第88話 少女の依頼
学校の前には、マッチ売りの少女のような小さな女の子が立っていた。
どうやら生徒会長を探しているらしい。
「あの、ミコトさんを知りませんか?」
と、女の子が尋ねていた。
その声を聞いて、通学中の女子生徒たちが対応をしていた。しかし、どうしたらいいか、彼女たちは困っているようであった。
その時、女子生徒の前を少年が通りかかった。
女子生徒が声をかける。
「スクイ君! あなた、生徒会に入っていたよね?」
「え、まあね…」
と、少年は答えた。
「この子、生徒会長に会いたがっているのよ。ミコトさんが来ていないって言っても聞いてくれなくて…。ねえ、後のことをお願いできない?」
と、女子生徒は頼んでいた。
少年は困惑して、
「そんなこと言われても…」
と返事をした。
「私たち、朝練があるのよ。急いでるの。お願いね!!」
と言うと、女子生徒たちは走っていく。
「え、ちょっと待って…」
と、少年は声を出したが、女子生徒たちはもう見えなくなっていた。
突然、女の子の対応を依頼されていた。
少年は困った顔をして、少年は女の子を見つめていた。
すると、女の子の声がした。
「あの、私、あやかしが見えるんです!! ミコトさんに助けてもらったことがあって…。お願いがあります。あの、お父さんを助けてください…」
◇ ◇ ◇
泣いている女の子を、少年は生徒会室に連れて行くことにした。
女の子は泣き続けている。
少年がどうすればよいか困っていると、剛力副会長が女の子を慰めるために近づいてきていた。
副会長の大きな体を見て、女の子が驚いた顔をしていた。
「あの、大丈夫ですか?」
と、少年が尋ねた。
「大丈夫だ。オレには年の離れた妹がいるから、こういうのには慣れているんだ」
と、副会長は答えた。
「なあ、どうして生徒会長に会いたいのかい?」
と、副会長は女の子に尋ねた。
女の子は答える。
「あの、お父さんを助けてほしいの…」
「君の名前は?」
「さつき…。です…。山下さつきです…」
小さな声が聞こえた。
それを聞いて、副会長は首を傾げていた。
「さつきちゃん、いい名前だね。山下…。うーん、オレは知らないな…」
さつきちゃんは続けた。
「以前、ミコトさんに、あやかしから助けてもらったことがあるのです…」
「なるほど、そういうことか。じゃあ、お父さんも…」
と、副会長が言いかけた。
「違うの!! お父さんはダンジョンに行って、戻ってこないの!!」
と、さつきちゃんは言った。
「ダンジョン!?」
副会長は驚いていた。
その時、廊下を走る足音が聞こえた。
ドタン!!!
音と共にドアが開き、沼田君がそこに立っていた。
「スクイ君、どうやら、ダンジョンに入ったことが大変なことになっているみたいだ。警察が来たんだよ~。どうしたらいいんだろう!?」
と、沼田君は早口で言った。
沼田君は少年を見つめて、助けを求めているかのようであった。
その姿を見ると、少年は困った顔をしていた。
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