濁った血:上
展開が遅くてすみません
10/16 修正
「響…、まずはあなたのお父さんのことよ」
「父さん…の話?」
僕は母さんからは事故で死んだと聞かされていた、父さんの話か…。
「お父さん…狐塚 博善はね」
初めて父さんの名前をここで聞いた。今まで何も話してくれなかったのに。
母さんは、じっと僕の様子を窺いながら話をし始めた。
「狐塚って一族、本家の長男だったの。
あの家は昔から術師の名家で血を薄めることを禁忌としていたわ」
「え…」
「響が思ってる通りよ。だから、私たちはあなたを産んで駆け落ちしたの」
「…」
まさか、自分がドラマのような出来事で生まれたなんて、って自嘲を込め僕は苦笑いをした。
「ここからが本当に話したいことなの」
まだあるのか…、と、恋愛小説でも読んでる気分になってきた。
「あの一族はね、他者の血が混じったものを殺そうとするの。そして、その両親もね…」
「え?!」
「落ち着きなさい。今は大丈夫だから…お父さんのおかげでね」
話についていけなくなってきた上に、殺されるかもしれない?母さんは冗談を言ってる雰囲気じゃない。
でも、冗談にしか思えない。
「響には、お父さんは事故で死んだって話したけど。本当はね、あの一族に殺されてるの」
「待って!理解が追いついてないから!ちょっと待って!!」
「…ふぅー…ごめんね、少し休憩しましょか。お茶を入れるわね」
「温めでー」
「はいはい」
僕は猫舌なので熱いお茶は飲めない。
お茶を飲んで、さっきの話を思い出し整理していく。
「母さん、さっきの話って冗談でもなんでもないんだよね?」
「そうよ」
「…わかった。話の続き聞かせて」
「もういいの?」
「うん」
「お父さんが一族の人に殺されたって話しからね」
「うん」
「そうね…ここから、狐塚の話しをしましょうか。狐塚はね、大昔から術師の名家なの」
「そうなんだ」
それで宗教団体でもやってる怪しい一族なのかな?それだったら、
父さんが殺されたのはなんとか納得できないでもない…。
「今でも術師として存在してるの」
「え?陰陽師とかあの辺りの胡散臭いやつでしょ?」
「いいえ、本物よ」
「はい???」
今度こそダメだそれはない。そう思い呆れた顔で母さんを見ると真剣な顔で僕を見据えた。
「本当のことで、本物の術者よ」
「…そう、な、んだね…」
納得はいかない。でも、母さんのこんな顔は見たことがない。信じるしかないのかな…?
「でもね、術師と言われいるのは他の人たちから。あの一族は妖術を使うの」
…ようじゅつ?…妖術か…
「聞いてるの?だから、あの狐塚の家は他者を受け入れない。狐憑きだから。でね、11〜16歳の間に妖力が扱えるようになるの。あの家ではそれを成人としいるわ。そして、響にもその血は流れてるの。」
「…僕は今まで何も起きてないよ?」
「それはね、お父さんがあなたの力を封印してるの。妖力を抑えて、見た目も変えて、私たちが殺されないように。でも、その髪の色だけは変えられなかったみたいでね」
「僕の見た目?…え、じゃぁ僕は今まで見てた僕は本当の僕の姿じゃないってこと?!!!」
僕は…親に存在を全否定されている気分で、泣きそうになりながら叫んだ。
「ごめんなさい。でもまだ聞いて話しはまだ終わってないの」
母さんは今まで僕に見せることのなかった辛そうで泣きそうな顔した。
「まだ何があるんだよ!!」
僕は泣きそうな母さんの顔を見て足元がふわふわしているような不快さを感じ、さらに叫んだ。
「……………あのね、響、あなたは…」
遠くから飛行機のような音が聞こえ、何かが砕ける音とともにガラスが割れ、家が半壊した。




