0018
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ケイが爆音のなったほうに行くと、冒険者と、冒険者の目の前にいるオークは、他のオークより数段まし程度の服を着てマントをつけている。だが、この程度なら驚くことではない。驚くところはその体の大きさ。見ただけでわかるような筋肉が膨れ上がった腕や足。他のオークと違い体が引き締まっており、その服の中に鎧も着ていて先ほどのオークと違い、大きな大剣ではなく、身の丈にあった剣(ただし大きさが約3メートルあるので剣も約1メートル)を持っている。肌の色や耳以外はとても大きな人間にしか見えない。冒険者はまだ誰も死んでおらず、オークの横の木がなぎ倒されており、お互いににらみ合っていた。
「さて、あのオークが王級なんだろうがステータスはどれくらいだ。【神眼】」
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種族 オークキング
年齢 4年6ヶ月
レベル23
ジョブ 王族
ジョブ履歴
戦士
体力 600
攻撃力 200
知識 70
MP 120
物理耐性 115
魔法耐性 115
パッシブスキル
人語理解Lv10
怪力Lv10
物理ダメージ軽減Lv4
スキル
風魔法Lv4
念話Lv5
剣術Lv7
威嚇Lv2
ユニークスキル
人化Lv3
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「いける!!」
「【身体強化】」
今まで硬直状態だったのがケイが素早くオークキングに近づくことで一気に崩れた。オークキングはケイが近づいてくるのを捕らえ、冒険者は数名を除いて急なことに反応できずに動けていない。冒険者たちの事を残し、ケイはオークキングに向かって走っていく。
「抜刀」
ケイは抜刀するとオークに向かい横薙ぎに切ろうとしたが、オークキングはその巨体に似合わないすばやい動きで上に跳ぶ。その姿はまさに岩が跳んだようなものだ。ケイは切るほうを上に向け、上に切ろうとしたが、オークキングのその巨体が向かってきていた。
「つッ――」
[ドゴンッッ]
「おいおい、着地だけでそれかよ……」
オークキングの体重が落ちてくるときにさらに重くなり地面が陥没した。と認識した瞬間にオークキングが剣を片手にケイに向かってとんできた。だがケイは棒立ちだ。
「おい!よけねえと死ぬぞ!」
冒険者からもそういわれるがケイはまったくその場から動こうとしない。
「試してみるか……」
オークキングは剣を振り上げケイに向かって振り下ろす。それにたいしケイは刀を斜めに構える。そうすることにより。
「!?」
「なにッ!?」
オークキングが振り下ろした剣がケイの刀を流れるように落ちた。通常ならば勢いに乗った体重と力強さにより、受け止めたとしても吹き飛ばされるか両腕が折れるかはしていたはずだ。なのにその両者にもならずオークキングの剣が地面に刺さったためにオークキングも冒険者も自分の知りえない常識に驚いた。
ケイはそんなことも知らずにオークキングに攻撃する。オークキングが体制を崩している間に、刀をオークキングの首に向ける。獲ったと思ったがオークキングが腕で首を守り、すぐに逆の手で剣をとり飛びのく。
『こちらも本気でいかせてもらおうかッ!強き人間よ!!【人化】』
「は?」
突然のことに間抜けな声が出た。突然オークキングが人間のような、いや、人間になった。
「いや、ちょっとまてよ!?」
そういうがオークキングは人間の姿のままあの大きな剣(もはや大剣というべきな)をもち、さっきとは段違いの速さで走ってきた。今度はオークキングも受け流されないように足元を狙い攻撃してきた。ケイは後ろに飛びのきよけるが剣風とでもいうべきものがゴォォォとおきた。
次にオークキングはその場から動かず、剣を空に向かってとてつもない速さで切りつけながらこういった。
『【斬】』
すると突然ケイに向かって緑色の刃が飛んできた。
「これはッ!?」
だが今とったオークキングの行動は悪手としか言いようがない。最初は突然のことに驚いていたケイだがしばらくたつと意味がない。
「【闇の反射】!」
ケイのの目の前にいくつもの黒い渦が現れ刃を吸収し、黒く染まった刃がオークキングに向かって射出されていく。
『【風歩】』
だが、オークキングは足に風を纏い空を駆けることによってよけた。
「俺もなかなかに異端だと思うんだがお前もだな」
『光栄だ』
こうしている間にもお互いに微量なる筋肉の動きによってフェイントをかけている。
「なぁオークキングよ」
『なんだ?』
「次の一撃で決めるとしないか?」
そうきくと、オークロードは凶悪そうな笑みを浮かべ
『いいだろう』
といった。
「【エンチャント】」「【エンチャント】【威嚇】」
お互いにエンチャントをかけ、ケイは姿勢を低くし、抜刀の準備をする。オークキングは威嚇を発動し、周りの冒険者を動けなくし、風歩を使いながら剣を構える。
誰かはわからないが冒険者の一人がジャリッと音を立てた。
その音がなった瞬間にお互い動き出し、オークキングは風歩を使い空を舞いながらケイにむかい、攻撃を仕掛けてくる。ケイは抜刀しオークキングの着地地点に向かい駆ける。
『【空斬】!!」「【抜刀】!!」
互いの刃が互いにダメージを与える。ケイは腕の骨が折れ、腕のいたるところから血が噴きだしている。オークキングは腹の肉がえぐられていた。
『はっはっはっ!どうやら負けちまったようだな……』
「ああ、そうだな」
『人間よ。お前えはこの大陸のどこに出のいけるのか?』
「いけるな」
『俺も連れて行ってはくれねーか?』
「は!?どうやってだよ!」
『契約してだよ。契約したら契約主の不利になることはできねーからな。契約は、俺が魔法陣を書くからお前と俺がその魔法陣の上に手をかざすだけよ。』
オークキングが仲間か~。けど、人化できるし戦力も増えるし、問題ないのか?
「よし、いいぞ」
『そうか!そうか!じゃあ始めるとしよう!!』
そういうとオークキングは地面に小さい魔法陣を書き始める。30秒ほどすると完成したようだ。
『契約陣』
オークキングそういうと魔法陣が光りだした。
『これで手をかざすと』
「わかった」
二人ともが手をかざすと二人を覆うように緑色の立体魔法陣が現れる。ボーっと立体魔法陣を見ていると、肩をたたかれた。
『おい、人間。ボーっとしてないで早くたて』
「え?お前傷は?」
『契約魔法は戦ったあとにも契約することもあるもんで回復つきなんだよ。お前の腕だって治ってんじゃねーか』
「本当だ…」
『あとそろそろ普通に喋るぞ』
「お前本当にオークか?」
「オークだが?それと契約したのに名前をしらねーのはおかしいな。お前のの名前は何だ?」
「ケイだ」
「おお、そうかケイか!よろしくな!!」
「よろしくな。で、お前の名前は?」
「ないからケイがつけろ」
「は?」
「だからお前がつけろ」
「いや、何で俺?」
「お前が契約相手だからだ」
「名前ね~名前か~」
しばらく考えた結果。
「そうだな~ルカとかでどうだ?」
「お!いいな!それでいこう!」
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オークキングの名前がルカに決定しました
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「とりあえず、町に戻るか」
「都市かー、何回かいったことはあるがよくは見てないから楽しみだな!」
といいながら固まった冒険者を残して都市に戻っていった。
スキル説明
風魔法 風を操る魔法
風歩 空中を走る魔法。飛行とは別の魔法
飛斬 斬檄を飛ばす魔法。省略かし、稀に斬などで飛ばすこともできる
人語理解 人語を理解できる
念話 言葉を使わなくても会話をすることができる
威嚇 魔法耐性が自分より低い生物に対し恐慌状態になる
空斬 風属性を剣に纏わせ鋭さを上げ攻撃する