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ついに百話に行きましたー!!まさかここまで書くと思っていなかったので作者もビックリです。今度とも魔の神に気に入られし者をよろしくお願いします!


神域


「はぁ……」


セルレイは何度目かわからないため息をつく。つくづく思うが、地界に住む生物達が思うように我も全知全能でありたかった。


「神としては酷いことだ」


人間で言う同じ年に自分の信者を制御できずに一度犯した過ちを起こさせ、魔王を二千年も討伐できていない。今回の勇者は確かに強く、現在の魔王を倒せる潜在能力もあるだろう。しかしこの世界はステータスが全てではない。我の知っている限り上の世界に行けば行くほど技術や経験が必要となる。そう簡単に勝てる相手でもない。

それに対してケイというあの人間。潜在能力が勇者以上にあり、完全にラヒネに気に入られている。勇者に聖魔法を与えたのだが、ケイと比べてしまうとどうしても見劣りしてしまう。



……こうなってしまったのも我の管理不足…仕方がない……。



元々この世界、アッテラに知的生命体が生まれたのは八千万年ほど前である。が、人間にはほど遠い生物が生まれては滅びを繰り返すこと四千万年。人間の近縁種が生まれ、そこから獣が獣人に進化を遂げた。そしてそれから二千万年。科学技術が進歩し、どんな小国であれ部屋にあるボタン一つで宇宙にワープし、惑星を破壊できるほどの科学技術を手に入れた。

セルレイ達はそのころは化学が発展する世界を作ろうとこの世界を作り、全く地界には干渉していなかった。セルレイ達神は予定通りに世界が発展していくのをデータとして管理しながら、その世界が滅びないように酸素や海の水の量を調整していた。しかしここで異常が発生した。別の銀河を管理している神がこのアッテラに侵入した。

その惑星の生物や物質は直ぐにアッテラに広がり、世界の半分以上を飲み込んだ。世界の人口の半分以上の人や獣人は別の銀河の友好関係を築いていた惑星に分散して移住した。そしてアッテラに住む人民達は、最後に自分たちごと惑星を破壊しようとしたが、そこで希望が生まれる。


新たな赤ちゃんが生まれたそうだ。この状況下で子供を産むのもどうかと思うが、少なくともこの夫婦を責める人はだれ一人としていなかった。その子供は一歳で喋り、一人で立った。周りの大人より何倍も賢く、褒める言葉は天才、麒麟児、神童、この世に言葉では言い表せないほどに彼はとてつもない能力を持っていた。それの一つが、魔法だろう。

そして彼が生まれると、次に生まれてくる子供達はステータスという物が見え、魔法が使えることが分かった。そしてこの状況ではその子供を産んで育てた親は救世主の親となる。そこからは簡単だ。彼が人間や獣人を纏め、国を築き、守護している間に年間の出産率は増えていくばかり。

そして彼が四十にもなるころには、世界の半分を彼一人で奪い返し、彼の国の軍隊には魔物を扱う人間や超人的な身体能力を持つ獣人が何万と居た。そして彼は魔王を討伐し、世界に一時の平和をもたらした。しかし彼が生まれるまでに失われた物は多く、かつての科学技術は失われた。そして更に五百万年が立つと、勇者を魔法で異界から呼び出していた。


セルレイ達神は彼ら異界人に加護や能力を与え、少しでもアッテラで生き残れるようにした。それと同時にワールドメモリーを作った。しかし、勇者の数は次第に増えていき、異界から一億という頭を抱えたくなるほどの数を召喚していた。そのたびに異界の生物達の記憶を消していたが、アッテラで勇者を抱えた国と勇者が作り上げた国とで戦争がはじまり、百年が立った。

その間に魔王や魔族が侵入してくることはなかったが、その戦いによって大陸の半分以上が完全に焦土と化した。流石にセルレイも破壊神を呼び、時間魔法で銀河自体の時の流れを止め、一気に生物だけを殺した。そして次に創造神によってセルレイが記録していた様々なデータを読み取り微生物や建物、スキルと一瞬で何事もなかったかのように創造された。

ここで魔法が生まれる前の世界を創造してもらうこともできたのだが、もう一度他の神が侵入してきた場合同じことになるために魔法がある世界になった。


そしてそこから更に二百万年が立つと、再び神が侵入してきた。今度は神域にも侵入し、神と神で戦っている間にアッテラの一つの大陸は完全に魔王五名に制圧され、もう一つの大陸では一人の魔王を何とか討伐したような状態になっていた。

更に三百万年が立つと勇者が定期的に召喚され、魔王が定期的に殺されるというシステムのような物ができた。現在は魔大陸と呼ばれている大陸から何故か五人の魔王が攻めてくることはなく、その状態を維持したまま現大陸の生命が生まれては滅ぶを繰り返すこと千万年。現在。


思えば一回目の侵入を完全に防ぐべきであった。二回目は銀河の空間に綻びが生じ、時間を稼ぐことしかできなかったとはいえ神域への侵入は防ぐべきであった。


地界の生物からすれば悠久の時を生きているセルレイには地界に生きている生物よりも後悔することが山ほどある。


神に縋るのは悪いことではない。神に縋らないのも悪いことではない。


しかし何事においても惑星の歴史が語るように行き過ぎれば身を亡ぼすことになる。




「セルレイ様」


セルレイを思考の世界から呼び戻すようにドューアに声を掛けられる。


「どうしたのだ」


セルレイにとって今の思考も刹那の時間。いつも通りの作業を後悔と緊張感と共に行う。





もう二度とあのような事が起こらないように。


一日遅れてしまったので明日も投稿しまーす。

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