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0111

投稿が凄まじく遅れてしまい申し訳ないです。正月で一旦落ち着いていたリアルも忙しくなってきたため、一旦不定期投稿に変更したいと思います。こういう時に活動報告で書けばいいかもと思うのですがこうした方が見る方も多いと思いますので……では111話どうぞ!


赤いライトで照らされる階段の先には鉄製の扉があり、その鉄製の扉をコンコンと賢書が叩く。すると、扉の奥から男の声が聞こえてくる。


「用事は?」

「竜の宝」


鉄の扉がきしんだ音を立てながら開かれ、黒い服を着た男に中に入れられる。中はクラシックが流れており、バーのようになっている。賢書に付いていくと、カウンター席に座りバーのオーナーのような人に話しかける。


「本日は何用で?」

「竜への宝を」

「そうでございましたか。では少しお待ちください」


簡易的な飲み物とデザートを出すと、後ろにある小さな水晶を口の前に持ってきて何かを喋る。暫くするとその水晶を元に戻し、目の前に戻ってくる。


「暫く致しますと代わりの物がここにきて案内いたしますのでお待ちください」

「分かった」


デザートや飲み物に舌鼓を打ちながら待っていると、スカーロの隣から声がかかる。


「お待たせいたしました」


オーナーがコップを拭いているのを見ていたケイは、視線を声のした方に向けると執事服を着た男が一人立っていた。賢書が声に反応して立ち上がり、それに続いてケイとスカーロも立ち上がる。


「こちらへ」


クラシックの流れる赤や黄色のお洒落な絨毯の上を歩いていくと、一つの部屋に通される。


「一体梟が賢者を連れてきて俺らみてぇな弱者に何をさせようってんだ~?」


部屋の真ん中には机と椅子が置いてあり、部屋の壁は一面本で埋まっている。そして一番特徴的なのは響破であろう男が首にかけているこの世界にはないであろう青と黒のヘッドホンだ。思わずケイは声に出しそうになるが前にバイクを見ているので声を出さなくて済んだ。執事の男は部屋を出ていき、扉が閉められる。


「流石の情報力だな響破」

「当り前だろぉ。情報は命であり金にも変われば地位にさえ変わる。ベルミュナの情報さえ管理できてなきゃ世界の情報を集めるなんて無理に決まってんだろ。で?用事は何だ?楽しくおしゃべりしに来たわけじゃないだろ?」

「赤星の情報が欲しい」

「ほぉほぉほぉ!赤星の情報が欲しいとはお目が高い。今俺が持ってる情報の中で中の上程度には高い情報だ」

「対価は?」

「そうだなぁ……おれが今欲しいのは俺が与えた情報を誰かにバラさないかどうかだ。賢者様や賢書様は今まで取引をしてきているからよぉ。一定量は信用に値するがてめぇはなぁ?」


響破の鋭い目がケイを射抜く。


「おめぇはどっかの国の秘密部隊のやつらでもなきゃ裏組織のやつらでもねぇ。それで冒険者ギルドの奴だろうと目を付けたはいいが流石に二日にも満たない時間じゃそこまでは分からなかった。でだ。てめぇは誰だ」

「あー俺は」

「ちょっと待ちたまえ!そこは私が説明しよう!」

「あ?」

「鋭い目を持った賢書と賢者が連れてきた謎の男!彼は今までにいく―」

「こいつは金級冒険者のカイだ。少し変わった能力が使える」

「それだけで信用しろってか?」

「何。裏切ることは絶対に無い。それに情報は命だろう?この程度の情報の隠蔽くらい許してくれまいか?」

「……まぁいいだろう。後々お前のことは独自に調べさせてもらう。じゃあ交渉と行こうか。お前らの求めている情報は中々のもんだ。対価は同等の情報でも金でも構わねぇ・もちろん同等かどうかを判断するのは俺だ」

「いつもどうりだね。では今回は私が持ってきた情報を君に上げようじゃないか」

「聞こう」

「私が出す情報はレイスタン聖王国の勇者についてさ。君も知っているだろ?」

「当り前だ。その情報が本当の物だったら赤星の情報程度直ぐにでも渡してやる」

「それは嬉しいね。では話そう。まぁあまり信じられもしないだろうから情報の元は私が持っている魔道具の魔力可視化と鑑定を分身に持たせて分かった物さ。まず勇者は二人いると思っていいだろうね」

「理由は?」

「その二人は常にスキルを使っている反応が出ていたのさ。もちろん他にもいたけれど全員に鑑定を使っていったら勇者のレベルがまだ低かったのが幸い視ることができた。勇者やほかの仲間達はその時近くの森で狩りを行っていたからね。やっぱり森は魔素溜りができやすいみたいだ」

「鑑定を使ったてことはスキルも分かってんだろ?」

「もちろんさ。一人目の勇者は火魔法、水魔法、封印魔法、超記憶が視えたよ。他にもスキルはあったけれど何故か三つほど視えなかった。常に発動しているのは超記憶だと判断しても問題は無いと思うよ。そしてもう一人。もう一人は超視覚、拳闘術、土魔法、視えなかったのはこちらも三つだね。二人とも視えなかった一つは何らかの神の加護だと思っていいかな」

「事実かどうかは後々調べさせるが、嘘だった場合はお前らを殺す。いいな?」

「あぁ」

「じゃあ赤星について話してやろう。もちろんお前らの期待に沿えるものだと保証もするぜ?」

「分身を範囲魔法で殺されたかいがあったよ」


スキル説明

超視覚 鷹目、夜目などの様々な目に関するスキルが統合されたスキル。珍しくはあるが、一万人に一人はいる

拳闘術 一対一を想定に作られた闘術に様々な武術を組み込んだスキル。過去の武王や拳極などと呼ばれる武術の達人は皆一様に持っていたと言われる

この世界の情報

武王 既に滅んだ国の王。拳だけで万の兵の首を刈り取った。首狩りと呼ばれることもある

拳極 詳しい場所はわかっていないが、今もどこかで生存していると言われている。有名な話は拳を地面に打ち付けると地面が割れることなく地中に居た魔物数百体を殺したという話

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