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「さあ!!第十三回戦目は獣人の中でも珍しく、強力な身体能力を持っている白狼族のカロル!!対するは予選も含めてたったの三試合で二つ名がつけられたデビルことケイ!!それでは第十三回戦スタートだあぁぁ!!」


「本選第十三回戦開始!」


「【闇の矢(ダークアロー)

「【破】ッ!!」


矢は飛んでいったが、拳ですべて破壊された。拳にあたった矢は周りに散るように破壊される。


「魔法より硬いってどうゆうことだ?」

「はっはっはっはお前強いな!」

「あ?」

「強いやつは好きだぞ!楽しいからな!」


白い髪をもつ獣人の拳は飾を纏った。あの拳に触れたのならば一瞬で細切れになるだろう。そして人蹴りで距離を詰めてくる。


「おっらあぁぁッ!」

「【抜刀】」


[ガキンッ!!]


「いや音おかしいだろ」

「俺は人間じゃないからな!」


手をよく見ると拳の長い爪で刀を止めていた。拳を見た瞬間に刀から手を放し、カロルが下から上に拳を振りぬく。


「ッ!?」


顔が吹き飛ぶ前に背中をそらし、そのまま後ろにバク転して間をとる。が、カロルがそれを許すはずもなく追いかけてきて再び顔を狙って攻撃しようとしている。


「いいねいいねいいねッ!!」

「チッ!【竜人化】」


[ガガガガガッ!!]


竜の鱗に風の斬撃が当たったことにより鉄にあたったような音がする。


「お前も人間じゃないのか!?」

「人間だよッ!」


今度は竜人化を足に移し、力を増やして推進力を倍増する。


[ドンッ!]


ケイの足の力により舞台にひびが入る。


「次は俺の番だ!!」


その拳は何の武術も習っていないのがまるわかりだが、その速さと力が段違いのため当たったらただでは済まない。


[バキッッ!!」


「ガッ!」


カロルはケイの拳により後ろに吹き飛ぶ。ケイに殴られたら大体がこうなるだろう。なぜなら力だけならオークキングとも正面から張り合えるのだから。


「ん?」


ケイが今感じた違和感は、カロルの腕に当たったはずなのに拳に手ごたえがほとんどなかったためだ。


「あぶねぇあぶねぇ。自分から飛ばなかったら腕の骨砕けてたぜ」

「なるほどね」


前の世界で格闘漫画とかでよく見るやつだが、実際に効果あるのか。


「いいねいいね!お前強いな!熱くなってきたぜ!!」

「あ、暑苦しい…」

「もっとやろうじゃねえか!!」


カロルはそういうと上に来ていた服がはちきれそうになり、その上から光に反射されて白く綺麗に光る毛が大量に出てきて、頭も白い耳が生えていただけだったのが、頭からも白い毛が生え、顔も犬のようになり、爪はもともと長かったのがさらに長くなり、体自体の大きさもさらに大きくなる。同時に、ズボンの上からも毛が大量に出てくる。


「ワオオオォォォン!!!」


その咆哮は空気も揺らす。そして見た目は完全に大きな狼だが毛は雪のように白く、眼は金色に輝いている。歩きも今は四足歩行だ。


「呆けてると一瞬で終わるぞ!!」


ただ狼になった姿でもしゃべれるようだ。ケイ以上のスピードで一気に距離を詰めてくる。


「【闇の手(ダークハンド)】ッ!」


あまりにも早すぎるため手で足をつかんで止めようとする。ガシッと確かにカロルの足をつかむが、手がひきちぎられる。


「力技すぎるだろ!?」

「ガアアァァッ!!」

「つッ!」


竜人化を腕に纏わせ防御するが完全にダメージを減らせるわけでもなく転がりはしなかったが、立ったまま後ろに少し後退させられる。


「やっぱりお前はすげぇな!素で俺の獣化の攻撃を受けて耐えられるなんていなかったぜ!」

「そりゃ…こんだけ威力高かったらな…ん?」


今のカロルの前足を見てみるとまだ風を纏っている。


「おら!次だ次だ」

「【身体強化】!」

「ガアァァ!!」


今度は飛びついてくるようにカロルが攻撃してくるが、その前足をケイがガシッと手をつかむ。


「力比べか?」

「力には自信があるんでな!」

「全体重がかかっているが耐えられるかな!!」


体勢的にはカロルがその大きな巨体を使い上から全体重をかけている。それをしたからケイが支えているような状態だ。


「これを使ったらどうなるかな!【エンチャント】!」


すると刀ではなく竜人化している腕のほうに肘までが鱗だったのが鎧を出て、胸まで生えてきた。そして、カロルが手に風を纏っているようにケイも腕に紫色の管のようなものが二本交差して纏っていた。


「まだ奥の手があったのか!」

「じゃあお前で試させてもらうぞ」

「試すやつを間違えてるんじゃないか!」


そういうと口をパカッと開け、口から風の大きな魔力弾を撃ってくる。


「狼だろッ!?」


とっさに手を放し、横に飛びのく。弾の行く先を見ると弾は壁にあたるとはじけて直径3メートルほどに体を容易く真っ二つにできるほどの大きな斬撃が飛び交っていた。


「凶悪すぎるだろ…」

「これはよけれるかッ!」


さらにカロルは早くなった。カロルが通ったところはすべて足跡の形でひびが入っていた。ケイは後に下がりながら腕に魔力を集める。する管の中を魔力が通る感覚の次に竜人化した爪が透明だったのが紫色になり、爪の中にもよーーく見ると細かい管のようなものが何百本と見える。


「ガアアアァァァッ!!」

「おっっらあぁぁ!!」


カロルの両手の爪はケイの竜人化していない腕に深く刺さるが竜人化している方は刺さらず、カロルの胸元をえぐる。そしてカロルはそのまま退場した。


「獣化したカロルを倒し、勝利を勝ち取ったのはケイだああぁぁ!!」


獣化というのは人間からしたら絶対的な強者だった。それを人間?が倒したことに驚き、闘技場が一瞬静寂に包まれるがすぐに歓声で司会者の声さえかき消された。


この世界の情報

白狼族   フェンリルの子孫といわれており、その力は獣人の中でも飛び抜けている

フェンリル 風の女神アイレスに作られた神獣。風を纏った手を振るだけで街一つが吹き飛ぶといわれている

風の女神アイレス 神の中でも上位の女神であり、弓に長けている

神獣    神か古代人類が作り出したとされる獣。レイスタン聖王国では聖獣ともいわれる。

レイスタン聖王国 セルレイ教を国教としており、狂気的な人間至上主義を国民全員が持っている

スキル説明

獣化    ふつうは体の一部を獣のようにするだけだが鍛え上げれば本来の獣の力を使うことができる。

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