継ぐ
これで1章は終わりです。
お読みいただきありがとうございました!
2丁の銃を手に今、僕が感覚でわかっているのは、1丁ずつに7発装填で弾倉と弾は妖力で生成しリロードは手動だということ。さらに、弾の種類は自分の意志である程度変更可能ということだった。
…今装填されている弾は一般的な45口径弾だ。
それを迷いもせず、一仁さんの頭に1発打ち込む。
バン!爆竹にも似たともに発生する反動を利用し、少し後退する。
期待していなかった通り一仁さんは何事もない。
しかし、避ける動作をするのではないかと予想していたのだが刀で弾を切ったのはもうね…。
「雷◯かな…?」
うわー、リアル◯電…これ目の前でやられたら恐怖でしかないね。
アレ絶対、高周波なブレードだね。
と、現実逃避してたら一仁さんに間合いを詰められた。
「全力でくるんじゃなかったのか?」
期待はしていないが…一先、残りの弾数をすべて叩きこむことにした。
交互に連射するとともに、連発し反響を繰り返す轟音と薬莢が飛び散る。
が、すべての弾丸は一仁さんの目の前で複数に割れ威力を失う。
球を撃ちきることを待っていた一仁さんから右上段から左へ振り下ろされる。
「っ!!」
すごく単純な動作だ。でも、予備動作無しに振り下ろされる速度が異常に速い。
避ける際に遅れた髪が数本舞う中に時文の髪の色が黒いことに気付く。
…呪い。僕はマフラーを口を隠すように上げる。
1つ閃いた作戦にかけてみよう…
火を付与、弾倉を再構築。
「リロード…」
空弾倉を外すと粒子となって霧散し、
空中で再構成した2つの弾倉へ2丁の銃を叩きつけ装填と同時にスライドストップを外す。
それをまた全弾叩きこむ。
「ぐお!熱っ!!!火かよ?!」
成功した!
でも、驚いてるだけだ決定打にはならない。
態勢を崩し、火で視覚が塞がっている今を!
火を付与、着弾爆破、弾倉を再構築。
「リロード!」
再装填を行ったと同時に一仁さんの目の前まで一気に距離を詰める。
「一仁さん。僕さっきの挑発、結構根に持ってますよ」
この状況でなければ、見惚れるほどの無垢で可愛らしい笑みを浮かべた響は、渾身の蹴りを腹に叩きこみ吹き飛ばす。
そして、更に爆破を追加した弾を2発撃つ。
貫通力は一切無いようで着弾と同時に爆ぜる。
かなり後方に吹き飛んだの見届け様子を見み追撃をするため構える。
突然体を起こしその場に座り込む一仁さん。
「あー無理、無理無理。死ぬ」
「え…」
一仁さんの言葉で一気に脱力した…。
離れた位置で観戦している2人が呆れた顔をしながら、
「あれって響の勝ちでいいんだよな…姉貴?」
「そうなんじゃない?でも、お父様には後でいろいろ言わないといけないとこありそうね」
あまりにも黒いオーラを出しながら、つぶやく姉に何も言えない。
一仁さんが刀を消し、近づいてくる。
「いってぇ…。とりあえず、ギリ合格で」
「はぁ…」
「響ちゃん〜。お疲れ様〜」
「おつかれ、響」
「うん…」
すごい納得は行かないけど勝ったことにしよう。
「一仁さん。それで、どうなんですか?」
「あー…はっきり言うとだな…」
「はい」
「素人。基本はできているが、妖力と武器の使い方や実戦経験があまりにも足りていないな」
「ですよね」
「ま、高校への入学まで3ヶ月ちょいか?それまでに叩き込むぞ」
「よろしくお願いします!」
よかった…戦い方を学べるに越したことはない。
「そ・の・前・に!響ちゃんには、女性としての一般教養と高校の勉強をしてもらいます」
「あ、え…は、はい、よろしくお願いしま…す」
その場でいろいろ話し合った結果、僕への特殊カリキュラムが構成された。
朱莉さん曰く、
「どこへ行っても、恥ずかしくない女性になってもらいます!」
高レベルであることは間違いがない…。
戦闘訓練の方が気が楽なのに、重点はそちらになってしまった。
「姉貴の言い分に同意」
涼介は一体、僕になんの恨みがあるのか。むしろ、面白がっているのか。覚えていろよ。
「さて、上に戻って休もうじゃないか」
いつの間にか新品の服に着替えている一仁さんの一言で訓練場をあとにする。
歩いて行く一仁さんにふと疑問を投げかける。
「あの、一仁さん。父の形見ありがとうございます。僕は父の遺志を引き継げるでしょうか?」
その質問に対し、一仁さんは爆笑しながら
「本人じゃないかってくらいもう十分なくらい、引き継出るよ。ハハハ」
そうなんだ…よかった本当に。
そして、あの僕と同じ灰色の髪の女性の思い。
僕なりに継いでいこう、と思う。
次の章からは訓練〜高校初め辺りです。
いろいろあり、週1のペースで書くかもしくはそれより遅くなるかもしれないです。
気長に待っていただければと思いますm(_ _;)m




