悪夢と男の涙
お久しぶりです。エタりはしないよ!
「はぁ…疲れた…」
あれから朱莉さんが選んだ”普通の”寝間着に着替えで案内された自室に戻ってきた僕はベッドへそのまま倒れた。
お風呂では、涼介の幼稚園以前の話しや子供の頃特有の他人に知られたらいけない話しなどをしあった。
お風呂に連れて行かれるのを見捨てた報復に涼介が誰にも言わないでくれと土下座されたもの10選の中の3つを話した。
「…眠くなってきたな」
一仁さんとの1戦の疲れがかなり表に出てきた…。
倒れ込んた状態で響は眠る。
口に含むのは生暖かな柔らかなで芯が硬い固形のもの、そこから垂れる温かい液体…?
耳に入るのは壊れかけの笛のような音に硬いものを折る音、さらに大量の液体が流れる音…?
ボーッとする意識が段々とハッキリしてくると鼻から鉄のような臭いが広がっているのがわかる。
辺りを見回そうと動くと、前足で何かを踏みつけた。
「た…すけ」
邪魔だったので、咥えて放り投げた。
とても良い香りがものが近づいてきている。
そちらを見ると、1人の青年が刀をこちらに向けて走ってきている。
青年から発せられる言の葉は怨嗟。
とても美味しそうな青年を私は頂いた。
ベッドから起きると僕はトイレに向かい吐いた。
夢の内容は曖昧になっているものの、五感で感じたことはそのまま残っている。
吐き切ってから自室に戻ると水が入ったコップが1つテーブルに置かれていた。
使用人の誰かだろうか?それを飲み一息入れる。
「朝の4時…かー」
寝直す時間とは言い難い。
「さて!グラウンド以上の広さの庭だし気分転換に走ろう!!」
今朝の夢を振り払うようにクローゼットにあったジャージ(なぜがサイズぴったり)へと着替え外に出た。
外にでると涼介がいた。
「おはよう、何やってるの?ランニング?」
「おう、今から走りに行こうと思ってな。響はどうした?」
珍しいな、涼介がランニングとか。
「僕も走りに行こうかと思って」
「それより、涼介ってトレーニングとかダルいって言ってなかったっけ?」
僕は思った疑問をそのままぶつけた。
「あー…まぁ、なんとなく体力つけようと思ってな」
「へぇー、珍しい。涼介、好きな子でもできた?」
あまりにも珍しいことだったので、カマをかけてみた。
「…ないぞ、それはない。付き合ったことはあっても本気で好きになった人がいない現状で
それはないと言い切れるはず。であって、そもそも「はいはいはい、落ち着こうか涼介」……おう…」
どうやら、当たりだったようだ。
涼介から好きになった相手は今まで聞いたことがないのでここはしっかり応援しよう。
響がそう心に誓っているころ。
やばいぞ俺!バレた?バレたのか?バレちまった?てか、響可愛い。ジャージ姿めっちゃ可愛い。
それよりもだ、バレたのか?バレてないのか?聞いてこないぞ。
ここは一世一代の告白を…駄目だ早まるなそれは確実に「いい友エンド」だ。ここはまだだ、まだ響が
自分が女だという認識が薄い状態では確実に無理だ!落ち着こう。そうだ落ち着こう。
「涼介ーで、誰なの好きな人?」
「あー…いねーよ(おめーだよ、ちくしょー)」
「いやいや、いるでしょそれ。涼介の方から好きになるのって保母さん以来だねー」
「そのネタ、もうやめろって誰かは必ず通る道だから…やめてくれ…」
「まぁまぁ、それよりも!涼介の恋は僕が全力で応援するから相談しろよー」
「いねーって…(…応援って…応援って…)」
「あ、やべ目にゴミが入った…」
涙が止まらんぞ、もう部屋戻ろう…。
「すまん、俺ちょっと目、洗ってくるわ」
「大丈夫か?」
そう言いながら俺の目を覗こうとするのでおもいっきり後退した。
「近いわ!お前…女になってるんだから自覚してくれよ」
「…ごめん」
しょんぼりしてるのも可愛いからやめてくれ!心が!そして、涙が!
「いや、気をつけろってことだって。んじゃ、俺は目を洗ってくるわ。走るなら走ってこいよ」
「そうか?…わかった。いってきます」
部屋へ帰ろう。
朝からここまでメンタルがゴリゴリ行くとは思わなかった。
もう寝よう、寝て忘れよう、泣き寝入りするわ。
枕濡らしてやるよ。
早起きなんてなんの特にもなんねーよ。
寝よう。
「おやすみ」
夢には続きがありますが、これはまたいつか。
この次から、朱莉さんの授業開始ですね。
それと、このヘタレはこれよりヘタることはない!!多分。




