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今日も俺はギルドにきていた。いつもより出るのが遅くなったのは、ルカがベットにしがみつき、まったくおきなかったためだ。
「ルカ早く行くぞ」
「ふあぁぁ~わかったよ」
ギルドに入るとこちらに向かって手招きをしているルイナが見える。
「ルイナどうしたんだ」
「ケイさん。そのルカさんのことについてギルドマスターから話があるそうなので応接室にきてくれませんか?」
「ルカについて?…ああいいぞ」
するとルイナがほっとしたような顔をしする。
「では少し待っていてください」
「わかった」
ルイナが奥の部屋に入っていき、しばらく待つと再びルイナがでてきた。
「確認は取れましたから私についてきてください」
「ああ」
今までギルドの職員しか通っておらず職員用の階段かと思っていたところを通る。後ろからもざわざわっと冒険者の声も聞こえる。俺とルカは階段を上がり、3つ目くらいの部屋の前で立ち止まりルイナがコンコンと扉をたたく。
「ギルドマスター。ケイさんを連れてきました」
「わかった入れ」
中の人にそういわれるとルイナは扉を開け中に入り、俺もそれにつづく。中にいたのは大規模依頼のときに冒険者たちを鼓舞していたギルドマスターだった。
「座ってくれてかまわないぞ」
「は、はい。おいルカも座れ」
「わあったよ」
「ではギルドマスター。私はこれで」
「ああ。仕事に戻ってくれ」
ルイナはギルドマスターに会釈し、出て行った。
「さて、まずは間違っていることもないだろうが君がケイでいいんだね?」
ギルドマスターが笑みを浮かべながら聞いてくる。面倒ごとのにおいがとんでもないくらいプンプンするので全力で違いますといいたいがそうもいかないのだろう。
「そうですね」
そういうととっても満足そうにギルドマスターはうなずく。
「そうかそうか。私はこの都市のギルドマスターをしているクリスだ。よろしくたのむ」
「よろしくお願いします」
「ふふふ無理してまで敬語を使う必要はないんだぞ」
どうやら俺が敬語が苦手なのはばれていたようだ。
「そうか。じゃあやめさせてもらおう」
「そうだな。それでだ。私が君を呼んだのはさっきから君の隣であくびをしているルカとやらについて聞きたいんだが」
自分の名前を呼ばれたルカはきょとんとした顔をしていた。
「こいつがオークキングなのかについてだろ?」
「そうだな」
「うそ偽りなくこいつはオークキングだな」
「だろうな」
「それをききたかったのか?」
「いや、そこではなくて契約と言うものは大体が魔物を瀕死にしてから行われるものだ。まぁ稀に助けたためなんてこともあるが、魔素の森にはオークキング以上の強者はいなかった。ということは最近冒険者登録をした銅級冒険者がオークキングを倒したのか?とてもじゃないが普通ではない」
「おいケイ!お前銅級だったのか!」
クリスの話を聞き、ルカも聞いてくる。
「俺は確かに銅級だな」
「お前銅級があんなにつえーはずねえだろ!!」
「ほう、どうゆうことか話してくれるかな?」
「おう!いいぜ!」
ルカが俺との戦闘について楽しそうに話し始め、クリスも話が続くにつれてとても楽しそうにその話を聞いている。
話が終わったのだろうか。クリスがこちらを向きこういってくる。
「私と模擬試合をしようじゃないか。私と善戦をしたらランクをギルドマスターの権限により特例で上げようじゃないか!さっそく訓戦場に行こうか!」
「いや、あの、ちょ」
「さあ!!」
「おい!ルカ助けろ!」
だがルカは見向きもせずに机の上の菓子をバクバク食べていた。
「ルカぁぁぁ!!」