濁った血:中
連続投稿です。
10/16 修正
何があったんだろう。辺りを見回し、僕は居間だった場所から少し離れている気がした。
「母さん!」
倒れている母さんを見つけ立ち上がり近づいた。
「母さん!!」
気を失っているだけで、外傷は擦り傷くらいだった。
家がこんなことになってるのに僕たちが無事で不思議だったが助かった…よかっ…た?
「お、さっすがー。妖術の精度高っけ〜」
僕の大嫌いなチャラチャラした軽いノリの喋り方をする白い人が降ってきた。
「え…」
僕には空から降ってきたようにしか見えなかった。その白い人は僕と母さんの状況なんぞ関係なしに喋っている。
「お褒めに預かり、光栄です。若」
「かてぇーよ、もう少し気軽に喋ってくれね?」
「先ほどから、それは申し上げている通り無理です」
「あー、さいですかー。お、しっかり生きてるね。あれ」
「それで、若、これをどうするのですか?」
「いやー嬲って殺そうかなぁ〜とねぇ…」
「左様ですか」
「こういうの嫌いだったよなぁ〜。ま、俺には逆らえないもんなぁ?」
なんだろう、なんでこんなことになってるんだろう。
こんな状況に談笑してるこいつらはなんなんだろう…。
何を言っているのか、上手く聞こえない。けど、殺すとか聞こえた気がした。
混乱して、上手く頭が回らない。
「母さ…ん、を」
怖さで震えながら母さんを助けてもらうよう懇願し、それに気がついて近くに寄ってきた。
「おぉー、弱ってる弱ってる。こんなんでボロボロになるのかー」
「若、それは普通の人間です。脆いのですよ」
軽薄そうな男は白い髪に紫のパーカーとダメージジーンズのようなボロボロのズボンを履いている。
その男に諭すような口調で喋る男は上から下まで真っ黒なスラッとしたスーツを着ている。
「おいおいー、それじゃぁー俺たちが普通じゃないみたいじゃんー。こいつらが弱いだけだろぉ〜」
「そうですか」
「けっ、話し相手にもなんねーの。よくそれで妻子持ちだな」
僕たちに気づいていないんじゃないかと思うほどに、こちらのことを見ない。
「たす…「うるせぇな、黙ってろ」ーーーぐっ…」
僕は軽薄そうな男に蹴られていた。蹴られたことに気づいたのは地面に転がってからだった…。
「なー、これがアレなのか?」
「いえ、情報によると女のはずです」
「はぁ?でも、ここにはこれとそれしかいねーじゃん。反応があったんじゃねーのかよ!」
「若、落ち着いてください。確かに妖気の反応があったと報告があります」
「じゃーなんでだよって聞いてんだよ!」
「…おそらく逃げたのでは?」
「はぁー?無駄足かよ」
「それよりも、若こいつらをどうするのですか?」
「あー、ま。憂さ晴らしに遊ぶか」
「そうですか。では、後ほど。」
「へいへい」
僕の近くまで来た、軽薄そうな男は
「あれ、お前の母親?じゃーあっちからだな〜」
「…へっ?」
なんのことかわからない。ただあの男は母さんの目の前まで行った。
「なぁ〜、目の前で母親が嬲り殺されるの見てどんな気持ちになるか教えてよ?」
と、言って笑いながら母さんの顔を踏んだ。
「ゔぅ…きょ…う…」
痛みで目が覚めた母さんは起きるなり僕の事を呼んだ。
「母さん!!」
「いいね!!ハハハー、それそれその寸劇見たかったんだよ〜」
「やめろぉ!!!」
重い体を引きづり、走った。
「はいー、残念〜」
軽く撫でるような動作で僕は2、3メートル後方に吹き飛ばされた。
「響…!この人は狐塚の…、人間よ!逃げて!!!」
「へぇー、知ってるってこたぁー。案外、無駄足じゃなかったってことかぁ〜」
今度は母さんの体を蹴り上げた。
「かぁ…さん…」
食いしばって体を起こそうとしても上手く力が入らない。
「んで、どこまで知ってるんだババァ?」
「ゲホっ、オエェ…ゔぅ、あ、な、たに…は、話す…ことは…何もなぐぅっ!!」
「そういうのいいわ」
「響!!!逃げな!!!さい!!!!!!!!!!」
母さんは僕に向かって叫んだあと、男にしがみついた。
「あ?キモいわ。あと服汚れたし、死ねよ」
そういった瞬間、母さんの体が倒れた。
「母…さん?」
あの男は母さんの髪を引っ張っていたはずなのに。
「あ、これあげるわ〜」
男が持っていたものをこちらに投げ僕の見間違えじゃなかった。
「ハハハ!ハハハハハハハハ ハー ハハ 、ハー !」
近くで聞こえていた。あの男の笑い声が聞こえるはずなのに、理解できなくなった。
鼻や目、耳から血が流れ、残った血が地面に伸びていく。
「え…あ、ッーーーーーーーーーーーーー!!」
さっきまで一緒に喋ってたのに。なんで?
僕は首だけの母さんを見て、母さんが死んだと理解した。
グダグダですみません。




