どこへ行っても結局最弱
二十歳になっても面白くない人生なら死のう。
そう考え始めたのは確か、高校二年の時だったか、詳しくは覚えてないけど確かそのくらいだった。
些細な事からいじめられてそれが原因で太ってまたいじめられての繰り返しで、気がついたら不登校になっていた。
そのまま高校を中退して親の金を使ってニートになって三年くらい経った。
家はそんなに裕福と言うわけでも無くて親も相当苦労したと思う。
それでも俺を見捨てなかったのはまだ俺が立ち直れると信じてくれていたんだと思う。
そんな両親には申し訳ないが二十歳の誕生日を迎える今日、俺は自殺するつもりだ。
時間は深夜両親が寝てから、場所はこの辺でも有名な心霊スポットでだ。
そもそも俺は幽霊なんて信じちゃいないが、もし幽霊になれるのなら化けて出て俺をいじめて来た連中を呪ってやる。
着々と準備を進めて時計を見る。
そろそろか、俺は家を出る前に鏡を見た。
そこに写るのは醜く太った自分の顔、俺は一体どこで間違えたんだろう。
今更考えても遅いのだがどうしてもそう考えてしまう。
でもそんな悩みも今日でサヨナラだ。
生きることに絶望して、死ぬことに希望を持つ。
自分でも狂ってると思うが、そうしたのはこの世界だ。
神様だって呪ってやる。
死後に会えるなら直訴してやろうと思う。
玄関で振り返り、両親が起きないように小声で呟く。
「父さん、母さん、行ってきます、今まで迷惑かけてすいませんでした、さようなら」
言い終わるとドアを開け、三年ぶりに外に出た。