表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/106

第42話 ダンジョン配信の夜

 その夜、少年は自宅のベッドで眠りについていた。しかし、何かが心地よくなく、突如として真夜中に目覚めた。


 目を開けると、彼の体には大蛇が巻き付いていた。その大蛇は、藤原得子が夜刀神やつのかみに変わった姿だった。なぜ彼女がここにいるのか、昨日、九尾とはぐれてしまったらしく、少年の部屋に入り込んでいたらしい。


 少年は何度も彼女を追い出そうと試みたが、その度に眠りに落ちてしまっていた。夜刀神は少年が目覚めるのを待っていたが、退屈を紛らわすために、結局は少年の体に巻き付いていたという。



「く、苦しい……」



 少年が言う。



 夜刀神やつのかみが長い舌をペロッと出していた。

 あやかしとは不思議なものである。



 寝ぼけ眼をこすりながら、少年はトイレへと向かった。トイレのそばで黒猫が震えていた。どうやら蛇は苦手らしい。そういえば、ダンジョンでは静かだったな、と少年は思い出した。



 コップを手に取ると、水道水を飲むことにした。



 昨日、翔平と話したことを思い出していた。

 翔平は不満そうなことを漏らしていた。どうやら、翔平たちはダンジョンの記憶がないらしい。


 それを聞いて、少年はほっとしたのを思い出していた。


 トイレから出ると、酔っ払って帰宅した母親が帰ってきていた。少年は、眠ってしまった母親をそっとベッドまで運ぶことにした。



 母親が酔いつぶれて帰ってきたので、少年は彼女を優しく布団に寝かせた。その後、天井裏でうごめく夜刀神やつのかみに、この家を離れるよう告げると、少年は自分のベッドに潜り込もうとした。その時、携帯電話が鳴り響いた。



 電話は翔平からだった。




「おい、スクイ、お前、一体ダンジョンで何をしたんだ!?」



 翔平の声は慌てていた。

 それを聞いて、少年は眠そうに返事をした。



「おいおい、ちゃんと聞いてるのか?」


「ああ、聞いてるよ。ただ、何を言ってるのかさっぱりだよ…」


「とにかく、ネットを見てみろって!」


「え? こんな夜更けに何でそんなことを…」


「急いでるんだって!」


 不満そうにしながらも、少年はノートPCを開くことにした。

 そして、ニュースサイトを開いてみると、そこにはダンジョンの出来事が詳細に報じられていた。


 

 ダンジョン配信者の中に有名なユーチューバーがいたらしい。

 ユーチューバーが死亡したと書かれている。



「うわぁ~、ユーチューバー、ダンジョンに来ていたんだ!?」


「違う、違う。そっちじゃない!!」


「え、違うの?」


「そうだよ、いま、URLを送ったから見てみろよ!」



 メッセージの通知音と共に、少年のPCにはURLが届いていた。

 少年はそのリンクをクリックした。


 画面はダンジョン専門の動画サイトへと切り替わり、そこにはある映像が流れていた。

 それは、少年自身が黒い狼の腹部を力強く殴り、狼の上半身が天井へと吹き飛んでいく様子を捉えたものだった。



「うわぁああ〜〜〜〜〜、ぼくの姿が映っているじゃないか〜〜〜〜〜〜」


 少年の驚きの声を出していた。

 しばらくの間、真夜中の静寂を破る叫び声が部屋中に響き渡った。



  ◇  ◇  ◇



 翌日、少年は学校へと向かっていた。

 駅を出ると、そこにはミコト生徒会長の姿があった。


 どうやら少年を待っていたらしい。

 生徒会長が少年に向かって手を振っていた。



「おはようございます。生徒会長…」



 と、少年が挨拶をしていた。

 その時、猫又さんが駆け寄ってきました。



「生徒会長、やっと戻ってきてくれたんですね!」


 と、猫又さんが言っていた。

 ミコト生徒会長に抱きつき、顔をスリスリと擦り寄せていた。


 その後、猫又さんは少年に目を向けていた。


「あら、ダンジョンで有名になったスクイ君じゃないですか~」


 猫又さんはにやにや笑っていた。


「ところで、副会長はどこに行ったんでしょう?」


 そう言うと、猫又さんは首を傾げました。



「さあ、何処にいるのかしらね…」




  ◇  ◇  ◇



 その頃、剛力副会長は天狗の屋敷の前に座っていた。天狗に囚われていた生徒会長を助け出そうと、副会長はずっとその場所を離れずにいた。しかし、生徒会長が既に屋敷から逃げ出していた。そのことを副会長が知ったのは、それから数日後のことであったらしい。

【応援よろしくお願いします!】



 「面白かった!」



 「続きが気になる、読みたい!」



 と思ったら



 下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。



 面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!



 ブックマークもいただけると本当にうれしいです。



 何卒よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ