0049
国王様の視点です。
0049
国王視点
王城の一室に国王、宰相、騎士団長、戦士長、(近衛騎士団長、王国竜騎団長、王国魔法師団統括、王国陸軍元帥、王国海軍元帥)など、戦いに関するこの国のプロフェッショナルといっても全く問題ないものたちがそろい、今回の優勝者達の情報交換のようなもの行っていた。そして最後にケイの情報が交換される。
「最後にケイの情報だ。何かあるかね?」
すると戦士長が手をあげる。
「そのものの情報ですがどうやら冒険者登録したのは最近のようですが今ではギルドマスターの権限で金級になっており、王級のオークキングを銅級の時に契約魔物にしたようです」
「興味深い話だな」
「王級を契約魔物に…」
「本当だとすれば素晴らしい逸材だ」
「それよりどうやって金級になったのだ?まさか不正などではないだろうな?」
「王級を契約魔物にしたというのも功績だがそれだけでは金級には足りないぞ」
「他にも何かあるのだろう。それで?どんな理由だ?」
「クリスというギルドマスターを知っているか?」
「あの戦闘狂か……」
「確か結構な量の魔力を保持していたはずだが」
「去年の帝国との戦争でなかなかの戦果をだしたものだったな」
「そのギルドマスターを倒したため金級になったようだ」
「なるほど、それならば確かにすぐに金級に上がれるだろう」
「うむ。それとほかにも情報を集めようとしたのだが全く集まらなかったのだ」
「それは仕方なかろう。王国の情報網を使っても何もわからないのだから」
「ケイについての情報はこれくらいか?」
他に誰も手をあげる者がいない。
「ふむ。では次にケイの強さについてだな。マルコム、お主はどう思う?」
クリストファーが横に座っている男に向かって問いかける。この男はケイがおっさんと言っていた男であり、同時に宰相をしている男だ。
「申し訳ありませんが私では彼からは何も読み取れませんでした。確かに強いというのはわかるのですが…。それよりも一番の問題は…」
「戦った敵の魔法を瞬時に覚える、または改良して自分のものにすることが可能ということか」
「そうだな」
「な!?それは本当か!?」
「なに!?それは大問題ではないか!?」
大会に来ていなかったものが驚きで声をあげる。魔法を一瞬で覚えて改良することはそれほどのことなのだ。
「それは今すぐにでも王国に取り込んだ方がいいだろう」
「私も同じ意見だな」
「もし帝国にでも行かれたら最悪だ」
「そのような驚異的な能力を持っているのに全く情報がないとは…」
「だがその前に問題がある。ケイは姿を全くの別人に変えることが可能と考えていい。もちろん声もだ」
「スパイの可能性があるか…」
「その通りだ。だから中枢に入られたら王国の情報を持っていかれる可能性もある」
「どう扱うべきか…」
「もちろんだがそのような見たことのない魔法を大会の時にも多用し、姿が魔族にも類似していたために魔道具で調べたが魔族ではないようだ。流石にあの魔道具でもわからなかったらお手上げだがね」
「真実の瞳を使ったのか?」
「うむ。もし魔族だったらあの場で殺すつもりだったからな。それほどまでにあのものの持つ能力は危険なのだ」
「どう対処いたします?国王陛下」
「しばらくは様子見しかなかろう。もし別の国に行かれてしまったらそれこそ大問題だ」
「私も同感ですな」
「それとあまり私たちの技や魔法を見せない方がいいでしょう。勇者様方にも見せていないが今は仕方がありますまい。いくら強いといえその強さに知識がついていっているわけではないののですからな」
「我らの切り札をそうやすやすと見せるわけにはいかぬからな」
「では、ケイについては今はまだ様子見だ。そしてケイに鍛えてもらいたいと自ら言いに来たのはキサラギだけだ」
「殲滅魔法を使うものか」
「強力な魔法を使っていたな」
「そのもので間違いない」
「ケイについてはこれでよかろう」
「そうだな。にしてもそろそろ帝国との戦争の時期だな…」
「去年と同じように小競り合いですんでくれればよいのだがな」
そしてまだ会議は続いていく――
リハージ王国の情報
宰相 王国の政治や戦争などにおいて活躍している
近衛騎士団長 国王を守る精鋭の中の精鋭。貴族の子供などがなることが多い
王国竜騎団長 竜騎兵の中でも珍しい|溶岩竜騎兵であり、最も火力のある人物。竜に乗り、空から敵を一掃する部隊。竜などの数がそこまでいないために100人ほどしかいない
王国魔法師団統括 王国の魔法師の統括。王国にスカウト、または王国魔法学校の首席などがなることが多い
王国陸軍元帥 陸軍で最も権力を持っている。王国の軍の中で最も人数が多い
王国海軍元帥 最近になって帝国が海へ興味を持ちはじめ、海軍の強化をしたことから5年ほど前に作られた軍。もともとは陸軍副元帥であった