「流石だね。中々いい闇魔法を使うじゃないか」


男は手で矢を掴んだ。男の手はケイの竜人化と似たように獣のように鋭くなっており、真っ黒に染まっていた。予想外のことにケイの意識は急激に覚め、ベッドに立てかけてあった大太刀を手に取り、ベットから跳ね起きる。


「なるほど。ケイ君は魔剣までも持っているのか。にしてもその魔剣は非常に珍しい形状をしているね。その形状は夜阿ノ國の者が所持していた武器に非常に似ている」

「……」


ケイは男を警戒して何も口にしない。


「ケイ~大きな音したけど何かあったの~」


ネラが隣の部屋から出てきた。


「君は人間かい?それにしては魔力が漏れすぎているような…。あぁ君は精」


その言葉を発しようとした次には鎌が男の首をとらえていた。


「それ以上言ったら首から上を飛ばすわよ」

「いやいや、私も初対面で流石に君たちと争うつもりはない。どちらかと言うと仲良く肩を並べあって魔法式や魔法理論について語り合いたいほどだ。これが好みでもないのなら新魔法を研究して開発するのもいい」


ケイの知らない言葉がずらずらと並べられていく。


「ま、魔法式に魔法理論?」

「ん?もしかしてケイ君は感覚で魔法を使うタイプかい?それなら私はそこまで戦闘が得意でもないが戦闘しながら魔法式を読み取るという手もあるが…」

「待て待て待て!その前にお前は誰だ!」

「あぁ。確かに自己紹介が少し遅れてしまったね。私の名前はスカーロ。職業は放浪者兼魔法研究者兼リハージ王国緊急魔法師兼闇の賢者をやっているものだ」


……


「え?お前が闇の賢者?」

「そうだね」


え?目の前の人の部屋の扉ぶち破って自分で放浪者とか言ってる常識がなさそうなこの男が地位がものすごく高い闇の賢者?


体を自由に変質させられる男の言葉である。


「それで俺になんのようがあるんだ?」

「君の魔法を見せてほしいんだ」

「魔法?なんでだ?」

「魔法は魔方陣を見るとどんな現象を引き起こすかが大体わかるからね」

「な、なるほど」

「魔法は君の好きなのでいいよ」

「ちょっっと待ってくれ。ここじゃ周りに被害がでるからギルドの練習場でいいか?」

「確かにそれもそうだな。それなら少し下で待っていよう」


そういうと階段を下りて行った。


「え、えっとー。ケイさん朝食どうします?」

「いや、今日はいらないよ。また晩飯を頼む」

「わかりました!」


そしてスイも下に降りて行った。


「やっぱりケイの近くに居たら飽きることがないわね」

「うるせぇよ……」


この世界情報

魔法式   魔法を発動するために必要であり、物質をどのように変質させるかなどもこの魔法式によって設定されている

魔法理論  魔法式などを用いて新魔法などを開発するためや、ばらばらの魔法などを法則的、統一的に説明するもののこと

魔法研究者 常日頃魔法の研究や新魔法の開発に取り組んでいるために、魔法式や魔法理論を学んでいなければ難しい

リハージ王国の情報

リハージ王国緊急魔法師 リハージ王国が危機的な状況に陥った時に戦力として戦争に行く者。賢者でもこの契約を結んでいるものは少ないが、闇の賢者は戦力になる代わりに王城書物庫の閲覧をある程度は許されている

王城書物庫 リハージ王国や周辺国家の歴史書などもあり、過去の敵国の強者の魔法が記録されている書物や、歴史的価値のある書物までもが保管されている

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