0032
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日が落ちかけているころに館に帰ってこれた。館の前に誰か立っている。
「お帰りなさいませ」
「サレムか。ああ、ただいま」
「既にお食事の準備が整っておりますので部屋に戻りましたらお食事の準備をお願いします」
「早くないか?」
「ケイ様は知らないかもしれませんが本選に出れるだけでとても名誉なことなんです」
「そうなのか」
「そうなんです。そのためシュレイム様が私には教えてくださいませんでしたがなにかをケイ様に渡すつもりなのでしょう」
「なるほど。そうゆうことか」
「はい」
「ですのですぐにお食事に呼びにいきますので」
「わかった」
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「まず予選突破おめでとう。素晴らしい予選だった」
シュレイムがグラスを片手に賛美の言葉をおくる。
「すごかったな!!」
「いいな~強そうなやつと戦えてよ~」
クリスとルカがそれぞれの感想を口にする。
「それで気になったのだが予選でなぜ姿を変えなかったのだ?」
クリスが不思議そうに聞いてくる。
「一番の理由は手札をすべて切らないためだな」
「ほかの理由は?」
「本戦で姿を変えたほうが面白そうだから」
「それは…確かにそうだな!!」
「それでだ、予選を突破した記念に私からプレゼントを贈ろう」
シュレイムがそういうとメイドの一人が長方形の箱をケイに持ってきた。
「これをやろう。開けてみてくれて構わない」
メイドが持ってきてくれた箱を開けると中には真っ黒な皮でできたひざに届くか届かないくらいの長さのブーツが入っていた。
「これは…【神眼】」
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ブラックドラゴンのブーツ
ドラゴンの皮でできているため防御力も高い。この防具には魔法がブラックドラゴンの魔石が埋め込まれており、魔石にブラックドラゴンの魔法が封印されているためドラゴンの魔法の翼を使うことができる。
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「そのブーツはブラックドラゴンというドラゴン種の中でも強力なドラゴンの魔法を封印しているため強力なのだろうが誰も使いこなせずに魔法を発動させたものがだれもいないんだ。ケイなら問題なく使えるだろう」
「【翼召喚」」
ケイの背中から服を突き破り蝙蝠の羽のような形をした鱗に覆われている両手を広げたくらいの大きさの翼が出てきた。
「ケイ……お前姿を変えたりして、だんだん人間味なくなってきてるな」
「おお!!かっこいいな!!」
「飛翔魔法ではなく翼を召喚する魔法か…食事が終わったら庭で試してみるといい」
「わかった」
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食事が終わりアウラなどもよんで庭に来ていた。
「使ってみてくれ」
「【翼召喚】」
さっきと同じように翼が出てくる。そして翼を動かすように意識すると翼がバッサバッサと動き草を吹き飛ばす。もっと強くするとルカやアウラたちの髪が揺れ始めさらに強くすると目を開けていられないくらいの風になった瞬間体が浮き上がり猛スピードで上空に飛んで行った。
「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
「「「「「……」」」」」
「星になったな」
「あれ生きてると思いますか?」
「すごいスピードが出たな」
「おお!なんかすげぇ!!」
「あれ帰ってきたんじゃないか?」
上空に猛スピードで落下してきてる物体が見える。
「あれ落下死しません?」
「い、いや~大丈夫だろ~」
ものすごい音で一切止まることなく落ちてくる。
「ま、まずくないか?」
「そ、そうですね…【氷の壁】」
「じゃあ私も【炎の盾】」
アウラが大きな氷の壁を立て、さらにクリスが盾を10枚ほど出すすると上空にいたケイが右にそれた。そして地面の直前で翼を広げてぎりぎりで止まった。
「お前らなんでいきなり魔法発動してんだ!特にクリス!焼け死ぬだろ」
「お前な、上空から猛スピードで落ちてくるんだぞ?普通よけるか魔法を発動して身を守るだろ」
「た、たしかに」
「そうゆうことだ。で、うまく飛べたのか?」
「ああ、税所はあせったがこの通り問題なく使いこなせる」
ケイは翼を使い、体を一回転させそう言う。
「それなら大丈夫そうだな。翼を試合で使うのが楽しみだ!」
「そうだな。けど、もう少しだけ練習しないとな」
明日は休みなので夜中まで練習して寝た。