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おにぎり屋ふくふく

おにぎり屋ふくふく|クロのはじめてのおしごと

作者: 絵宮 芳緒
掲載日:2026/03/24

次の日も、その次の日も――

黒猫は、店の前に来ました。


ふくさんは笑って言います。


「いらっしゃい、クロ」


黒猫は、しっぽをゆらりと揺らしました。


もう、名前をもらったことが分かっているみたいに。


ミケが言います。

「新入りさんね」


まぐろがのぞき込みます。

「クールだねぇ」


トラはくんくん。

「シャケのにおいがするやつだ!」


シロは、そっと微笑みました。

「よろしくね」


クロは少しだけ目を細めて、

「にゃ」と小さく返事をしました。


その日、ふくさんは少し忙しそうでした。


お客さんが次々にやってきます。


「ふくさん、いつもの!」


「今日は多めにお願いねぇ」


ふくさんは、にこにこしながらおにぎりを握ります。


けれど――


「あらあら、ちょっと手が足りないねぇ」


すると、クロがすっと立ち上がりました。


カゴの中のおにぎりを、ひょいと。


器用にくわえて――

トコトコトコ。


お客さんのところまで運びます。


「おや、配達してくれるのかい?」


「かしこいねぇ!」


クロは、そっとおにぎりを差し出しました。


「ありがとうねぇ」


その声に、クロは少しだけ誇らしそうにしっぽを揺らします。


それを見て、ふくさんは笑いました。


「ふふ……お手伝いさんが増えたねぇ」


ミケたちも言います。


「クロ、やるじゃん」


「配達係だね!」


「似合ってる!」


クロは、少しだけ胸を張りました。


その日から――

クロは、おにぎりを届ける係になりました。


ふくふくのおにぎりと一緒に、ちいさな元気も運びながら。

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