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とある国のお姫様  作者: 近所のはやみさん
1/2

それは一つのお話、

はつとうこう!

誤字脱字多いと思いますが生暖かい目でみてやってくださいヽ(^o^)ノmm

彼女、とある結構大きい王国のお姫様。

名をクレア、透明で輝くと言う意味を持って付けられたそうな。

しかし、彼女は色々と透明でも輝くでも無かった。

けんかっ早く、女らしくなく、それでいて割とあくどい。わがままで口が悪く手が出る17歳の小娘、いや、姫。

顔はいつも眼だけ出して、他は隠していて不明で、服装はドレスなんて着ず、古びた作業着を着ては街をうろつき使用人を困らせる。

国王は美しい国民思いダンディー、王妃は美しい清い貴婦人、王子は優しく美しい好青年、そして姫は_____、それはそれは国民には嘆かれたものだ。

さて、そろそろ姫の紹介は終えて。


そんな姫にも ふぃあんせ がいるのだ。


「婚約者?」

さして興味も無さそうに、自室の床で寝転がりつつ。

広さは十二分にあるが、必要なものを最低限揃えたような質素で簡潔とした姫らしからぬ部屋。

「あ、ああ...う、上手くやってくれるかね?」

国王がこんなに下手に出るなんて、と思うだろうか。思わないだろうか。ま彼女が気難しいのだから仕方ない。

恐らくは断られるだろうという心持のようだ。

「....ふ-ん...ま、そろそろそんな時期だろうと思ってたよ」

安堵の溜息。でも意外な反応だったようだ。

「珍しく親孝行かい?」

冗談を交えた様に、困った様に笑う。

「ま、そんなとこだね。」

へっと、何かを嘲笑うような、どこか諦めたように笑う。それはどこか魔女のようだ。格好もだが。

ところで、と切り出す。

「誰なんだよ?」


彼女が不機嫌なのは見てとれる。見ずにでもぞっとするような黒い物が寒気を醸す。その根源が何なのか、回りも本人も分かる事、具体的な事だった。

"結婚"。

それ自信には生まれ持って割り切りを付け、自分のような身分であれば仕方がないと分っていた。子は親を選べないのだから。まあどんな相手だろうと子を産めばそれで終わり、そう思っていたのに___________

「まさか、あいつなんて......」

苦虫を噛み潰すような顔。


「よお、我が愛しの"フィアンセ" サン。」

厭味ったらしく笑ってくるそいつは、隣国の第一王子、ノア。

相手にするべきじゃない。無視を極める。

「おいおい酷いなア、ああ、我がマイプリンセスの方が良かった?」

きっと彼とは根本的に馬が合わないのだ。生理的に受け付けないの方が良いのか。隣国の同い年と言う事で会う事も度々あったが、初対面から最悪だった。初めましてと言えばブスと言ってきた事は今でも覚えている。まあ大分それも収まり、彼の事を好かないクレアが見ても端整、美形な顔立ちで、背も高く体格もほどよい。それはそれはモテる、きっと彼と結婚した奴は苦労人だろうな、なんて思っていたら_______、

「あ? どうしたんだよ、浮かない顔して。」

おどけて顔を覗き込んでくる、それはそれは美しい顔で。

危うくどきりとするところだった。

「あんたと結婚すんのが嫌なんだよ」

はあ、とため息をつくと、ノアはやれやれと言った風に肩を竦める。

「それは此方の台詞だがね」

やんのか、と言う言葉が喉まで出かかったが、めんどくさくなってやめた。

「俺はまだまだ遊び盛りなのによ-」

結婚したってなんら変わらないでしょ、女癖なんて。

ちょっと険がある風な言い方だろうか。少しいらつきが増すが、それは彼に対してというか、何と言うか、心の中で何とも言えないもやもやとした感情が込み上げてきたからだ。息苦しい。

「確かに、あたしみたいなやつとなんて可哀想だよね」

意識したつもりはなく、不意にぽつりと漏れた言葉だった。

「え? 何か言った?」

クレアの方を見る。

自分でも割と勝気だと自認していたためこんな事を呟くだなんて意外だった。

「何でもないよ」

自分のマスクの隙間から、瞳と瞳がぶつかる。みどりのめ。何て言うか、吸引力のある眼、ダイロン並みだななんて思う。いや、呑気にしてらんない。こいつは蛇、自分は蛙、もたもたしてたら丸呑みされる。

____食われる前に食ってやる、だよね。


________________________________________


初恋は6歳だった。

幼いながらにも恋という感情はあるのだなと今改めて思う。

出会いはお花畑で彼女が少年達にいじめられている所だった。

か弱く、小さく、女らしい。

守ってやった。涙ながらににっこりと微笑み、「ありがとう」、と、一輪、花を渡された。

その瞬間、この子と一緒にいたいと思った。

再会はそれほど遠い日ではなかった。

「初めまして」

その時の痛みは今でもある。

彼女にとって自分はその程度なのか。

苛立った。

「ブス」

言って気がついた、ああ、自分って見かけも中身も子供だな。

女らしかったあの時の彼女は静かに泣いた。それが自分の心に余計傷をつけた。

でも、あの子の方が傷ついてるだろう。

謝れない"僕"は__________。


あの一輪の花は、今でも持っている。






最後まで閲覧感謝します!

ノア視点も書きたいなーと思ってます

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