0011
「えーとこっちだっけな?」
迷った。受付の人の説明によると案外近そうだったのに…こっち曲がるんだっけな。
「うおっ、いつつ」
頭が何かに当たった感触があり、痛みが治まり目の前を見てみると俺よりでかい男が4人いた。
「おい!てめーぶつかったんだから金払えや!」
「いやいやいや、おかしいだろ」
「ほう、なるほどなるほど。じゃあちょっとついて来い」
「あ?」
「いいからついてこいっていってんだよ!」
しばらくついていくと日の光が入らない細い道に入った。
「なんでこんなとこにつれてきたんだ?」
「そんなのお前を殺して有り金全部もらうために決まってんだろ!」
「そうか。ところでここは日の光がないと思わないか?」
「お前ら殺すぞ!」
「【闇の手】」
「うお!なんだ!」
「チッ、魔法か!」
「まてまてまて、腕つぶれる……」
「ガッ、首…しま…てる…」
「ああ、加減が苦手なもんでね。すまんすまん」
にしてもこいつらどうしようか?いや、影があれば使えるから俺の影から手だけ出して、両手つかんで引っ張るか。
「よし!そうしよう!」
「お前は鬼か!」
「ありゃ?声に出てたか」
「全部出てたわ!」
「ハーイ引っ張りますよー」
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ものすっっっごい見られてる。俺の周りだけ人がいない。
「やっぱり目立つな」
「ちょっとどいてくれ!」
鎧を着た人が同じような服装の人を、数人連れて人の波をかきわけてこっちにやってきた。
「おいお前、なにをしている?」
「あ、見てわかりません?」
「俺の目からはお前が男4人を引きずりまわしているようにしか見えん」
「ま、まぁそう見えなくもないが、俺はこいつらに襲われたから放置しとくのもあれだし、連れ回していただけだ」
「なに、それは本当か!」
「本当だが」
「おい、お前らそいつらを詰め所につれていけ」
「「「「はい」」」」
すると鎧を着た男たちが襲ってきたやつらを縛り上げてどこかに連れて行ってしまった。
「お前も災難だったなえ~と」
「ケイだ」
「ケイか。あいつらはこういうことをしているという情報はあったがいかんせん証拠がなかったもんでな。なかなか捕縛できていなかったんだ。助かったケイ」
「いや、俺は襲ってきたから返り討ちにしただけだしな」
「ほう、あいつらは全員一応銀級だったのによくやったな。冒険者ランクはなんなんだ?」
「銅級だ」
「なに!本当か!?」
「もちろんだとも」
「じゃあ俺は将来有望なやつにこえをかけたんだな!」
本当は闇の手で捕縛しかしてないなんていえない…
「ああ、お前にだけ自己紹介をさせて俺が自己紹介をしていなかったな。俺はこの都市の警備隊長のショーンだよろしくな」
「ああ、よろしく」
「では俺はこの後も仕事があるからな。仕事に戻らせてもらうよ」
「じゃあな」
「お前も早く銀級に上がるんだな!」
といいながら人ごみの中に消えていった。そして周りにいた人も散っていった。
「はぁ、鍛冶屋に行くだけでどんだけ時間かかるんだよ」