第46話 九尾のキツネの動画配信
「ダンジョン配信で勝負をしましょう!!!」
九尾のキツネが提案したダンジョン配信の勝負を受け、黒猫と九尾の狐はダンジョン配信の視聴数を競うことになった。しかし、少年はそのアイデアに乗り気ではなかった。どうしてこうなったのかと、少年は不満そうに思いながら、黒猫のダンジョンへの誘いを断固として拒否していた。
黒猫を無視し、ヘッドフォンをつけて、ダンジョンの動画を見ることにした。
ただ、九尾の狐の動画のアーカイブを見つけていた。
どうやら少年も九尾のキツネのダンジョンの配信が気になっていたらしい。
動画を黒猫に話してみた。
しかし、黒猫は不満そうな顔をしていた。
「動画なんて見ないにゃ。どうせ、ダンジョン配信をしないんにゃろ? それなら関係ないにゃ!!」
と黒猫は少年を睨みつけた。
少年は動画を再生した。
動画は人気を集めているらしく、そこには藤原得子が平安時代の服装で映っていた。 コスプレの人気があるのだろうと少年は考えていた。
だが、実際は違った。
動画の中で何かおかしなことが起きたらしい。
〈この動画やばいです〉
〈最後、あいつ誰ですかね。カメなのか…〉
〈バンされそうだな〉
動画の下にあるコメントにはそう書かれていた。
動画を確認してみることにした。
動画が始まると、藤原得子、通称「トクたん」へのコメントが増え始めていた。
配信は好意的に受け入れられていた。
初投稿かと思いきや、数回の投稿があるらしい。
九尾のキツネがあざといな、と思っていた。
すると、一つ目小僧が3人現れる。
〈キターーーー!!〉
〈ひとつめちゃーーんだーーー!!〉
〈黙れ小僧w〉
〈かわよかわよかわよかわよかわよかわよかわよ〉
〈ああ、ゲットしてーわw〉
〈今日も3匹ですね~〉
〈生存確認~〉
〈戦わないで~~~~~〉
コメントは盛り上がり、「ヒトツメ」「コゾウ、コゾウ」と書き込みが増えていった。
これは出来レースのようであった。
戦っているように見せかけているだけで、本気の戦いではないように見えた。
しかし、突然、一つ目小僧たちが粉々になり吹き飛ばされた。
藤原得子の右手が失われていた。
ダンジョンが静まり返っていた。
グラグラとカメラが揺れると、目の前には大きな亀のやかしがこちらを見つめていた。
その後、金槌坊Dの姿が映し出されていた。
金槌坊Dの声がした。
「これはダンジョンに来るものへの警告である。ダンジョンにお前らのような人間が来ることは許されていない。人間どもを排除して、ダンジョンを元の姿に戻すのだ。そして、これは宣戦布告である!!」
少年のキーボードの上にある手が震えていた。
どうして金槌坊Dが動画に移っているのだろうか、ずっと、金槌坊たちと会っていなかった。一度、何が起きているのか、彼らに確認をしなければならないと思っていた。
ただ、少年の知らない間にダンジョンで異変が起きているようであった。
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