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第94話 ダンジョン配信(最下層まで) 3Dプリンターと土蜘蛛

 最下層を目指して、バイクは走り続けていた。

 次の階段を下りていく。



 少年の魂は不安定に揺れていた。


 自分が作り出したダンジョンが見知らぬ形に変わってることが気になったのだろうか。

 スライムたちの声のせいだろうか。

 いや、青鬼の存在のせいであるのか。



 少年は、自分のことがわからなくなっていた。

 

 



  ◇  ◇  ◇




 次の階層をバイクが走っていく。

 

 

 階層が変わると、モンスターたちが激しく戦っているのが見えてきた。

 土蜘蛛の姿が目に入ってきた。



 少年は困惑した。



 倒したはずの土蜘蛛が、どうしてここに?


 

 そう思うと、土蜘蛛と巨大な鳥の戦いは続いていた。

 土蜘蛛はモンスターと戦闘をしていた。





 モンスターたちの戦う映像が配信されていた。





〈うわっ、この階層もヤバそうだね…〉



〈戦ってるけどwww〉

〈でかいw〉



〈蜘蛛とかキモイw〉

〈ダンジョン配信でありそうだものなw〉



〈そう言えば、マイケル君、大丈夫かな!?〉

〈スタッフがいるから配信するするつもりかも。ちょっと、調べてみたほうがいいかもな…〉


〈まだ、更新されてない…〉

〈あー、そっか〉



〈じゃあ、誰かダンジョンいって来いよw〉

〈無理無理w〉


〈ウーバーとか、ダンジョンに来てくれるかな~~~~~~〉

〈やめとけ。訴えられるぞw〉






 バイクが止まっていた。

 

 



「モンスター同士が戦ってるね…」





 沼田君が声を上げる。

 それを聞いて、少年が静かに答えていた。




「あれは土蜘蛛ですね…」


「土蜘蛛!?」




 沼田君は驚きの表情をした。

 少年の目は、ただ、土蜘蛛に固定されていた。



 何かが違う。

 以前、戦った土蜘蛛とは。

 

 

 

 どうしてか、少年には土蜘蛛が異なるように見えていた。

 一体、何が違うのだろう?


 


 ゆっくりと、バイクが近づいていく。

 モンスターたちの戦いはアトラクションを見ているかのようであった。

 巨大な鳥のモンスターが蜘蛛の糸に捕らわれていた。




 巨大な鳥が暴れていた。




「ギャワアワワワワア!!」




 鳥の叫び声が響き渡った。

 地面が震えた。





〈こ、こぇえぇぇぇぇぇwwww〉

〈これはヤバない!?〉



〈鳥が暴れてるw〉

〈このダンジョン、どうなっているんだろ…〉





 沼田君はバイクを進めようとしていた。

 

 

 ただ、目の前にはダンジョン全体を覆う蜘蛛の糸が立ちはだかっていた。

 糸に捕まらないように慎重に避けていこうとした。




「ダメだ、この先に進むことができるだろうか…」



 沼田君が疑問を投げかけた。

 その声を聞くと、以前、少年はその糸に捕まったことを思い出していた。



 少年はバイクを降りることにした。

 直感に従い、少年は土蜘蛛の糸に触れてみることにした。



「おい、やめろって!!」



 沼田君が警告した。

 だが、少年はすでに土蜘蛛の糸に触れていた。





 糸が少年を飲み込んでいく。





〈糸が…?〉

〈覆いつくしてく…〉



〈あーあ、捕まったわ…〉

〈ダメだ…〉





 その時、沼田君が心配そうに声をかけた。



「大丈夫か!?」



「大丈夫、何かがわかりそうな気がするんだ…」



 少年はその声に応えながら、何かを感じ取ろうとしていた。

 沼田君は少年の言葉に戸惑いの声を出した。




「何かって何だよ?……」


「待って…」



 少年は集中をしたいという顔をしていた。

 沼田君は黙っていた。






〈やばいwww〉

〈もう逃げれれないわwww〉



〈蜘蛛って粘液を吸い取る?〉


〈どんな感じかな…〉

〈注射みたい、マジ、嫌いだ!!〉



〈大丈夫ですよ~、痛くないですからね~wwww〉








 少年の体は蜘蛛の糸で覆いつくされた。

 それを見ると、近くにいる沼田君の心配そうな声がした。

 



「大丈夫か? スクイ君の姿が見えなくなってるんだけど…」


「そう?…」


「怖くないの?」




 沼田君はさらに問いかけた。

 しかし、少年の返事は返ってこなかった。




 蜘蛛の糸に覆われていた。





 ただ、少年は蜘蛛の糸に触れていた。

 その糸には意志を持っているかのようであった。

 

 

 

 感覚に触れていた。




 声が聞こる。









——あるじ様、私の声が聞こえますか?




「ああ……聞こえる……」




——どうやら、私は蜘蛛のモンスターになってしまったようです……



「なるほど……」





——ただ、3Dプリンターで作れなかったものが、蜘蛛の糸で作れるようになったんです。見てください。あの土蜘蛛、よくできていると思いませんか!?




「あれ、作ったんだ……」




——そうなんです!!私はこの姿になって自分の作りたいものを作れるようになりました!!







 それを聞いて、少年は笑い出した。

 沼田君は少年の様子をカメラで撮影していた。



 少年の笑い声が聞こえた。







〈あー、おかしくなってるじゃんwww〉


〈笑w〉

〈あーあ、壊れちゃった…〉



〈終わったわ〉

〈蜘蛛につかまったら、人間が逃げられるわけがないw〉



〈だれか、ハサミ持ってきて~〉





「スクイ君、大丈夫か?」



 また、沼田君が心配そうに尋ねていた。しかし、少年からは返事がなかった。

 その時、ダンジョンに咆哮が響き渡っていた。




 巨大な鳥のつんざくような叫び声が聞こえてきた。


 



「グルグル、グリャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」





 巨大な鳥が蜘蛛の糸を切り裂いていった。

 土蜘蛛に急降下していく。



「こっちに来るじゃん!!! うわーーーーーー!!!」



 沼田君は慌てていた。

 とっさに巨大な鳥から逃れようとして、バイクにエンジンをかけようとしていた。




「キュァァァァァァァ──っ!!」




 ダンジョンに、鳥の叫び声が響きわたっていた。

 カメラにその姿が映し出されていた。





 映像はガタガタと揺れていた。






〈こっちきたーーー!!〉

〈ヤバい!!〉



〈でかすぎだろ!!〉

〈うそ!? マジ!?〉






 巨大な鳥が飛んでいた。



 その時、大量の糸が上空に向かっていた。たくさんの糸が巨大な鳥を覆いつくしていた。

 巨大な鳥をたくさんの糸が押さえつけていた。




 どうやら土蜘蛛が勝ったらしい。

 巨大な鳥は身動きができなくなり、そのまま地面で暴れているようであった。





「ギュウウウアアアアア!!!」





 暴れる巨大な鳥の声がした。




 恐怖に満ちた顔をして、沼田君は立ち尽くしていた。

 すると、少年の声が聞こえてくる。





「沼田君、行こうか…」


「え?」



 と、沼田君は驚いていた。

 思い出したように、沼田君はバイクに乗る。




「もう、大丈夫になったんだ…」


「え?? どうなったの??」


「後で説明するから、今は行こう…」


「わ、わかったよ…」



 沼田君はバイクのエンジンをかけ、ダンジョンを走りだそうとしていた。

 たくさんの糸がなくなり、バイクの通り道が作られていた。





「ギャウギャウギャウッ!!」




 ずっと、巨大な鳥が暴れていた。

 その巨大な鳥に恐れながら、沼田君の声が聞こえてきた。





「じゃあ、行くぞ~~~~~~~~!!」





 沼田君はバイクを走らせていく。

 その時、少年は近くの糸に手を伸ばして触れてみた。







——あるじ様、この場所は私に任せてください。先に進んでください。後で、助けに参ります…

 



「ありがとう」




——以前のようなダンジョンに戻ることを願っています…




「セツナを倒してくるよ」




——お気をつけて…




「では、行ってくるね…」






 と、少年は返事をしていた。

 そのまま、バイクは次の階層に向かって進んでいった。




 2人は次の改装に向かっていく。





  ◇  ◇  ◇







 その時、マイケル君の配信が始まった。

 そのことがブンブン配信の書き込みにも書かれるようになっていた。

 




〈マイケル君の配信始まったよーーーー!!!!!〉

〈マジ!?〉


〈ホンマやwww〉

〈ちょっと、見てくるわ!!〉



〈こっちも気になるな…〉

〈もう、一緒に見るしかねーだろww〉


〈それなwww〉






 マイケル君のチャンネルで、動画の配信が始まっていた。

 しかし、マイケル君の姿はなかった。




 映像には、生徒会長と、金剛副会長、猫又さんの姿がある。

 青鬼との戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 ダンジョンで、生徒会長と青鬼との戦いの配信が始まろうとしていた。


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