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第95話 ダンジョン配信 青鬼戦②

 マイケル君は意識をなくしていた。スタッフたちは運び出そうと躍起になっていた。しかし、牛のように大きな体は重く、まるで動かすことができなかった。その時、1人のスタッフがカメラを取り出していた。



 その時、スタッフがダンジョンの状況を配信しようとした。

 カメラでダンジョンを映していた。


 それに気が付くと、別のスタッフが叫んでいた。



「不謹慎だぞ!!」


「すまない。ただ、このダンジョンで起きたことを記録として残しておきたいんだ…」



 カメラを持つスタッフが静かに言った。

 誰も返事ができない。



 カメラマンとしてのプライドもあったのかもしれない。

 否定することはできなかった。




「分かったよ…。じゃあ、俺も手伝うか…」



 スタッフの声が聞こえた。

 マイケル君のチャンネルにて、ダンジョンの配信が始まろうとしていた。

 



  ◇  ◇  ◇




 マイケルチャンネルの配信が始まった。



 カメラの電源が入れられた。

 ランプが点灯し、映像が配信されていた。


 ダンジョンが映し出されている。

 高性能カメラは、フレームレートも優れており、ダンジョンの様子を鮮明に捉えていた。



 配信が始まると、リアルタイムのコメントが増えていく。



〈うぽつ!!〉


〈マイケルさーーーーーーん!! どこですかーーーーーー!!!!?????〉


〈あれ、マイケル君、いなくない!?!?!?!?!?〉

〈何処にもいなくね…〉

〈誰だ?〉

〈知らない人が映ってない!?〉

〈すごい暗いです~…〉

〈ここって、ダンジョンだったりしますかね?〉





 カメラに、生徒会長ミコトを映していた。

 


 

 その時、スタッフに黒いゴブリンたちが襲いかかろうとしていた。

 ゴブリンが頭上から飛び降りてくる。

 

 

 紙一重でそれを回避すると、スタッフの恐怖に震える声が聞こえてきた。

 カメラがその緊迫した瞬間を映し出していた。

 



 彼女の注意を促す声が聞こえきた。

 

 

「前に出過ぎないでください。危険ですよ…」




 その後、ミコト生徒会長は小さな壺から白い狼を召喚していた。

 マイケル君とスタッフを守るために。

 




〈どーなってるんだ!?〉

〈ナニコレ?〉


〈うわあああああ!?〉

〈おかしな生物がいるんじゃん。ここってダンジョンだったりするん?〉


〈お前らさ、マイケル君はゴブリンにやられたんだよ……〉

〈うそ、マジかよ!?〉




 書き込みが混乱していた。

 

 剛力副会長と猫又さんがゴブリンの前に立っていた。

 ゴブリンと対峙している。




「私たちがゴブリンは私たちが相手をします!」



 猫又さんの声が聞こえた。



「仕方がない。オレたちが相手をしてやろうか!!」



 剛力副会長がファイティングポーズを取っていた。

 

 

 ゴブリンたちは武器を構えていた。

 ニタニタと笑う。

 


 剛力副会長はゴブリンの様子を見ていた。 


「強そうだ…」



 と、呟いている。

 猫又さんは嫌そうな顔をしていた。



「あーあ、ホント、嫌になっちゃう…」


「仕方がない。本気を出させてもらう…。最大出力で、お前たちの相手をしてやろう!!」


「じゃあ、私も使うか~。肌荒れが嫌なのよね~」



 副会長はプロテインを飲む。

 急速に体が大きくなり、筋肉が隆起していった。


 猫又さんがマタタビを舐める。

 すると、体毛が伸びていき、猫のような姿に変わっていた。




「よし、行くぞ!!!」



 剛力副会長が叫んでいた。



 ゴブリンの方に向かっていた。

 その時、ゴブリンの斧が副会長に振り下ろされた。

 剛力副会長は素手で受け止めていた。




 別の一匹のゴブリンが、マイケル君のスタッフに襲いかかろうとしていた。

 召喚された白いオオカミが弾き飛ばされた。





 ゴブリンが向かってくる。





「うわぁぁぁぁぁ!!!」




 スタッフの叫び声がした。

 

 

 

 瞬間、猫又さんの姿が消えていた。

 気が付くと、猫又さんは背後からゴブリンの胸を突き刺していた。




「ぐぎぎぎぎぎっ」



 ゴブリンは苦しそうな声を上げた。

 ずっと、ゴブリンとの戦いがカメラに捉えられていた。




〈!?!?!?!?〉

〈誰だ!? こいつらマジで強くね!????〉


〈素手で、ゴブリンの胸を貫通させたの?〉

〈怖すぎ……〉


〈マイケル君より強くね……〉

〈そんなことねーよ。マイケル君のほうが強いから!!〉


〈でも、負けてるじゃん……〉





 副会長の張り手がゴブリンを攻撃していた。

「どっこいしょ!」という声と共に、ゴブリンは吹き飛ばされた。




 近くには、青鬼が立っていた。

 ゴブリンの声がする。




「た、助けて…」




 青鬼が青自いゴブリンの顔を見つめていた。

 踏みつける。



 ガキッ



 音とともに、ゴブリンの頭部が砕け散っていた。





「ぎぎぎぎぎぎ……っ!?」





 ゴブリンがかろうじて動いていた。

 生徒会長の声がする。




「どうしてこんなことをするの?…」




 青鬼が返事をする。




「あなたと話すことなんてありませんよ」

「でも、私は知りたいの…」


「神なんです」

「あなたは私の弟です」


「私は…。セツナ様と同じ立場になる必要があるんです…」

「わからない…」



「あなたにわかってほしいとは思っていません!!」 



 青鬼が強い声を出していた。



 段々と、ダンジョンは青鬼の妖力が満ちていく。

 衝撃でカメラがブレた。



 配信の映像は、ミコト生徒会長が泣いる姿を映していた。

 ただ、彼女は泣いていた。




「どうして泣くんですか?」

「タイチ、あなたを倒さなくてはならないのかなと思って。戦いたくないのよ…」


「ぼくを倒す!?」

「そうよ…」


「はははっ!そんなことができるわけないじゃないか。だって、お姉ちゃんの中にあったあやかしの魂はもうなくなっているんだよ!」



 青鬼はニタリと笑みを浮かべていた。

 侮蔑に似た顔でミコト生徒会長を見つめていた。




「気が付いていたのね…」



「そりゃ、わかるよ。ずっと、お姉ちゃんと一緒に過ごしてたんだからさ…」

「タイチ、どうやら、私が弱くなったと思っているのね…」



「もちろん、だからこそ、すぐに倒してあげたいと思っているんですよ!!」




 青鬼が悪意に満ちた笑みを浮かべていた。

 生徒会長の方に歩いてきた。



 カメラが震えていた。

 ダンジョンの中は青鬼の妖力が満たしていた。


 すでに人間がいられる場所ではなく、悪意だけが満ちているような空間に変わっていた。




「じゃあ、お姉ちゃんの力を見せてあげなくちゃね!」



 ミコト生徒会長は言い、式神を召喚した。

 たくさんのウサギが出現し、大量のウサギが青鬼の視界を塞ごうとした。


 

 

 青鬼は何もしなかった。



 すると、巨大なゾウが出現していた。

 青鬼を踏みつぶす。





「まったく、ぼくには効かないんだけど!!?」




 笑いながら、青鬼はミコト生徒会長に向かっていく。

 生徒会長の前にいた。




「消えろ!!」



 と叫びながら、握りしめたこぶしをミコト生徒会長に向けて放った。

 しかし、そのこぶしは何者かによって止められた。




 何かがいる。



 雷神がそこに立っていた。








〈何だこれ…〉

〈陰陽師って本当にいるんだな…〉

〈これ、マジなん???〉

〈そうだろ…〉


〈わからんぞ…〉

〈ただ、青鬼、強そうだわ…〉


〈いったい、何が起きているんだ~~~~~〉






「だ、誰だ!?」




 バチバチと雷の音が鳴り響いていた。

 雷が青鬼に向けられた。





「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」




 青鬼に直撃していた。

 強い光で。



 焼け焦げたようなにおいがする。

 その時、強い怒りで、青鬼が生徒会長を睨みつけていた。




「何をした!?」




 さらに、強い雷が放たれる。





「くそっ、ぐわっぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」




 意識を失う。青鬼が倒れいていた。

 







〈すごい…〉

〈あれ、勝ったの?〉



〈青鬼弱いわww〉

〈マジヤバ〉



〈あー、楽勝だったな〉

〈いや、そんなことないだろ…〉







「……」




 目の前には青鬼が倒れていた。




 その近くでは、まだ、副会長と猫又さんがゴブリンと戦っていた。

 生徒会長がそちらに視線を向けた。





 その時、青鬼の声がした。





「くそがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」






 ゆっくりと青鬼が立ち上がる。

 立ち上がっていた。





「こいつは誰だ!!!」




 青鬼は、雷神を指さしていた。

 




「死ね!!」





 青鬼が妖力を放っていた。

 その途端、雷神の体が真っ二つになっていた。 

 雷神が蜘蛛のように消えていく。





「お前、この力をどこで手に入れたんだ!?」





 青鬼がミコト生徒会長を睨みつけていた。

 また、雷神が元の姿に戻っていた。



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