0021
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「まじかよ。あいつギルマスとやりあうらしいぞ」
「おいおいおい!あいつ明日からギルドこなくなるぞ!」
「今回は全身骨折か精神病むか賭けようぜ」
「お、いいな」
「かわいそうにな」
「ギルマスに目をつけられたのが悪かったな」
「ケイがんばれよ~!」
野次馬たちがさっきからとんでもなく物騒なことを言ってる気がするが気のせいだろう。
「さて、はじめるとするか!」
クリスはさっきとは違い、広場ののときの真っ赤な装備にかわっており、背中にはクリスと同じ大きさの大剣を背負っている。
「模擬戦なのに刃つきのでやるのか?」
「そっちのほうが実戦に近くいいだろう?」
いや、模擬戦……
「わ、わかりました」
「それでははじめようか。ああそれと私を殺すきでこい」
「え?」
「そうではないとお前は……勝てんからなッッ!!」
クリスがユラっとゆれたかと思うと当然目の前に大剣を俺に向かい横薙ぎしようとしているクリスがあらわれたようにみえた。
「つッ!?」
[ガキンッッッ]
「ほう。今のに反応し、その細い剣で私の剣を防ぐか」
「ッぶねーな!!使ってやるよ!【毒の場所】!」
ケイの周囲に紫の気体が充満する。
「ゲホッなんだこれは……」
「どうやら毒の威力も魔力量により変わるようだな!【闇の手】」
すると、クリスが俺から離れ、下がっていったがそれを手が追いかける。だが――
「【エンチャント】!【火炎剣】!」
突如クリスの持つ大剣が燃え盛り、手を次々と切る。しかし、その間にケイは近づき切りつけようとする。
「しッ――」
「【炎の盾】!!」
しかし片手に生み出された新たな盾により防がれる。しかもどうやらその盾は超高熱のようで、近くにいるだけで手が焼けそうだ。そのため俺もいったん下がり間を取る。
「まさかここまでやるとはな。これだけでも十分善戦をしたが私がまだ満足できんのでな。まだ付き合ってもらおうか」
「俺はもう嫌になってきたんだけどな~」
「そういうな。ああ、それと私はもともと魔術師を目指していてな。魔力量には自信があるんだ。毒もなかなかつよいのでな。早めに決めさせてもらおうか」
「俺はまだまだ続ける気だけどな」
「これを見てもそういえるかな!【飛炎剣】ッ!」
クリスの頭上に数十の炎の剣が生まれ、その一つ一つがとんでもない量の魔力を帯びている。
「さあ、どれくらい耐えられるかな」
すると全ての剣が俺に向かって発射され発射されたそばから炎の剣が生み出されていく。
「まずいなッ!」
紙一重でよけているがあたった地面は剣が当たったところが爆ぜている。
「あんまり魔力を使いたくはなかったがしかたがないか【闇の反射】」
渦がケイの目の前に出現し、剣を次々に吸い込んでいき、吸い込んだそばから威力を上げクリスに打ち返す。さすがにクリスもこれには驚き一瞬目を見開くがすぐに対応してくる。
「【炎の盾】」
盾をいくつも出現させ、威力を上げた闇の剣を次々に防いでいく。このままでは魔力が切れてしまい、動けなくなる。クリスはまったく魔力が切れる様子もなく剣を打ち込んでくる。
「溜めるしかないか…」
するとケイはクリスに打ち返すのを止め渦の中で剣を統合させるように意識する。しかし毒に渦さらに別のことに対しても意識を向けようとすると他のことがおろそかになってしまうため渦の数も減っていき腕や足にかすっていく。
そして、ついに渦がすべて消え、毒も完全になくなった。
「よく耐えたほうだが、これでしまいだ!」
剣が勢いよく無防備なケイに向かって発射される。
「俺が負けだと……?俺は冗談が嫌いでね。【エンチャント】抜刀。【千切り】」
するとケイの腕がとんでもない勢いで動き。剣をすべて切り落とす。
「なにッ!?」
「魔力をすべてこれにかけていたからな。完成したから他のものにも魔力が回せるってことよ。これが完成したから俺の勝ちだけどな」
ケイの頭上に先ほどのクリスと同じように刀が現れる。しかし違うのはまず、大きさ。大きさは約3メートルあり、色は紫と黒で、百人見たら全員呪われていると答えるような見た目をしているものが5個もある。
「これは……」
クリスが驚きで目を見開いている間にケイは自分の持っている刀を振り下ろす。
「【呪刀】」
それと同じように頭上にある刀もクリスに向かって振り下ろされる。
「ッッ【炎の盾】ッッッ!!」
クリスは盾を生み出すが、次々と切り裂いていき、クリスの頭に届こうとする。が――
「二人とも何をしてるんですかッ!?」
ルイナが乱入してきた。
「ケイさんもギルマスも熱くなりすぎです!」
「す、すまない……」
「俺もやりすぎたすまなかった」
そういいながらクリスに手を差し出し立たせてやる。
「ああ、すまないな。それとこの勝負はケイの勝ちだろう」
「そうだな」
「あと、今後はぜひとも模擬戦をしてくれないか!?」
「あ、ああわかった」
「おい!?すげーなあいつ!勝ちやがったぞ!!」
「あの黒衣銅級なんだとよ」
「は?まじかよ!」
「あの火力。ぜひともうちのパーティにほしいな…」
「早く勧誘しようぜ!!」
なんともめんどくさそうなことになってしまった。
「ふふふこれから大変そうだな」
「笑い事じゃねーよ!!」
スキル説明
火炎剣 剣に火をまとわせ火力を上げる魔法
炎の盾 防御力が高く超高温のため普通は攻撃すると剣が溶ける
飛炎剣 炎の剣を飛ばす魔法
千切り 前方を切るスキルで魔法も切れる
呪刀 渦の中で魔力を溜め統合させて作り上げた魔法で攻撃力がとんでもなく高い。