001「俺の絶望」
新連載。内容言語化するの難くて、変になってるかもやけどご了承を。
ずっと絶望していた。
俺【凪又 希望】(なぎまた のぞむ)は。
20××年8月16日
あの日は真夏でとても暑かった。
手にしていたアイスはすぐに溶け、周りのものは半袖半ズボンのものもいた。
夏休み終盤。家族全員で旅行に行っていた俺たちは帰りの高速道路で会話をしていた。
鮮明には覚えていない。無理もないさ、今が16歳だからあの日は約9年前だ。
ただ、旅行は楽しかったか。や、また行きたいな。など、普通の話だった。だが、そんな普通の時間が居心地が良かった。
唐突だった。
俺含め家族は逆走中のトラックと衝突。
俺以外全員が重症。緊急手術を受けるも命は保てなかった。
1人になった俺は孤児施設に連れて行かれた。
なぜ俺は死ななかった。なぜ俺だけを残したと意味もなく誰かを責め続けた。
施設では里親の募集もしてたが俺は誰からも見向きにされなかった。
施設からのお金で高校に通ってる俺だが、親がいないことにバカにされ、暴力をくらう毎日。
俺は夜にも関わらず施設から出て、ある場所へと向かった。
夜の12時。街中はまだ明るい。廃墟のビルの屋上から下を眺めていた。
あの時俺は死ななかった。それは神が俺を生かしたと思っていた。だから、俺には生きる価値・使命があると勝手に思い込んでた。
だが、違った。
俺は力もないし、知恵もないし、地位も名誉もない。ただのちっぽけな人間だった。
「いつの日か。俺が普通の人のように勉強して、、運動して、、恋をして、、、、働いて、、、死ぬのが夢だった。」
そう告げて屋上から飛ぼうとしたらその時。
「ちょっと待ちなさい!」
後ろから女性の声がした。
俺は驚いて振り返ると、そこには短く茶色髪の女性と、ボサボサな黒上に髭が生えた男性が立っていた。2人は両方日本人とは思えない服装をしており、女性の方は外国の人に見えた。
「希望くん!君には死なれては困るわ!」
「お前が死ぬと色々面倒なんや、ちょっと来てもらえるか?」
今の状況が理解できず、混乱している俺をよそに、2人はまた話し始める。
「私は猫綾ひまり!別次元から来たわ!」
え?別次元?なんのことですか?
「あー、俺は黒威塔矢。ちょっと時間ないからきてもらうか。」
そんな意味不明な会話に言葉を失っていると猫綾が言う。
「安心して!状況は後でちゃんと話すから」
そういうと黒威は叫ぶ。
「凪又希望!入れ!」
そう言われた瞬間ポータルが現れ、俺は押されて入って行った……。
目が覚めると俺はベッドで寝ていた。
あのポータルに入った直後、俺は記憶を失っていたそうだ
「希望くん…?あ、目が覚めた!」
寝起きで記憶が朦朧としてる中、俺の顔をさっきの女性(猫綾)が覗き込んだ。
「希望くん。大丈夫?だいぶ急な事だったから…。」
どうやら相当心配してくれてたらしい。寝泊まりで看病してたのか、周りには掛け布団などがある。
「えっと、猫綾さん?ですよね。大丈夫です。」
「良かった〜。」
そう返すとまたあの男、黒威さんが入ってきた。
「よう、凪又。起きたか、会議室に来てくれ。」
俺は指示されるままに動いた。
状況が混沌とし過ぎて、何が起きたか分からない。そんな状況が今だ。自殺しようとしたところを止められ、ポータルに入り、意味わからんとこに着く。改めて聞いても意味がわからない。
「こんにちは、凪又希望くん。」
ある高身長の水色髪の女性が立ち、話し始める。
「急な事だったから、内容が掴めてないよね。無理もないよ。あっ、今から話を進行する不滅絶望騎士団の黒威組所属、マギア・ルナーだよ。」
その丁寧な喋りから、不思議と安心感が湧き出る。
「まず、ここはどこなのかの説明が必要だね。」
彼女は真剣な顔で話し始める。
「ここは君の住んでいた【次元】とは違うとこ。【次元】とはこの世界はいくつもの次元で成り立っている。私たちのいるこの次元を第一次元と仮定すると君のいた地球のある次元は第二次元。こんな感じで、ほぼ無限に次元は存在して、次元ごとに全く別の法則が働いてる。」
まだ頑張れば理解できそうだが、専門用語だらけで頭が痛む。
「さて、今から私達のいるこの次元について説明しようか。今私達のいる地名をスカイ・ライト・カウスという。略してSLKという。そのまんまだね。このSLKには幾つもの地区が存在し、ここは第一地区。それから……。」
彼女の話は五時間にわたって続いたから自身で要約した。
さっきも言ってた通り、実は世界は次元でわかられており、もといた地球も一つの次元。そして、スカイ・ライト・カウスは空にあるらしく、雲の上に建てられている。
そして、この世界を生きる上で重要なものが三つある。
まず、【絶望】の存在。
これは、漫画とかで言うモンスター的存在。生物などが、何かに絶望した時に生まれるらしく、それは強力な負の力を得るらしい。
もう一つは、【神】の存在。
この世界には複数の神が存在し、それは世代ごとに交代してる。この次元を支えているのもある旧神らしく、崇められる存在もいれば、敵として見られる存在もあるとか。
そして最後は、【紋章】
これは、新神【力の神】がもつ能力らしく、この後説明してくれるらしい不滅絶望騎士団っていうところに所属したら与えられる。体のどこかに紋章が刻まれ、刻まれたところが能力の由来となり、固有の能力を得る。
「……とまぁ、こんな感じかな。」
肝心なここに連れてこられた理由を聞かされていないが、ここが会議室であり、首を突っ込める空気ではないから、何も言わずに聞いていたが、流石に気になる。
「…あの、俺がここに連れてこられた理由って?」
「あぁ、そのことね。これについては黒威さん!お願いします!」
「あー、分かった。じゃ、説明するぞ。まず、第一前提として、別次元から別次元の人間を連れてくることなんて、例外中の例外なんだ。じゃ、なんで連れてこられたかって?それは凪又希望。お前が異質だったんだ。さっき説明した絶望。それはこの世界のみ起こり得る事象。人の絶望が大きくなる。もしくは、何人もの小さな絶望が一つに集まることによって起きる。」
男は淡々と資料を見ながら読み上げる。
「んで、お前の住んでた地球の存在する次元【銀河】からは絶望は生まれないはずだった。だが、お前は家族を失い、人からも恵まれず、【絶望】へと生まれ変わろうとしていた。」
俺はそれを聞いてると涙が出てきていた。
「安心しろ、そんなお前を助けにきたのがこの黒威組だ」
俺の頭に手を置くと、黒威は周りを見渡した。
「ここにいる奴らだけじゃねぇ、黒威組には個性豊かな奴らが沢山いる。ま、8人中7人は女だけどな。」
黒威の目はあった時とは一変して、光を放っていた。
「俺は、お前を9人目黒威組として、迎えるためにこの次元に呼んだんだ。」
俺の目からはまだ涙が溢れていた。
「俺はあの頃からずっと俺にもう希望は来ないものと思っていました……。今日…ずっと忘れていた希望を見た気がします。」
そして、俺は一つ間を開けると、口を開いた。
「俺を、不滅絶望騎士団の黒威組に入れてください!」
そういうと黒威さんと猫綾さんとルナーさんはにっこり笑みを浮かべた。
「じゃ、これで会議終了!」
ルナーさんが締めの挨拶をすると猫綾さんが口を開いた。
「凪又希望くん、君の叶えたかった夢は何?」
「俺は…普通の人のように勉強して、運動して、働いて、恋をして、、、。そして、最高の人生だったと思いながら死ぬことです。」
そういうと猫綾さんは満面の笑みで言った。
「叶えよう。その夢。」
「はい!!!」
豆電球888新連載開始。描くの時間かかった。でも、よーく見たら文字数3000。え、こんな書いたのに?小説って大変。でも、小説家なりたいし、頑張るぞー。