表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

81/106

第82話 依頼

 段々、自分の魂の色が変わっていくのを感じていた。たくさんな色が混ざり合い、徐々に黒へと変わっていくように。少年の魂はあやかしの魂に影響されて、何か別のものへと変わろうとしているようであった。


 長いこと、少年は眠り続けていたらしい。



  ◇  ◇  ◇



 目覚めると、誰かの声が聞こえてきていた。

 視線を向ける。

 そこには男の子が立っていた。



「あなたは人間ですか? それともあやかしですか?」



 おかしな質問をされていた。

 ただ、男の子は少年を真剣に見つめていた。


 すると、少年の口が動いた。

 少年の口から、おかしな言葉が発せられていた。

 それは少年の意志ではなかった。



「お前こそ、形代かたしろだろう。人間でもあやかしでもないくせに、なぜ、そんなことをオレに聞くんだ?」


「あれ、バレてましたか?」

 

 男の子が舌をペロリと出していた。

 それを見て、少年は不満そうな顔をした。


「それはどうでもいい。誰の指示でそんなことを聞いたんだ?」


 すると、ドアの方から声がした。


「ワシが頼んだんじゃ…」


 老人が立っていた。柳田邦夫である。

 少年の方へ歩いてきた。

 少年は柳田邦夫を睨みつける。しかし、老人は気にしていない。

 


「やはり、お前か。オレの体を封印して、さらには、オレの魂を真っ二つにしたことは忘れていないからな!!」


「どうやら思い出してしまったようじゃな…」


「当たり前だ!!」


「やむを得ないことだったのじゃ。ところで、お主はワシの頼みを聞いてくれないか?」


「嫌だ。また、オレを騙そうとしているのではないか?」


「違う。人間とあやかしを救ってほしいのじゃ…」


 それを聞いて、あやかしの魂は笑っていた。

 ゲラゲラと笑っていた。


「なるほど、セツナというあやかしについてか…」


「そうじゃ。知っているのか?」


「気が付いていないようだな…」


「何がじゃ?」


「セツナというあやかしは、この少年が作り出したものだ。まあ、少年もそのことには気が付いていないようだがな…」


「どういうことじゃ!?」


「大したことではない。まあ、ダンジョンで暴れたら、セツナは現れるだろう。オレが倒す。それまでは休ませてもらうか。別に、お前の頼みを受けたわけではないからな…」


 そう言うと、あやかしの声はもう聞こえなかった。

 その時、少年は困惑していた。


 自分とセツナというあやかしとの関係は一体何なのだろうか。セツナが「秘密を知っている…」と言っていたことを思い出す。いったい、あれは何だったのだろうか。そう思ったのだが、あやかしの魂はその疑問に答えてはくれなかった。



 ただ、少年はダンジョンに向かうことになったらしい。

 セツナという妖怪を退治するため、そして、自分が作り出したダンジョンを攻略するために。


【応援よろしくお願いします!】



 「面白かった!」



 「続きが気になる、読みたい!」



 と思ったら



 下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。



 面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!



 ブックマークもいただけると本当にうれしいです。



 何卒よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ