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第67話 屋敷の攻防⑤

 餓鬼がきたちが襲い掛かってきていた。


 戦わなくてはならない。そう思った時、突然、スクイ少年は頭が砕けてしまいそうな痛みを感じ、その場にしゃがみこんでしまった。


 おかしい。何かがおかしい。頭が砕けそうな痛みを感じていた。少年は立っていることができなかった。以前、似たようなことがあった。そう、やしろの下にあった黒い石を壊した時、同じような感覚に襲われていた。



 体が動かない。どうして、こんなことになっているんだろうか…



 その時、屋敷の中は妖力で覆われていた。青鬼が呪符を壊したせいである。一時的に、周辺の妖力が強まることになり、屋敷内の妖力のバランスが崩れてしまっていた。そのせいで、少年の中にいたあやかしの魂が目覚めようとしていた。



 あやかしの魂の声が聞こえてきていた。

 少年に語りかけていた。

 



——おい、少年、あれからどのくらいの月日が経ったんだ?



 頭の中で、あやかしの魂の声が聞こえてくる。



——おや、何だ!? 近くに、探していたオレの魂があるようじゃないか。少年、探し出してくれたってことなんだな…。よし、そこに行こうじゃないか!!




 それを聞いて、少年は困惑していた。

 きっと、屋敷にいるミコト生徒会長の中のあやかしの魂に気が付いたらしい。

 あやかしの魂は自分の半分の魂を取り戻そうとしている。

 あやかしの魂を止めなくてはならない。



「ちょっと待ってください。いま、いろいろと問題がありまして…」


 

 少年はあやかしに声をかける。

 あやかしの魂が部屋の中を確認していた。

 


——なるほど、邪魔する奴がいるようだな。面倒だな、オレがこいつらを排除してやろう!!



 

 あやかしの声がする。すると、スクイ少年は自分の体が動かせなくなっていた。

 突然、少年の体から強い光が発せられていた。




 ピカッ!!!




 部屋が光で包まれていた。




 その時、餓鬼たちが消滅していた。

 猫又さん、九尾の狐、法師も倒れていた。



 全く動こうとしていない。





「な、何をしたんですか……」




 視線の先にいる青鬼は右腕を失っていた。

 そのまま、倒れていた。




——邪魔者はいなくなったな。さあ、行こうか!




「殺したんですか?」



——いや、死んではない。お前の仲間だっているだろ? 殺してほしかったのか!?



「そうじゃないです…。わかりました。行きましょう…」



——そうだな。じゃあ、行こうか…

 



 少年は部屋を出ることにした。

 

 今は、あやかしの魂に従うべきだろうと思っていた。きっと、彼に説明をするのは難しい。いや、何を説明したらいいのか、少年にはわからなかった。それに、あやかしの魂の圧倒的な力を見て、少年は何もできなくなっていた。




——さあ、こっちだ…




 あやかしの魂の声が聞こえてくる。

 それに従うように、少年は屋敷の中を歩くことにした。 




——きっと、すぐにオレの魂はまた眠りについてしまうだろう。その前に、もう片方の魂を取り戻さなくてはならないな



 あやかしの声がした。



 その魂には強い意志がある。

 少年はあやかしの魂に抗うことができなかった。




 少年は階段を下りていく。




 すると、下の階には黒い服を着た男性たちが集まっていた。

 彼らは少年に問いかけていた。




「お前が侵入者だな!!」


 

 少年は返事をしない。

 すると、黒い服の男の声がした。

 


「こいつらを捕まれろ~~~~~!!!」



 

 黒い服の男たちが迫ってきた。

 しかし、次の瞬間、男たちの胸には大きな穴が空いていた。

 



 その光景を見ると、あやかしたちが逃げ出していた。



 きっと、少年の内側から自分より強いあやかしの魂を感じたのだろう。段々と、少年は自分の中にいるあやかしの魂に恐怖を感じていた。




——さあ、着いたぞ



 あやかしの声がした。

 地下の部屋には結界が貼られていた。




——邪魔な結界が張られているようだな…




 また、光が放たれる。

 部屋の結界がばらばらと壊れていた。





 少年はドアを開けた。




 部屋の中心にはミコト生徒会長が眠っていた。

 白雪姫のようである。





——おや、こいつ、眠っているようだな。では、こいつの中にあるオレの魂を返してもらおうか…





 勝手に、体が動き出していた。

 少年の右手がミコト生徒会長の胸を突き刺していた。





「ちょっと、待ってください!!!」




 少年は大きな声を出した。

 どうにかして、あやかしの手を止めようとしていた。


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