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第83話 セツナの目的

 太陽と月の魂の儀式が行われたことによって、地獄では莫大な妖力が確保されたようであった。そのための準備が行われていた。


「セツナというあやかしがこの世界で起こそうとしていることについて話し合おうじゃないか…」


 

 と、老人の声がした。



 子供のあやかしが元気に走り回るのを眺めていると、少年のいる部屋に柳田邦夫が訪れていた。

 現実世界に戻る前に、少年は老人とセツナの話をすることになった。



 その時、朱雀も一緒におり、会話に参加していた。朱雀から、セツナが玄武、白虎、青龍を倒したと聞かされていた。朱雀の怒りに満ちた顔を見ると、これが復讐のためだと考えました。


 一方、老人は少年の中にあるあやかしの魂を気にしていた。

 しかし、少年の中に宿るあやかしの魂は沈黙をしていた。会話には参加しようとしなかった。



 それに気がつき、老人は諦めるように話を始めていた。



 

「セツナが何をしようとしているのかを説明しようじゃないか…」


 老人はセツナの計画について語り始めていた。

 どうやら、セツナは人間のいない世界を創り出そうとしているらしい。その過程で、あやかしを生贄として利用するつもりのようであった。



 セツナが探している呪物は二つあった。一つは「殺生石」、もう一つは「新・遠野物語」である。これらの呪物には、長い年月を通じて人間とあやかしの間に積み重なった呪いが集約されていた。セツナは呪物に含まれるあやかしの人間への呪いを増幅させ、人間を滅ぼす計画を進めようとしていた。老人によれば、セツナはおそらくダンジョンの奥でこの作業を進めているとのこと。それを聞いて、少年は胸の痛みを感じていた。



 老人の話を信じたくはなかった。

 ただ、受け入れることは難しいと感じていた。



 朱雀は明言する。



「きっと、セツナの裏にはぬらりひょんがいるに違いない…」


「その通り。だが、なぜそんな事態が起きたのかは分からない…」


 と、老人が頷いていた。


「私はセツナを許さない!!」


 朱雀は手で机を叩いた。怒りに震えていた。既に、玄武、白虎、青龍はセツナによって倒されていた。きっと、3つの神の力はセツナに吸収されてしまったのだろう。


「落ち着きなさい。神の力を手にしたセツナを倒すのは容易ではない。可能性があるとすれば、スクイ君、君の中にある、あやかしの魂だけだろうな」


 と、老人は言うと、少年をじっと見つめた。


 少年は自分の胸に手を当てていた。あやかしの魂は本当にセツナを倒せるのだろうか、思案にふけった。次の日、少年は両親と一緒に現実世界に戻ることになった。



  ◇  ◇  ◇



 元の世界に戻ると、少年は自宅のベッドで眠っていた。



「すーちゃん、朝だよ。学校に遅れちゃうよ!」


 母親の声が聞こえてくる。


 部屋を出ると、少年は懐かしい光景を見つめていた。台所では父親が朝食をとっていて、母親はオーブントースターからパンを取り出そうとしていた。日常の情景を目の当たりにすると、少年はダンジョンを作る前の生活を思い出した。


 ああ、あの頃から全てが変わってしまったんだ、と少年は心の中でつぶやいた。



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